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詰将棋おもちゃ箱詰将棋美術館
アート展示室 No.117 衣川秀樹さん

詰将棋美術館
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
最終手余詰あり 10手台

アート展示室No.117 衣川秀樹

密集の三角形、アート展示室No.111 「ピラミッド」で展示室デビューをした衣川さん。

作者「今回は中央で密集形の逆三角形に挑戦してみました。 5手目 6三飛が発見出来ればあとは簡単だと思います。 少し手数が短く物足りなく感じるかもしれませんが、アート作品ですのでご容赦くださいますようお願い申し上げます。」

ということで、本作は逆向きの密集三角形です。 玉が55の都玉で三角形の中央にいるのがきれいですね。
中央の曲詰は、進むにつれ端に流れてしまうことが多いのですが、本作は最後まで端にいかず完結し、 純風船図式になっています。

それでは手順を見ていきましょう。
初手は64銀と金を取るしかなさそう。 同玉は63飛、55玉に75龍の強手があって簡単、54玉とこちらの銀を取ります。 ここで55香と打ち込むと、同馬は飛金を打てば詰み、同とには63銀捨てが好手。 同玉なら73飛以下、53玉なら51飛以下、43玉なら42飛以下、いずれも11手で詰み。 そこで、55香を取らず64玉と銀を取って逃げるのが最長です。

  64銀、54玉、55香、64玉、

手拍子に42角成と行きたくなりますが、これには53桂合がうまい受けで、63飛と捨てても55玉で逃れています。 すぐに63飛と捨てるのが好手。 これなら55玉には75龍があるので同玉と取る一手で、73金以下手順に収束します。

  63飛、同玉、73金、64玉、74龍、55玉、64銀、54玉、
  43龍 まで13手

最終手余詰は、43龍のところ53銀不成、同玉、63龍まで。 ちょっといい手順なので作意と間違うかと思い、出題コメントで触れました。

最後まで中央でまとまった逆三角形。 作者は手数が短いことを気にされていましたが、アート作品は難しくなりがちなので、むしろ短くまとまった方が好印象かもしれません。

35歩と75歩はなくても詰みますが、ないと余詰が発生。 飾り駒ではありません。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
5五香を取るかどうか迷う。 6三銀不成がメチャかっこ良い手と取らず6三飛5五玉7五龍の筋が駒余りなので悩んだが、結局香を残す6四同玉の筋を選んだ。
松崎一郎さん:
金銀の宝の山から玉を取る。
山下誠さん:
初形はきれいな逆ピラミッド。
川越敏司さん:
初形逆三角形の曲詰。 最初、玉が再び5五に戻って都詰になるのかなと予想しましたが、違いました。
小山邦明さん:
2手目の同玉や6手目の55玉の変化に出てくる75龍の手になかなか気付きませんでした。
占魚亭さん:
逆ピラミッド崩し。 自然な寄せ方。
おかもとさん:
形・手順ともに重い感じ。 最終手63龍のところ、53銀生、同玉、63龍の最終手余詰のほうが面白いかも。
池田俊哉さん:
取れる駒を取らずに逃げ続ける序は面白いが、右半分が不動なのはちょっとだけ残念かも
おしいれの大冒険さん:
初形を見ているだけでも楽しめました

アート展示室No.117 解答:10名 全員正解

  池田俊哉さん  おかもとさん  おしいれの大冒険さん  川越敏司さん
  小山邦明さん  占魚亭さん  不透明人間さん  蛇塚の坂本さん
  松崎一郎さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。