本作は、いわゆる四槓子持駒の作品。
一見簡単に作れそうな条件ですが、盤上には飛角歩しか配置できない上に、金銀がたくさんあるので手順を限定させるのが難しい。
詰将棋データベースで調べたところ、この条件の作品は1作しかありませんでした。
その作品とは坂東仁市さんの「宝船」(詰将棋パラダイス1998年6月)で、
双玉全駒で39手(柿木将棋で調べると10手目42玉の順が詰められず、不詰かもしれません)。
ドうえもんさんの本作のすごいところは、全着手持駒を打つ手ということ。
それにより、四槓子持駒の理論上の最短手数31手を実現しました。
初手は52香打から入って、同玉、41銀、同玉と進みます。
52香に41玉は、作意と同様の手順で銀香が節約できるので早い(51金以下の詰みもあり)。
52香、同玉、41銀、同玉、31金、同玉、21金、同玉、
31金や21金に逃げるのも、駒を使わず作意の途中に直結して早いので、全部取ります。
13桂、同歩、12銀、同玉、24桂、21玉、12銀、31玉、
21金、41玉、31金打、51玉、52香、同玉、41銀、63玉、
金銀を全部使って追い出しに成功。あとは桂香で仕留めます。
75桂、64玉、76桂、55玉、56香、45玉、46香 まで31手
シンプルな配置でうまく完全限定。
手が限られているので、持駒の多さほどの難解さもなく、楽しめる作品です。
- 作者:
- 持駒金4銀4桂4香4の作品を作ってみました。
この持駒趣向は前例がないので、たぶん持駒金4銀4桂4香4の
盤面駒数最小の記録作だと思います。
盤面駒数最小でもありますが、理論上の最短手数なので、四槓子持駒の短手数記録として登録しました。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 中澤照夫さん:
- この持ち駒の趣向が記録であろう。上部脱出させて捕まえる手順なので意外に難しくない。
- メキドラさん:
- 史上初ス−カンツ持駒が来た次はチ−トイツ持駒に期待です。
持駒 飛飛角角金金銀銀桂桂香香歩歩 ですか。これもデータベースで調べたところ、1作もありませんでした。
- コマンさん:
- 見事な持駒ですね。
- 長谷繁蔵さん:
- 面白いのを見せて頂きました。苦労したけれど創るのも苦労された事でしょう。
- しろねこさん:
- 何も言えません。難しいです。
- 真Tさん:
- これはすごいですね。易しいですが、易しく作る方が難しそうです。
- 隅の老人Bさん:
- 見るからに多い持駒、解くのが嫌になる。
でも、多いと言っても4種類、解けるかも、挑戦。
香打、同玉、以下で31手、これだなは良いけれど、変化も調べよう、41玉は?、やっぱり31金打か、納得。
多い持駒を綺麗に使い切りました、お見事。
- 鈴木康夫さん:
- 1二に手がかりをつけるしか無いと解るとほぼ一直線ですが
こんなの詰む訳が無い!が第一感でした。
四槓子持駒ですが、何の記録でしょうか?
PS.記録展示室No.27を四槓子煙と呼ぶのはどうでしょう。
No.21の本間さんの小駒歩なし煙ですね。
四槓子の玉単騎待ち? 七対子煙もできそう。
- S.Kimuraさん:
- 2手目に41玉と逃げられたときの変化が分かっていません.51金から精算するしかなさそうですが,その後が見えませんでした.
51金以下の最短順を分岐棋譜で示しました。
でも、31金以下作意と同じように追った方が簡単かも。
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