- 作者:
- 小駒歩なし煙の長手数記録(47手)です。
自作の金銀桂煙に、逆算で香4枚を入れる発想は前からありましたが、
狭い空間の中で香4枚を入れるのは難しいと思い、何度も諦めていました。
つい先日完成し、検討の結果、余詰がないと思うので、投稿します。
玉に取られるだけの飾り駒は、ありません。
自作の金銀桂煙とは記録展No.23(左図)のこと。
確かにこの図に香4枚の消去を盛り込むのはかなり難しそうですが、ドうえもんさんはなんとかやりとげ、
さらに投稿後に序を改良して49手まで延ばしました。
そう本作は小駒歩なし煙の長手数記録(49手)です。
金銀桂煙と同様の収束手順になるのですが、本作では26桂がないので、まず玉を14に呼んで26桂と据えるのを目標にします。 といっても、いきなり13桂成や23でばらすのでは後が続きません。
21銀と左から攻めます。
21銀不成、同玉、
同玉で22玉なら33桂成と金が取れるので簡単ですが11玉とかわすと?
23桂、同金(21玉なら31金、12玉、13香、同金、同桂成、同玉、25桂、同香、24金打以下)、
12銀成、同玉、23金、同玉、13金、同金、同桂成、同玉、25桂、22玉(同香は15香以下)、
12金、同玉、15香以下。
ふう。 けっこう大変です。
33桂不成、11玉、21桂成、同玉、31金、11玉、21金、同玉、
このあたりも変化が多いところですが、32でばらして43桂成の筋でだいたい詰みます
(詳細は分岐棋譜を参照)。
23香、12玉、22金、13玉、24銀、同金、14香、同玉、
23香に22歩合も32でばらして詰み。
14香に同金は25桂打以下。
これでやっと26桂が打てます。
あとは金銀桂煙と同様に、14に金を呼んでから22玉と誘導し14桂と跳ねればいいわけです。
26桂、13玉、25桂、同金、15香、同金、14香、同金、
12金、同玉、22香成、同玉、14桂、31玉、
以下の収束は金銀桂煙と同じで、これしかないところ。
32金、同銀、同銀成、同玉、43桂成、21玉、32銀、11玉、
22桂成、同玉、23金、11玉、21銀成、同玉、32成桂、11玉、
22成桂(22金) まで49手
香4枚の消去を盛り込んだにもかかわらず、成駒のないきれいな初形、
最終手を除いて非限定のない手順と、無理のない自然な作品に仕上がっているのはさすがで、
作者の創作技術の向上がうかがえます。
小駒歩なし煙第1号の本間さんの作品(記録展示室No.21)
と比べると序盤が難解で、解答者は9名にとどまりましたが、すべて割り切れており、
解けた方には好評でした。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 長谷繁蔵さん:
- 21銀11玉23桂同金12銀成が筋かと思ったら変化だった。
23香から22金 駒が増えてやり難しかった。
- 中澤照夫さん:
- 大駒も歩もないこの形から煙るとは不思議です。桂、香の使い方が巧妙で11手目23香が好手です。
- 嵐田保夫さん:
- 2四銀〜1四香の辺りが切れそうな手を紡ぐ軽妙な手順で本局のハイライト。その後の寄せもお見事。
- 凡骨生さん:
- 巧い駒回しの飛角歩なし煙ですね。
- 広瀬稔さん:
- 最初の数手が難しかったです
- 隅の老人Bさん:
- 真説、「鍵屋の辻」。
36人にはとどかないが、まあ、これくらいは斬ったかな。
- たくぼんさん:
- 結構紛れがありますね。49手とは驚きました。
- taka-oさん:
- 駒取りを趣向手順っぽく重ねた序が印象に残る。
成駒なしできれいにまとめた。
|