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![]() 詰将棋美術館 |
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![]() この形は大菱と呼ばれています。
詰上りが大菱になるあぶり出し曲詰は、久留島喜内の将棋妙案第94番、桑原君仲の将棋玉図第91番をはじめ、多数作られています。
しかし、初形曲詰の大菱は、ミニコミ誌を除けば河内勲さんに2作(おくろう記第39番、72番)あるぐらいで、かなり珍しい。 37角・77角と68龍から想像できるように、手順はアート展No.106と同様龍追い趣向なのですが、こちらは逃げ方が難しい。 実際に手順を進めて確認していきましょう。 初手は65龍の一手で、24玉とと金を取るのは46角、14玉、13角成、同玉、15龍以下で詰むので16玉と逃げるしかなく、25龍以下龍追いに入ります。 65龍、16玉、25龍、27玉、26龍、38玉、28龍、47玉、 37角の周りをまわって48龍のとき、作意は10手目56玉ですが、36玉が悩ましい。 とりあえず、作意手順の方を先に進めましょう。
57歩、65玉、68龍、74玉、64龍、83玉、84龍、72玉、 57歩に67玉や68龍に75玉・76玉は、上を回るのを省略できるので、短絡して早い。
86龍、78玉、79歩、69玉、66龍、58玉、68龍、47玉、 角の周りを回転するのを歩打で打開するのは覚えのある手筋。 78玉、38玉の両方とも塞がれて収束します。 さて、ここで、10手目36玉を考えてみましょう。
こちらのルートでは先に39歩、79歩を打つことになります。
具体的には、 86とを消させないよう、68龍に76玉のところで56玉と逃げれば? 56玉とするタイミングがいろいろあってややこしいですね。 特に36玉以下でも39歩、79歩を打ってから作意同様に進める変別順があるのが間違いやすい。 展示室では変別解は正解としているので問題はありませんが、上記の事情で10手目は限定されています。 盤面いっぱいの大菱の初形曲詰から迷路のような龍追いと、パズルのようなアート作品でした。 そういえば、芦ケ原伸之さんに「PUZZLART(パズラート)」という本があるのを思い出しました。 それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
51とは解説の通り、10手目56玉のとき36玉の変同と22手目74玉のとき54玉の変同を駒余りにするための配置。 62歩は、84龍のところ84と以下の余詰防ぎで置いたと思いますが、51とを置いたことでなくても大丈夫になったのかな。
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アート展示室No.107 解答:8名 全員正解
池田俊哉さん inokosatoshiさん S.Kimuraさん おかもとさん 当選者は、展示室で発表しています。 |