当社では米国LI-COR社製LI-6400光合成蒸散測定装置の以下の内容の修理や総合点検整備を行っています。
※分析計や露点計など(LI-6262・LI-7000・LI-7500・LI-610)も技術対応可能なケースがあります。 米国ライカ―社製LI-6400光合成蒸散測定装置の総合点検整備や修理を発売開始の1995年から専従的に行い、当社の中枢的な技能経験(詳細は会社概要ページ)となっており、過去の累計処置台数は2025年1月時点で30年間、約1,701台に達しています。 LI-COR社機器の修理は1978年から日本正規代理店として修理等行い通算47年間携わっています。LI-6400光合成蒸散測定装置に関しては1995年の発売開始時から修理や整備などを日本で専任として行ってきました。2015年からは技術対応専門の新会社設立し修理及び機器開発改造業務を行っています。 LI-6400光合成蒸散測定装置の総合点検整備とは日本国内で装置の整備や不具を合解消し、様々な調整整備を行い、納入初期の機能復元、その後の安定稼働に必要な故障防止も含めた総合的保守を行うものです。 単純な炭酸ガス・水分のゼロ-スパン校正だけではなく測定誤差に関係する心臓部のPLLクロック調整、炭酸ガス・温度・光制御の制御トレース精度調整、センサーヘッド分析計の内部薬剤交換、外部薬剤チューブなどの通気時の負荷量に関係するポンプ経路のフィルターやマフラーなどの消耗品交換や部品検査など多岐に渡る総合的な点検調整整備を行います。 |
北海道大学でのLI-6400光合成蒸散測定装置+Li-ion電池使用 測定補助業務
LI-6400光合成蒸散測定装置 総合点検整備及び修理処置累計台数は日本販売開始1995年から2025年迄で
通算 1,701台 の修理対応を行っています。
米国ライカ―社製LI-6400光合成蒸散測定装置は屋内・野外での調査など多様な場面で活用され、様々な状況が異なりますが、その安定性は高く故障発生率も低い分析機器です、しかしその解析データは各種のセンサーや開放系での正常動作があるとの限定で算出されますので、装置活用には事前検査や定期での点検整備が必須となります。
特に野外測定ではダスト混入や気温や湿度の変動、移動などのでの装置へのストレス等、屋内使用に比較して当然故障が発生する頻度が高く、使用者の確認や定期での総合点検調整の必要性も高くなります。 |
LI-6400 光合成蒸散測定装置 故障別分類グラフ
LI-6400 光合成蒸散測定装置 センサーヘッド内部構造
詳細は以下の画像をクリック頂き、PDFデータをご参照ください。
![]() 内部薬剤交換メンテナンス.pdf |
故障防止のための内部薬剤交換に関してLI-6400 光合成蒸散測定装置は上記の様に、2-3年間隔での総合点検整備が上記の様に必要ではあります。(LI-COR社では毎年整備実施とマニュアルにも記述があります。)それでも諸事情で定期点検を行わない場合は内部薬剤の劣化により致命的な損傷に繋がりますので、薬剤溶解にはご注意ください。内部薬剤の寿命は、使用頻度とは別で保管時の環境温湿度や交換後の経過期間によりす、しかし5年を経過してメンテナンスを行わず未交換だと、内部薬剤溶解(過塩素酸マグネシューム)が発生すれば分析計心臓部に大きな損傷となりえます。従って、定期的なメンテナンスを行わない場合は、最低でも当社或は輸入業者で内部薬剤の交換をお勧めいたします。 |
![]() チャンバーファン劣化故障 pdf |
LI-6400 光合成蒸散測定装置チャンバーファンの故障チャンバーファン故障は修理依頼の中で最も頻度の高いものです、超高速での回転と本体起動と同時に常に最大回転数で使用されることが多く、こまめに停止されることは殆ど無く長時間稼働する部品となって、劣化故障が発生します。 劣化すると多くの場合は、過電流によるヒューズ切れで交換しないとLI-6400光合成蒸散測定装置は使用できないことになります。故障時は外部からでは音も小さくまた視覚することのできないファンブレード回転音であり、また、センサーヘッド内部に組み込まれているので、交換も余り簡単ではありません。 チャンバーファンの寿命直前には回転時の発熱量が増え測定温度センサーに影響を与え、炭酸ガスや水分蒸気圧の測定値が細かく振れる”測定ノイズ”の原因ともなります。 チャンバーファンの交換前後の校正値は大きく偏差が出るので単なる部品交換だけではなく、本体校正値の調整も必要になります。部品も現在は高額です。 |
![]() 外部薬剤メンテナンス.pdf |
LI-6400光合成蒸散測定装置 外部薬剤メンテナンス通気法で分析するLI-6400光合成蒸散測定装置における外部薬剤の保守は重要な点検項目となります。通気経路で外気インレットから外部薬剤を通過して本体内部のCO2 Mixer unitや内部のダブルバッファータンクを介してポンプで吸引されます。本体インレットからポンプの出口までは弱陰圧状態になっていて、外気混入の恐れのある経路部分になります。外部薬剤のOリングにグリース塗布は厳禁です、次回以降ダストが付着してリークの要因になります。また本体への締め付けを工具を使用すると徐々にOリング部分からの外気導入の可能性が大きくなりますので、必ず手で締めることを順守ください。外部薬剤の状態によっては通気不全や流量不安定、またリーチングや炭酸ガス水分測定値のオシレーション症状の要因にもなりえます。この部分の整備や消耗品交換などは当社の総合点検において必須の整備項目になっています。またマフラーやタイゴンチューブなど保有があれば使用者での交換クリーニングも可能です。 |
![]() センサーヘッド内部金ミラー結露 pdf |
LI-6400光合成蒸散測定装置センサーセル内部結露測定チャンバー内部の結露はチャンバーヘッド両側に装着されているGold Mirrorが最も影響を受けて曇ります。左図の様にその反射面が結露により曇ることが故障の中では比較的多く発生しています。これは植物を挟み高い水分蒸気圧の中で冷却温度制御を行い、LI-6400光合成蒸散測定装置が警告”High Humidity Alert”の表示が出る場合です多くの場面では気が付かず、短時間でも校正値と合わなくなります。冷却実行したケースや、水分量を上昇差させる為、過加湿を行った結果に起こる操作上の故障です。このGold MirrorはIRGAソースの光を90°二度屈折してディテクターに集光される構造であり、結露にる曇りは、その光量の劣化作用となり結果”IRGA NOT READY"の表示が出て装置使用不能になったり、使用はできるがダストによる炭酸ガス濃度に影響し、蒸気圧測定の変動や遅延での水分量の誤差測定や炭酸ガス希釈変動などに繋がります。 汚染が酷い場合はチャンバーヘッド内部も汚染されている場合があり、サビの発生や内部レンズも曇るなどの状況によっては大きな問題になるケースがあります。 |
![]() センサーリップパッキンの劣化位置ズレ pdf |
LI-6400 光合成蒸散測定装置センサーリップ劣化・位置ズレ左図の様にセンサーリップ部パッキンのズレは多くのケースで起こり点検や交換が必要です。特に夏の時期には粘着剤の粘度が下がりリップ部や中央部の3つの穴の開いたパッキンは正しい位置よりズレてしまうことが見られます。 このことにより測定データはパッキン内側ズレた部分の粘着剤に付着したダストを測定し、本来の植物の光合成の値を正確に測定ができません。外気の混入により微量リーチングが起こり、炭酸ガス濃度は細かく変動する”測定ノイズ”を発生します。また外気とのガス交換や水分の付着などにより誤差のある測定データになります。最も簡単な問題ですが装置の特性上最も発生しやすい問題です。 パッキンは薄い、厚いの2種類が存在し、使用するセンサーヘッドのスペーサーの有無(9964-102 Air Passage Spacer)により使い分けます。この部分が合わないとリーチングの要因になったりリップ部の閉鎖が不完全になる等が起こりますのでパッキンの確認や交換などが必要となります。 |
![]() CO2濃度振れ幅(測定ノイズ)拡大症状 pdf |
LI-6400 光合成蒸散測定装置PLLクロック調整LI-6400光合成蒸散測定装はIRGA分析を高精度に保つように制御基盤とセンサーヘッド部のIRGA部の高速同期を行っています。 このクロック同期は厳格な調整作業が必要となります。マイクロセックオーダーでのマッチング調整箇所は多岐に渡っています。このPLLクロックは定期での調整が必要となり正しい調整で本来の高精度分析が可能になります。 測定ノイズの発生はチョッパーモーター自体の劣化以外はPLLクロック調整で本来のレベルに復元することが可能です。 調整不可能なディテクター自体の劣化やコンソール内部の基盤では調整が出来ないケースは15%程度あり、この場合は日本国内では作業を行えないケースもありますが、多くのケースでは改善することはできます。CO2濃度振れ幅の範囲は最大0.8ppm(±0.4ppm 0.8ppm 20秒間毎秒測定)です、多くの納入されているアイテムは規定仕様を十分満たす状態ですが、これらクロックの未調整で大きな振れ幅を示すアイテムがあります。測定のノイズは様々な要因で発生しますが、当社の総合点検整備では装置納入当初の振れ幅に復元するための調整作業を実施しています。 |
●上記以外の故障発生に関してのデータと故障と現象が判る資料も用意しておりますのでご用命ください。
米国ライカ―社製 LI-6400 光合成蒸散測定装置の故障対応で約10%程度は日本国内で処置できない可能性があります。 LED冷光光源・クロロフィル蛍光測定ユニットなどのLED発光帯劣化による交換修理。 IRGA内部のディテクタ劣化による炭酸ガス・水分の振れ幅拡大で、素子自体の交換。 ※ 上記故障でも接触不良、断線或は簡単な素子の故障の場合は日本国内修理可能なケースもあります。 |