ポツンと玉座の無防備玉に、三段目の豆腐攻撃陣。 持駒も桂3歩4と、アート性たっぷりの初形です。
初手は桂打ちから入るしかありません。 純対称なので、左右どちらに打っても同じ。 とりあえず43桂と打ってみましょう。 さて、どちらに逃げますか。
43桂、41玉、
61玉と逃げると、62歩、71玉、72歩、81玉、82歩、91玉、83桂まで、端に追い詰めて詰み。
41玉だと42歩は打歩詰。 31桂成と捨てて打開します。
31桂成、同玉、
31桂成に51玉は、43桂、61玉、62歩以下先ほどの変化と同じ。
ここで桂打ではまた打歩詰になってしまうので、歩を打っていきます。
32歩、41玉、42歩、51玉、
元の玉座に戻って、右側を封鎖できました。 まだ持駒には桂2枚歩2枚残っています。 ということは、左側でもう1回今の手順ができそうです。
63桂、61玉、71桂成、同玉、
72歩、61玉、62歩、51玉、
43(63)桂 まで17手
72歩に81玉も同手数。 作意はこちらになっています。
72歩、81玉、82歩、91玉、
83桂 まで17手
対称の手順だと、最終手は23桂。 つまり、最終手は83桂、63桂、43桂、23桂の4通り、三段目の4か所の空きマスすべてで詰めることができるという、おもしろい表現です。
変化同手数は評価減になる場合もありますが、このように積極的に使うこともできるのですね。
チェスプロブレムでは変同はたくさんあるのが普通、というより、変同を含めて作意で、全体で一つのテーマを表現しているわけです。
詰将棋でも、例えば歩合から飛合までの変化がすべて同手数の異なる手順になる七種合とか、いろいろな表現ができそう。
みなさんもどんな表現ができるか、挑戦してみませんか。
- 作者:
- 初形と、くるくるのような手順です。
本作は、老花現象氏作くるくる展187をながめているうちに浮かんできたものです。
14手目6一玉が変同です(むしろこちらを作意にしたい)が、以下の詰め方が同様なのでキズというほどではないと思います。
キズどころか、プラスになっていますね。 61玉の方を作意にした方がいいかも。
対称の初形から左右両方で繰り返す手順。 まさにくるくるアートといえる楽しい作品でした。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 長谷川琴さん: (43桂)
- アートで、くるくる、楽しかった
最後は還元玉、にするのが良いと思います。
- 三輪勝昭さん: (83桂)
- 13歩と93歩は玉方にして持駒に一歩追加して29手詰の方が良いと思う。
僕は純対称より準対称にして右からか左からかのパズルの方が好き。
遊んでみました。
持駒 桂三歩四
玉方 51玉、26飛
詰方 14歩、25と、33と、53歩、73と、85と、86香、94歩以上31手詰。
- 凡骨生さん: (83桂)
- 変同が惜しいですね。
- やまさきさん: (23桂、43桂 または 63桂)
- やさしい問題だった
- 吉田京平さん: (63桂)
- くる展でもいけそうな楽しい作品。変同はちょっと残念。
- きたさん: (63桂)
- 最終手が4通りあるのがかえって面白い
- 名無し名人さん: (43桂、63桂、83桂の3択)
- 古典の51玉に攻方歩が3段目に並んだ11手詰を思い出しました。
- DD++さん: (43桂)
- 左右隅に追うのかと思ったら真ん中に戻ってくるとは!
- 池田俊哉さん: (63桂)
- 左右で同じ動きを繰り返す。最終手非限定でも最後は真ん中で終わらせたい
- 隅の老人Bさん: (83桂 or 23桂)
- 2度の桂の成捨て、上手い、上手い。
- 藤田卓志さん: (43桂)
- 暑い夏を気持ちよく過ごせそうな手順。
- やよいさん: (23/43/63/83桂)
- 対称形と変同による複数解が狙い…というところですね。
- やまかんさん: (83桂)
- 打ってすぐ捨てるリズムよし。
- やぶいりさん: (63桂)
- 初形が対称形、手順も左右に同順反復、アートです。14手目は希望限定ということで。
- S.Kimuraさん: (63桂)
- 51で詰ます方が最後の形が綺麗ですかね
- 占魚亭さん: (43桂)
- 同一作がないとは驚きです。
- タクさん: (83桂)
- 右左で行きつ戻りつの可愛い趣向でした。
- 長谷繁蔵さん: (83桂)
- 並べるだけだと思ったら紛れ有り
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