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詰将棋おもちゃ箱詰将棋美術館
アート展示室 No.106 猫田いわしさん

詰将棋美術館
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
十文字 収束乱れあり 50手台

アート展示室No.106 猫田いわし

見ての通り、盤面いっぱいの十文字。 この形の初形曲詰を初めて創作したのは、将軍徳川家治公(象棋攻格第25番)で、本作は8作目になります。 本作の特長は、初形の趣向だけでなく手順も龍追いの趣向手順になっていることで、くるくるアートとして楽しめる作品です。

本作は作者の猫田いわしさんのTwitterで4月27日に図面が掲載されています。

作者は最近全駒使用の初形曲詰に取り組んでいるようで、初めての形も続々登場しています。 これらの作品も作者のTwitterで見られるので、初形曲詰が好きな方は、ぜひごらんください。

さて、それでは手順を見ていきましょう。

  48銀打、58玉、68龍、49玉、59龍、38玉、39龍、27玉、
  28龍、36玉、37銀、同桂成、同龍、45玉、

2枚の銀と55の角を軸にして、まずは右下で龍追い。

  44と、同と、46龍、54玉、44龍、65玉、

55角の周りをまわって、左下に舞台を移します。

  64龍、76玉、66龍、87玉、96龍、78玉、98龍、67玉、
  68龍、76玉、77龍、65玉、

96龍で折り返して、再び65に。

  66龍、54玉、64龍、45玉、

ぐるっと回ってまた右下に戻ってきました。

  44龍、36玉、46龍、27玉、39桂、18玉、19歩、同玉、
  16龍、29玉、19龍、38玉、28龍、49玉、48龍 まで51手

39桂とくさびを打ち込んで収束。 39桂のところで16龍とすると龍追いを続けられるのですが、結局元の形に戻るので、これは無効。
収束は19龍、38玉のところは27龍、39玉でもよいなど、ちょっと乱れがあります。

雄大な十文字の初形曲詰から1往復の龍追いが楽しめる作品でした。 作者は1往復では物足りなかったようで、39桂のところで16龍以下もう一度左辺で折り返す2往復にする案を検討されていたとのことです。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

松崎一郎さん:
4123214と全象限を駆け巡る王様。
山下誠さん:
きれいな十字形の初形。 易しい龍追い手順なのがよい。
S.Kimuraさん:
盤上にある歩がそこにある理由を考えるのも面白かったです.

4枚の歩はどれが欠けても作意が成立しなくなりますね。

おかもとさん:
初形曲詰+龍追い。 飾り駒がないのは流石。 収束の乱れは仕方ないか。
占魚亭さん:
楽しい龍追い。 初手と最終手が同地点着手なのがいいですね。
inokosatoshiさん:
51歩が飾り駒でないことも見事。
小山邦明さん:
くるくるのような手順できれいにまとめられていると思います。
池田俊哉さん:
大型初形曲詰は全部の駒の意味付けが大変だが、龍追いで広く盤面を使おう、と言うのはこの作者ならではのアイディア
収束少しバラつくが一つの収穫かも

アート展示室No.106 解答:8名 全員正解

  池田俊哉さん  inokosatoshiさん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  小山邦明さん  占魚亭さん  松崎一郎さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。