飛角桂香全駒配置から詰上り3枚になる飛道具煙詰。
その短手数記録は、昨年までは有吉澄男さん(詰パラ1976年2月)の35手詰でした。
これを大幅に更新し、理論上の限界21手に迫る23手の記録を打ち立てたのが、本間晨一さん(おもちゃ箱 2007年4月)(右図)。
全体の約半数は取られるだけの駒という大胆な発想にはびっくりさせられました。
この図を見たかねこきよしさん(おもちゃ箱掲示板 2008年1月8日)。
「理論的な最短にならないのは、収束で2手余裕があるから。。。
では右図ではどうか。内容は本間作をそのままパクリです。」
この図は、本間晨一さん、かねこきよしさんの合作で、飛道具煙の短手数記録として登録されました。
ここで、いよいよカスヤさんの本作品の登場(おもちゃ箱掲示板 2008年1月12日)。
「趣向は違いますが、
・成小駒のない図
・非限定のない図
を創りました。」
本間さんの23手は最後49玉と逃げると煙詰にならないのがキズ。
またかねこさんとの合作は16成桂が金でもよいのがおもしろくない。
限界に近い手数を実現したのだから、このぐらいは仕方ないと思うところですが、そこで妥協しないのがカスヤさん。
初形すべて生駒の美しい形、そして手順は完全限定という、すばらしい飛道具煙詰の短手数タイ記録作が実現しました。
23桂成、同玉、32飛成、同玉、43桂成、同玉、
桂成から入り、32飛成捨てが気持ちの良い手。43桂成と角道を通して、趣向の始まりです。
33角成、54玉、44馬、65玉、55馬、76玉、66馬、86玉、
87飛、同玉、77馬、97玉、98香、同玉、88馬 まで21手
最後は脇役はすべて消えて、主役の馬と角による煙詰。
87香だけが玉方で、無防備にもできそうな趣向ですが、作者「本作は改造して無防備煙にすることもできますが、飛車が龍になったり形が崩れたりするのでその条件を回避しました。」 とのことで、成駒なしを優先してきれいな本図での発表となりました。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 中澤照夫さん:
- 飛び道具駒による煙詰。最近見たことがあります。
おもちゃ箱掲示板に掲載された作品です。
- 馬屋原剛さん:
- 3手目危うく間違えるところでした。私的には、飾り駒の無いこっちの方が好みです。
3手目、33飛成、同玉、43桂成では、24玉で逃れ。
本作は、本間・かねこ作とは逆に、取られるだけの飾り駒は1枚もなし。
- しょぼいよさん:
- 飛道具煙詰ではないでしょうか。
- しろねこさん:
- 実にうまい詰め将棋です。飛車の開き王手から始まり、32飛成が味方の角の効きがあるところ。味付けして馬で自陣に追い込むところも素晴らしい。
- コマンさん:
- 飛び道具図式の最短タイですか、巧いものですネ。
- 長谷繁蔵さん:
- キレイなミニ煙詰
- 稲葉上さん:
- 飛道具煙詰。32飛成が分かれば簡単。理論上は19手が最短でしょうが、手順は多分つまらないものになる?
10枚消さなければならないので、21手が最短です。
- 隅の老人Bさん:
- 欲が深いな、応手は総て駒を取る。欲張り爺、ここにあり。
最後は取れない、あぁ残念。
- 香箱さん:
- 3手目33飛成だと嵌り。
- 小峰耕希さん:
- 変化が明快で無駄駒なし。ミニ煙はこうあって欲しい。
- 広瀬稔さん:
- スピード感があって面白い。手順が完全に限定されている(?)のも、いいと思う。
- タクさん:
- 4種全駒の煙詰の最短手数ですか?17飛は絶妙の配置ですね。
- S.Kimuraさん:
- 最初の数手に少し悩みましたが,煙詰になりそうだったので,何とか詰めることが出来ました.それにしても,綺麗に消えるものです.
- 鈴木康夫さん:
- タイ記録ながら趣向手順が素晴らしく、無駄駒無し、手順完全限定で価値が高いですね。
タクさん、S.Kimuraさん、鈴木さん、残念ながら3手目33飛成は不正解です。
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