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詰将棋おもちゃ箱記録に挑戦!

記録展示室 No.70 芹田修さん

記録に挑戦!
記録に挑戦!
出題時のコメント:
20手台。記録に挑戦!は詰将棋のギネスブック

記録に挑戦!は、長手数記録、短手数記録から、 駒数に関する記録、繰り返し回数の記録など、いろいろな記録作品を一覧できる、詰将棋のギネスブックです。 記録作品を出題する記録展示室は、くるくる展示室についで投稿が多い展示室。 気軽に挑戦できる項目も多いので、これなら更新できそう、という項目があったらぜひ挑戦してみてください。

さて、本作は形から想像がついた方もいると思いますが、 飛道具煙(歩なし貧乏煙)の短手数タイ記録(21手)です。 飛道具煙の短手数記録は21手が理論上の最短手数で、 これまでに本間晨一、かねこきよし合作、カスヤ作の2作が作られています (記録展示室No.31を参照)。 本作は記録の追及にとどまらず、詰将棋としての内容の充実を目指して創作された作品です。

作者:
歩無し煙の逆算に行き詰った右図を、別方向で逆算しなおしたものです。 余詰と不詰の際どい境界をうまくクリアして、歩無し貧乏煙の最短手数記録になりました。 後発作ではありますが、記録をクリアしただけの前例作に比べると、詰将棋の作品として十分鑑賞に耐えうるものに仕上がったと思います。 残念なのは54成香の配置で、香車でも柿木先生は作意を答えますが、6手目55玉とされると、33角成、44角合(他合は割り切れる)以下、余詰みまくるものの、どうしても変同にしかなりませんでした。

序盤は大駒4枚の攻めで、かなり変化紛れがあり、難解です。

  56龍、同玉、55角、65玉、77桂、54玉、66桂、55玉、

イ 78玉は76龍で、88玉は55角以下、89玉は39龍以下、69玉は79龍以下
 67玉は47龍、78玉、87龍、69玉、67龍、59玉、37角、49玉、47龍以下
 75玉は76龍、84玉、57角、83玉、95桂、82玉、63香成以下

A 37角は、67玉、76龍、58玉、78龍、47玉、48龍、36玉、46龍、27玉、26龍、38玉、28龍、47玉、48龍、36玉で連続王手の千日手で逃れ
A 55成香は、67玉、47龍、78玉、58龍、89玉、69龍、98玉で逃れ
A 79角は、67玉、76龍、58玉、78龍、47玉で逃れ
B 57桂は、75玉、76龍、84玉、51角成、93玉、66角、92玉、96龍、81玉で逃れ

  46龍、64玉、44龍、75玉、74龍、66玉、
  65龍、77玉、76龍、88玉、87龍、99玉、
  33角成 まで21手

77桂、66桂と桂を4枚並べてからは、一転して香桂を消しながらの気持ちの良い龍追い。 そして最終手の33角成でピシッと引き締まりました。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山崎健さん:
飛道具煙最短3作目でしょうか?収束が美しいです。
中澤照夫さん:
斜めに並んだ桂が消えていく所が素晴らしい。
やまかんさん:
お見事!!!
Daiki596さん:
香車をとらせる順番に悩まされました。
池田俊哉さん:
飛び道具煙の最長手数でしょうか。
正直記録の意味は自分には分からないところではありますが、趣向の美しさは充分感じられました。

短手数記録でした。 長手数記録は橋本孝治さんの51手です(2010年5月現在)。

上田阿吽さん:
解き始めたときは、四桂で玉を一段目まで追い込むだろうと、その桂馬の動きがさざ波のようだと思っていたのですが、実際は玉が次々と駒を消していくんですね。それを見ていたら、雨がざあざあ降るの「ざあざあ」という言葉が浮かんできました。
増田智彬さん:
最後の桂の利きを使った趣向は初めて見ました。香は結構見たことがあるのですが。
たくぼんさん:
暗算では利きがよく分からないなあ
隅の老人Bさん:
収束の趣向がお気に入り、かな。54成香は少し残念。
嵐田保夫さん:
3手目がなかなか解らず、大海を追掛け回したり千日手になったりで大苦戦、7七桂が盲点になっていた。圧巻は五月雨式に桂馬が出没して大駒の煙詰になっていく様でまさに great 。多分始めて見た収束の筋ではないか。

記録展示室No.70 解答:10名 全員正解(下記)

  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  上田阿吽さん  隅の老人Bさん
  Daiki596さん  たくぼんさん  中澤照夫さん  増田智彬さん
  やまかんさん  山崎健さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。