カイロ最終日 2度目のピラミッドとほこりの街

4月3日(月):最高気温36度前後、最低気温20度弱。この日も快晴。
(Yahoo! Weather :カイロ

今日はカイロ市街に出て、ムハンマド・アリ・モスクとカイロ1のスーク、ハーン・ハリーリに行く予定。でも、その前に田中さんがもう1回ピラミッドを見たいというので、午前中はそれに時間を当てることとした。俺はもう特に見たいとは思わないんだけど...

ホテルでタクシーを呼んでもらい、再びギザへ。
相変わらず、ものすごい数の車に、絶えることのないクラクション。まったく、うるさい街だ... そしてまた、客引きが助手席に... だから、勝手に乗せるなっていうの!

今回、乗ってきた客引きはタルタルとかいう名前の若造。こいつもほんとによくしゃべる。ブラジルに2ヶ月間ほどいたとか、今は法律を専攻しているとか。法律勉強してる奴が、人を騙したりするなよ... そのうち、世間話も終わり、相変わらずの質問をしてくるので、
「らくだは乗らん、馬も乗らん、パピルスも香水もいらん、興味もない」
というと、
「You are funny men!」
などと笑いやがる。お前の方がよっぽどおかしいよ。別の意味で...
言葉攻めが駄目と分かると、今度は実力行使。
今日はメインゲートから入れないと適当なことをぬかしやがる。
ただ、この時は完全な嘘だと見抜けず、マジ?などと隙を見せてしまったため、あっという間に裏の路地っぽい所へ連れて行かれてしまった。さすがに怪しいと思い、とっさにオベロイホテルに行ってくれと行先を変更。なんとか、その場を離れることは出来た。しかし、何という機転のききよう!我ながら自画自賛。その後の「友人が待っている」という、田中さんの言葉はいかにも嘘っぽかったけど...

ホテルい近づくと、タルタルはタクシーから退散。やっと、うるせーのがいなくなった...
ホテルに着き、運ちゃんに料金を払う。15LEの約束だが、17LE出せという。理由はいろいろ廻ったからだそうだが、誰が一体、廻っていいって了解したんだ?まあ、大した額じゃないので払ってやったが、ほんとむかつく連中だ。取りあえず、タルタルの言ったことが真実かどうか確かめるために、コンシェルジェのデスクに行く。
「今日はメインゲートから入れますか?」
と聞くと、
「オフコース!」
という回答。やっぱり...
ここで、分かったことっていうか、これから行く人へのアドバイス。
有名ホテルを有効に使え!ということ。ピラミッドへ行く時は、オベロイ。考古学博物館へ行く時はヒルトン。行先をホテルにすれば、うざい客引きは乗ってこないし、高級ホテルに乗り付けられるタクシーならば、比較的安心は出来るのでは?それと、話し掛けてくる奴は、徹底的に無視。ホテルのボーイでさえ、何かにつけて、なんかくれといってくるので、いちいち相手にしていると、精神的に疲れる。受け流す技術を身につければ、完璧だろう。
一昨日、見つけた、リラックスポイントで心を落ち着かせてから、2度目のピラミッド見学。今回は反対サイドに行ったりして、ゆっくり見ることにした。田中さんは砂を集めたり、石を拾ったりと、他人に共感を得られない趣味に没頭し、楽しそう。俺もボーッと見続け、マイワールドに浸っていた。

しかし、今回はそうそうマイワールドに浸っている場合ではなかった。
「ジャパニーズ?」、
「キャメル?ホース?」、
「カメラ?」と、らくだ、馬に乗った奴等が次から次と。あ〜、うっとおしい... もう、俺に話し掛けんな!その濃いー顔は見たくもない!
ほんとにうざいの一言。さっきの体験も蘇ってきて、怒り心頭だったのだが、いちいち対応するのもエネルギーの無駄なので、全て無視or受け流すことにした。
田中さんが満喫するまで見てから、オベロイのカフェでお茶することにした。この後は、昨日に引き続きカイロ市街へ。ピラミッドとはほんとに最後のお別れ。でも、これだけ見れば、もう十分。田中さんはまだまだ見足りないといった感じだったが...
ホテルでタクシーを呼んでもらい、ムハンマド・アリ・モスクへと向かう。ピラミッド以外のものを観れるということに、なんだか不思議な楽しみが...
今回乗ったタクシーの運ちゃんも、またまたよくしゃべる。しかも、相当怪しい。こいつも日本人の友達がいるとか言って、名簿を見せてくれたが、こんなことをして、信用してくれるなどと本気で思っているのだろうか?信用して欲しいなら、しゃべらない方がいいぞ、と本気で教えてやろうかと思った。
目的地に到着するまで、運ちゃんはしゃべりまくり。次はどこへ行くんだ?としつこいので、ハーン・ハリーリと答えると、待っててやると言う。いらないと断れど、断れど、なかなか諦めてくれない。終いには
「Give me a chance!」
なんていいやがる。お前にはプライドってもんがねーのか?まがいなりにも、オベロイに乗り付けられるタクシーの運転手だろ?情けない...
結局、いらんと断り、チケットを買って中に入る。
しかしこの寺院、えらいでっかい。中もすごくきれいだし、エジプトのイメージからは想像できない感じだ。途中、靴を脱がなければ中に入れないところがあったが、俺はブーツを脱ぐのが面倒なんで、却下。田中さんは中に入ったが、大したことはなかったといって出てきた。
カイロ市街が一望できる場所で、ちょっと休憩。
ここは、人も少なく、遠くにはかすかにピラミッドまで見えて、すごく雰囲気のいいところだ。しかし、これほどまでに、ほっと出来る空間が少ないと、毎日、毎時間、気が張ってしょうがない。よくこんなところに、江上さん(会社の先輩OL)は学生時代1ヵ月もいたそうで、よくいたもんだと、ある意味、尊敬してしまった。

結構、長い間ゆっくりしてから、第2の目的地ハーン・ハリーリへ。タクシーで行こうかと思ったのだが、まあ、歩けそうな距離なので、カイロ市街を散歩しながら、歩いていくことにした。しかし、これが大失敗。比較的大きい道を選んでいったのだが、歩道から溢れんばかりの通行人がいるので、避けるのに一苦労。しかも、ものすごい量の排ガス。着く頃にはあまりにも疲れて、スークを観て廻るどころではなくなってしまった。
とにかく着くなり、カフェで休憩。ハエを難なく振り払いながら、お茶を飲んでる自分がなんか嫌だ...
ここのスーク自体は、カイロ1といわれるだけあって、お店も多いし、面白い物が結構多くあって楽しい。でも今回は、余りの人の多さに購買意欲もなくなり、取りあえず、一通り見て、さっさと昨日も行ったヒルトンのフードコートに逃げ込もうということになった。
疲れていながらも、興味津々で周りの店を見ながら、大通りへと向かう。通り過ぎる人の視線をびしびしと感じていたのだが、俺の後ろを歩いていた田中さんいわく、ものすごい注目のされようだったらしい。日本人が珍しいのか?俺本人が珍しいのか?でも、前者だとしたら... 注目されなかった田中さんは一体、なに人?



大通りでタクシーを拾い、ヒルトンへ。もしかしたら、ここが1番リラックスできる場所かもしれない...
俺、田中さんともに便所に行き、まずはうがい。ほんとはもっと前に出来れば良かったのだが... それから席に座り、軽く昼飯。いやいや、ほんとに疲れた。
ゆっくり休憩していると、隣りの席に超かわいい女の子がいるのを発見。すごいかわいい子で、こころ的にも休養が取れたような気がした。

靴を脱いで、完全にリラックスモードなのだが、冷房が強すぎて、段々と寒気がしてきた。外と中の気温差、車の排ガス、歩き過ぎから来ている疲れ。しかも、俺は病み上がり。このせいで、どうやら、やられてしまったらしい。完全に風邪を引く前の症状が出ている。これは、ちょっとやばいかも...
とにかく、このまま冷房に当たり続けるのは良くないと思ったので、田中さんの要望により、カイロ1豪勢だといわれる、マリオットホテルに行くことにした。
マリオットホテルはヒルトンから見える位置にあるので、歩いて移動。しかし、歩いてみるとかなりの距離があり、さらに疲労蓄積となってしまったが、体調は暖かいところに出たので、少し治ったような気がした。
マリオットホテルのオープンテラスのカフェは、いかにもヨーロッパの金持ちが使いそうな感じで、空気が違う。取りあえず、飲み物を頼む。その後、移動するのが面倒臭いので、夕飯もここで食べてしまうことにした。デラックスハンバーガーなどと、たいそうな名前のものを頼んだのだが、胸焼けがして、結局残すはめに。調子に乗って、こんなこってりしたものを頼むんじゃなかった...
多少、回復したと思っていた調子は、さらに悪い状態に。これ以上外にいると、明日以降の予定がすべてパーになると思ったので、かなり早かったのだが、ホテルに戻ることにした。ただ、明日のフライトは何と夜中の2:00。今夜23:00にはチェックアウトしなければいけないため、早すぎるということはないだろう。しかし、何だよ夜中の2:00って。もうちょっと、なんとかしろよHIS!
ホテルに着いた後は、田中さんに風邪薬をもらって、暖かくして、すぐにベッドへ。はやく治ってくれと願うばかりだ。

今日で、エジプトも最後。正直な感想は、やはりピラミッド、スフィンクスはすばらしい。ただ、裏を返せば、それ以外はただのうるさくて、汚い街。ピラミッド、スフィンクスは一見の価値が十分あるが、それ以外は、どちらかといえば避けたいところ。だから、1度見てしまった俺はもうこの国に来ることはないだろう。
明日は待ってましたのギリシャ。楽しみなのは当たり前なのだが、それとは逆に体調が不安だ... とにかく、治
ってくれ〜



NEXT DAY(佐治編)
NEXT DAY(田中編)
この日記の目次にもどる