詰将棋美術館は芸術的な美しい詰将棋を紹介するコーナー。
飛角図式や一色図式など駒種の趣向作や曲詰など駒が織りなす形の趣向作が展示、出題されています。
美しさを追及すると、単に飛角図式とかあぶり出しというだけでは新鮮さが薄いので、複数の趣向を組み合わせた作品が多い印象です。
今月の詰将棋パラダイス2023年9月号のおもちゃ箱だよりで、
「遊び心がいっぱい」と題して本作を含めいくつかこのような作品を紹介していますので、ぜひごらんください。
さて、本作は初形を見てわかるように、角一色図式、無防備図式、風船図式、飛び石図式、金一色持駒と趣向が満載。
しかし、出題コメントにあるように、実は詰上りにも趣向が凝らされているのです。
実際に手順を進めて確かめてみましょう。
最初から58金と捨てるのは気持ちいいですが、ちょっと足りず、まずは38金と押さえます。
これに対し49玉、58玉、57玉は角金の連携でいずれも9手で詰み。
59玉は11手でこれが正解です。
59玉には58金と捨てて角の活用をはかります。
38金、59玉、58金、同玉、
25角、47角、67角と有力な手がいろいろあります。
25角はどこに逃げても詰むのでこれが正解かと思いきや、36歩の中合があり、同角に57玉と逃げられて逃れ。
67角も57玉で逃げられます。
ということで正解は47角。
47角には68玉と逃げるのが最長で、以下金をペタペタ打って角でとどめ。
47角、68玉、78金、59玉、69金、49玉、67角 まで11手
暗算だと気が付きにくいですが、詰上りは右図となって、なんとあぶり出し。
この6マスは初形ではすべて空きマスだったので、予想するのは難しいですね。
詰上りはカッコ「( )」とも見れますし、エクセルや一部のプログラミング言語で使われている不等号「<>」ともいえます。
角一色図式からのあぶり出しはめずらしく、かなり意外性があるのではないでしょうか。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 蛇塚の坂本さん:
- 角2枚の連携素晴らしい。
- S.Kimuraさん:
- 詰め上がりの形が綺麗ですね.
- 松崎一郎さん:
- 詰上りは、6枚の駒が6角形の頂点に並ぶ綺麗な対称形。
- 小山邦明さん:
- 56の角を78の方に使うように最初思ったので裏をかかれた感じですが左に使うとアートにはなりませんね。 きれいな収束形です。
- おかもとさん:
- この詰め上がりは予想外。 すばらしい。
- たくぼんさん:
- 47角で一気に狭くなりますね
- 山下誠さん:
- 初形も終形もアートですね。
- 池田俊哉さん:
- 持ち金四枚で周囲を囲んで終わりかと思ったが、まさかこんなキレイな曲詰になろうとは
- 占魚亭さん:
- 左右対称形の詰上りが綺麗。
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