ちえこの「女5人 雨にも負けずに遊んだ香港日記」


香港島の『金庸記酒家』(ヨンキーレストラン)で撮った記念写真。左から、いとこ、姉、私、母、伯母です。


◆香港再訪!!

今年のGWはどこにも行く予定がないという話しを母としていたら、「じゃぁアジアあたりにでも行ってみる?」と持ちかけられたのは既に4月に入ってからであった。
「ものすごく行きたい!!」という気分ではなく、「どこか安くていいのがあったらねー」という感じであった。とりあえず会社帰りにHISに寄り、何かいいのはないか訊いてみた。
GWまで1ヶ月を切っていたが割と空きもあり、その中でも行くとしたら香港かなと漠然と思い、家に帰って相談してみた。もらったパンフレットを見ていると、同じツアーの6月出発では、GWの半額近くになっており、これだったらわざわざ無理してGWに行くことはないよね、土日からめて行けば行けなくもないからそうしようと、6月に変更になった。
GWだったら都合が悪かった姉も6月だったら大丈夫ということで姉も加わり、さらには、母の姉(私にとっては伯母)とその娘(私にとってはいとこ!)も誘い、女ばかりの総勢5名の旅が決定した

・ツアー名:『午前便利用<<1延泊無料!!>>オリジナル乗りノリ観光&飲茶の昼食付チャオスペシャル香港3日間』←もちろん、無料で1延泊して4日間にする。
・料金1人:61,040円(旅行代金:57,800円+成田空港使用料:2,040円+香港空港使用料:1,200円)

=日程=
2001年
6月 7日(木):CX509 成田 10:00発→香港 13:35着
6月 8日(金):HISオリジナル乗りノリ観光とショッピング(飲茶の昼食付)
6月 9日(土):終日自由行動
6月10日(日):CX508 香港 16:05発→成田 21:25着

香港に行くのは、今回で2回目。海外初の再訪地が香港になろうとは思ってもいなかった。
返還前の96年3月に訪れて以来返還後の香港は初めて。2回目のおかげで“香港学習”をしていても、なんとなく土地感もあるし、頭にスルスル入っていった。初めてのところだと、どうしても距離感やイメージがつかめず、行ってみなけりゃ判らないという気分になり、学習は大抵はかどらないものである。
前日の夜には、伯母といとこが我が家へ集まり、わたしは大急ぎで旅行の準備をして、朝食用のサンドウィッチを人数分作製したりした。みんなが揃うと、より一層楽しみな気分になってくる。明日は早いので24時前には就寝する。


第1日目 6月7日(木) 香港:雨or曇り

◆ 成田へ

今朝は5時半に起き身支度を済ませ、6時20分に我が家を出発した。8時過ぎに成田第一旅客ターミナルに着きチェックインをし、荷物を預けたら私だけ一人JCBラウンジへ向かい、アイスコーヒーを飲みながらきのう作ったサンドウィッチを食べた。
9時過ぎになったのでラウンジを出て、出国手続きを済ませ、待ち合わせの18番カウンターで座って待っていた。9時40分ころにはみんなと落ち合え、そのまま搭乗。機内はほぼ満席に近い状態であった。

◆ まずい機内食

今までの飛行機経験の中でこんなにも定刻通りに離陸したのは初めてなくらいスムーズであった。
しばらくすると、飲み物が配られ、わたしはトマトジュースとビールを頼んで、レッドアイを作り飲んでいた。
機内映画は何かな〜と楽しみにしていると、これだけにはあたって欲しくないねと機内誌を見ながら言っていた『Anti trust』という誰が出ているのかさっぱり判らないような映画が始まった。我慢して15分くらい観ていたが、本当につまらなかったので、観るのをあきらめ機内食が出てくるのを待った。
機内食はフィッシュorチキンで、フィッシュを頼んだのだが、ワゴンに乗っているのは全てチキンでちょっと待たされた。待っているあいだにフィッシュがなくなってしまい、ビジネスクラスのビーフとフィッシュしか残っていないと言われ、ビーフを選んで食べてみた。ビジネスクラスだから相当おいしいのだろうと期待したが、おいしいどころかちっとも食が進まない味で、少し食べて終わらせてしまった。飲み物にはオレンジジュースを頼んだら、つぶ入りのおいしそうなジュースが出てきたのでワクワクして飲んだら、“口にしてはいけません!”と書かれてあるような芳香剤を誤って飲んだ気持ちになり、気分が悪かった。
前回の香港でもキャセイを利用して、その時は機内食がものすごくおいしかったから、今回も期待していたのだが、裏切られて非常に残念だった。いくらなんでも、ごはんに、蕎麦に、パンという組み合わせはないだろう。ブロイラーじゃあるまいし、と思ったら憤りさえ感じた。結局まともに食べられたのはパンのみであった。
食後のデザートでは、ハーゲンダッツのミニカップが出てきて、バニラ、ストロベリー、クッキー&クリームの中から選んで食べることができた。私はストロベリー。これは裏切らない味でおいしかった。
機内では特別眠くなることもなく、音楽を聴いたりしながらボーッとしていた。あまりにもやることがなくなったので、いとこが持ってきた“るるぶ”を見ながら、広東語の練習を二人でしていた。最初はすごく難しかったけど、何度も何度も繰り返し言っているうちにとても楽しくなってきた。
そうこうしているうちに、現地時間の13時半に香港新国際空港に着陸。(日本との時差はマイナス1時間)機内の窓から見える5年ぶりの香港の景色は、どんより雨模様であった。


◆ ホテルへ

イミグレに行く途中に両替をするところがあったので、少しだけお金を両替することにした。手数料がかからずに1万円を607.5HK$(1HK$=約16.46円)に両替することができ、他に一人5千円集め、計2万5千円を共同財布用に両替した。
香港への入国を済ませ荷物を受け取り、迎えに来てくれるガイドさんを探した。少しだけ待っていると現地のガイドさんがふらりと現れ、「はぁーい、こっちですよぉ」という感じで、彼の後をついていった。
外に出ると、本格的に雨が降っていて、少しだけ気分が沈んだ。
小型バスに乗りこんだのは、私たちと女性3人組、年配の夫婦、30代くらいの男性二人組であった。バスの中では、まずガイドさんが自己紹介をして、香港事情を説明してくれた。ガイドさんの名前は周エイカンさんと言い、
「エイカンは難しい漢字なので憶えなくていいです」とあっさり言っていて可笑しかった。
彼が話してくれたことは、チップのこと。ホテルのボーイさんが荷物を運んでくれた時には5HK$、枕銭は一部屋10HK$、チップが必要なトイレでは2HK$、レストランではサービス料が10%入っているので、さらに10HK$くらい置くようにと言っていた。特に枕銭のところでは、お客さんのチップが従業員の給料の半分に影響しているので、忘れずに置いてくださいとしつこく言っていた。
後は、香港の看板のこと。“押”と書いてある看板は、日本人はマッサージや印鑑を想像すると思うが、実は質屋の看板であること。“酒店”と書いてあるのは、酒屋さんじゃなくて、ホテルを意味していること。
牛雑と書いてあるのはホルモンのこと、豚赤と書いてあるのは豚の血のかたまりを表しているから注文する時には注意するようになどと教えてくれた。
また、私たちにとってザーザー降りと感じる今日の雨は、たいしてすごいことではなく、もっと激しいのが降るのだとも言っていた。
ホテルへは高速道路を使い、空港のある大嶼山(ランタオ島)から九龍島、香港島へと渡った。高速道路の途中で、追突事故があり、事故ったFedexのクルマなどを目撃した。香港のクルマは前には白いナンバープレート、後ろには黄色いナンバープレートがついていて、黄色いナンバープレートは反射するので追突防止の役目を果たしていると言っていた。
バスの中では両替もしてくれ、空港よりレートがよかったので、さらに共同財布用に3万円両替してもらった。(1万円→610HK$。1$=約16.39円)
そういうわけで、車中ではいろいろな話しを聞き、途中で夫婦たちが降り、私たちの泊まるホテルがある、香港島の北角(ノースポイント)にある『香港粤華酒店』(South China Hotel)には15時過ぎに到着した(画像右がホテルの外観)。
私たちと3人組の女性のチェックインをしてもらい、明日の観光の集合時間はロビーに8時15分であるということを聞いて、周さんとはそこで別れて部屋へ入った。

◆ 『恋する惑星』の舞台、ヒルサイド・エスカレーターへ

ホテルの部屋は狭かった。私たち家族3人と、伯母といとこの二部屋に分かれた。私たちの部屋はさらにエキストラベッドを入れてもらったので、ぐっと狭く感じた。
出発前にロビーのヒトに今日行くレストランの予約をしてもらい、16時には出発して、歩いて5分くらいかかる最寄駅の北角(ノースポイント)駅へと向かった。隣にあるセブンイレブンで、明日の朝食用に何かあるか物色する。帰りにパンでも買って帰ろうと地下へ降りていった。
香港のエスカレーターは早い!5年ぶりの懐かしさがこみあげてきた。エスカレーターが早かったのはシンガポールもそうであった。香港とシンガポールの共通点は他には冷房を効かせすぎるということをその時思い出した。冷房を効かせ過ぎる国はエスカレーターが早いのか?!
地下鉄の車内はこれも懐かしい銀色のツルツルと滑るイス。けっこう早いスピードで走っている感じがしたが、平気のへーざで携帯でおしゃべりをしている女の子を見かけ、すごいなと思った。そのことを隣に座っていた母に言うと、ホテルへ向かう途中の海底トンネルの中でも周さんが普通に携帯を使って話していたと言っていた。一体どんなアンテナを使っているのだろうか?
中環(セントラル)へは、15分くらいで到着。(地下鉄:6HK$=約96円/1人)改札を出ると、目の前にパン屋さんがあったので、ここで明日の朝食用のパンを買っていこうといろいろなパンを買ってみた。(43.75HK$=約700円)
外へ出ると相変わらず雨が降っていた。中環(セントラル)から向かう目的地は、日本でも有名な香港映画『恋する惑星』の舞台となった、ヒルサイド・エスカレーターである。世界最長のエスカレーターで(800m)、山の急斜面に建っている高層マンションに住む人々の足として、中環(セントラル)からミッドレベルの高級街までを結んでいる。
一本しかエスカレーターはなく下行きは6時〜10時、上行きは10時〜22時までとなっているとガイドブックに書いてあった。
長く続く一本のエスカレーターかと思ったら、途中途中で降りるところがあり、たまに写真を撮ったり、街の風景を楽しみながら、20分間の旅を楽しんだ。上に行くごとに街並みや建物がハイソになっていき、おもしろかった。しかし、いくら高級になっていくにしても、このエスカレーターでいつもいつも駅まで行ったりするのは億劫ではないかとも思った。途中で、絶対ここからトニー・レオンが自分の住むアパートを覗いただろうというところがあってすごく興奮してしまった。
頂上?に着いたら今度は下りの階段を降りなければならない。行きはヨイヨイ帰りはコワイではないけれど、ちょっと疲れるかもと思ったが、それほど苦痛ではなく下りてこられた。途中の果物やさんで、ライチ(18HK$=約288円)と龍眼(ロンガン)という梨の皮の色をしたライチより小さめの果物(20HK$=約320円)を買ってみた。

◆ 激しい雨

エスカレーターから下りるとそのまま中央市場の方へ向かった。市場は既に終わっていたのか閑散としており、少し時間を持て余していた。すると、さきほどまでは一時止んでいた雨がすごい勢いで降りだし、バケツをひっくり返したという表現では足りない、ドラム缶をひっくり返したような雨が降り出した。
香港人も雨宿りをするくらいの雨だったので、私たちもさきほど買ったフルーツを食べながら、市場のところで雨宿りをしていた。龍眼(ロンガン)はライチよりも甘く私はさっぱりしたライチの方が好きだった。母といとこもライチの方がいいと言い、姉と伯母は龍眼(ロンガン)の方が好きだと言っていた。人それぞれである。
30分くらいしたらだいぶ雨も落ち着いてきたので、といっても日本のザーザー降りのもうちょっとひどいくらいであるが、19時から予約したレストラン『金庸記酒家』(ヨンキーレストラン)へと向かった。

◆ うまい!うまい!!うまい!!!

雨の中さ迷いながらも、やっとレストランに到着。予約したからか、2階席に通される。19時前ではあるが、お客さんはまばらである。料理の注文は、姉が出発前に作ってくれたあんちょこを見ながらメニューと照らし合わせてみる。関西弁を話す、日本人の女性が注文を訊きにきてくれたので、食べたいものを言い問題なく注文でき、ホッとした。
まず、ビールといっしょに、人数分のピータンが出てきて食べてみる。ピータンを初めて食べたのは広尾の香港ガーデンであったが、見た目もダメだったし、味もいまいちだった記憶があり、ちょっと抵抗があったが、けっこうおいしく感じたからよかった。
次に下記に書いたメニューが次々にでてきて、機内食もあまり食べられなかった腹ペコな私はガツガツ食べてしまった。
最後はお決まりのマンゴープリン。果肉もたっぷり入っていて、本当においしい食事が楽しめた。関西弁を話すお姉さんに、頼んだメニューを漢字で書いてもらい、ついでに値段も書いてもらえた。サービス料やチップも含めて合計800.8HK$(=約12,940円)一人約2,500円でこのおいしさはすごく安いのではないかと感じた。

糖心皮蚤(ピータン)     お通し?!(管理人注:お通しではありません^^。画像下)
青島ビール          22HK$/1=約352円
白灼生蝦(ゆでエビ)     250HK$=約4000円
百花蒸醸豆腐(豆腐にエビのすり身を詰めて蒸したもの) 72HK$=約1152円
蒜蓉菜遠(菜の花炒め)    52HK$=約832円
酢豚             68HK$=約1088円
叉焼飯(ご飯の上に焼き豚がのったもの) 25HK$=約400円(画像下)
蟹肉伊麺(蟹肉入りのタン麺) 35HK$=約560円
滑牛麺(牛肉ラーメン)    30HK$=480円
菜遠蝦球(菜の花とエビ炒め) 102HK$=約1632円
マンゴープリン        24HK$/1=約384円(画像下)

 
  

◆ 香港の六本木へ

レストランから、近くの蘭桂坊(ランカイフォン)へ。ここは50mほどの裏通りに、洒落たバーが建ち並ぶ欧米人街。香港の六本木みたいなところだ。イギリスのパブを彷彿させるバーが建ち並び、私の大好きな雰囲気を醸し出している!グルッと一周して、雰囲気が良さそうな店を選ぶ。途中で、白人のいい男揃いの立ち飲みバーがあるが、立ち飲みなのでパス。「ちょっと、ちょっとぉ、そこかっこいいヒトたちいるねー」と姉といとこに言うと二人とも「あっ、ホントだー」と言っていたので間違いない。
結局、21時半までハッピーアワーと書いてあった『HADYユS』というバーに入る。お店のお姉さんお勧めのビンに入ったカクテル(Two Dogsみたいなもので、いろいろな味がある)を頼んだ。一人一本につき、もう一本無料で出てくる(2 for 1)というのがここのハッピーアワーであった。
ポテトをつまみながら、上に備え付けてあるテレビを見ながら、ボーッとしていた。私のほうから見えるテレビでは、動物たちが映っていて、いとこは「なんか“野生の王国”みたいなのやってるねー」と言っていた。「古ッ。それだいぶ古くなーい、わかる自分もなんか悲しいけどさぁ」と言い、いとこのほうから見えるテレビはNBAの試合がやっていた。
近くには5〜6人の男性グループとその向かいには4人くらいの女性グループがそれぞれ飲んでいた。しばらくすると、男性の一人が女性グループに話しかけていた。「おっ、ナンパが始まったぞ。でもうちらは、高齢者付きだから、ナンパされないねー、ざーんねん」と言いながらチラチラと盗み見ていた。
すると、女性グループの一人が、声をかけてきた男性に、「これ、そこに座っているヒトに渡してー」というようなことを言って名刺を一枚渡していた。なんと、積極的というか、判りやすいんだろう!日本人だったら、全員にとりあえず渡して、気に入ったヒトから連絡がくるといいなぁと思うだろうけど、これだったら事もスムーズの運びそうだ。すごく感心してしまった。
結局、お酒は一本しか飲めなかったので、持ち返ることにしてここを後にした。(BAR:335HK$=約5,360円)
帰りは再び中環(セントラル)駅から地下鉄に乗って北角(ノースポイント)駅で降り、行きに寄ったセブンで水や牛乳などを買い(61.6HK$=約985円)ホテルへ戻った。それからお風呂に入り、24時には消灯した。


第2日目 6月8日(金) 香港:雨or曇り

◆雨の市内観光

7時に起床。部屋の窓から見える外の景色は残念ながら雨。「明日は晴れでしょう」と呑気に言っていたガイドの周さんを恨むことにして、気持ちを落ち着かせる。
身支度を済ませ、きのう買ったパンやライチ、龍眼(ロンガン)を隣の部屋でみんなと食べたりする。パンは甘いのもあったが、それぞれにとてもおいしかった!
8時15分にはロビーで待っていたが、雨のせいでバスが遅れて8時半頃迎えに来てくれる。
ツアー人数は23人くらいいて、私たちが最後だったせいか、席があまり空いていなかったので最前列を占領して座る。
まずは、ヴィクトリア・ピークへ。香港の百萬ドルの夜景が望めるところだが、こんな雨で果たして景色は見えるのだろうか?
車中では周さんが香港のさまざまな情報を伝えてくれた。今日のこのくらいの雨は本当にたいしたことではないこと。もっとすごかったら、小学校が休みになり、さらには会社が休みになり、最終的には全ての交通機関がとまってしまうと言っていた。雨で会社が休みになるのはいいな〜と軽い気持ちで羨ましく思った。でも、日本だったら交通機関が最初にストップしてしまうよなぁとも思った。
他にも、バスの車窓から見える二枚屋根のタクシーを指差し、強い日差し避けのために二枚屋根にしていると教えてくれた。普通の一枚屋根のタクシーも見かけたが、それは近いうちに車検に出すタクシーだそうだ。政府では許可されていないから、車検が近づくと屋根を一枚取っておくらしい。
香港の人々の足となっている、二階建てバスには二種類あり、冷房のついているバスと冷房のついていないバスがある。見分け方は簡単で、バスの窓を開けているか開けていないかで判る。運賃は、冷房のついているバスはついていないバスの二倍かかり、OLさんたちはお金の節約のためについていない方に乗って出勤しているらしい。また、冷房のないバスでは1階席より、2階席の方が涼しく1階席では座ると31〜2度くらいになるため、みんな2階にこぞって乗ってしまい、よく横転事故を起こすのだと信じられないようなことを言っていた。
香港で有名なのは、建築中の建物が全て竹の足場(竹棚=チュッパン)で組まれていること。竹ざおどうしを竹のつるで縛っている。もうこれは、実物を見れば驚くけれど、建築中の建物というより、それ自体が既にアートと化している。職人さんは、命綱なしで竹の足場にのぼって作業をするのだそうだ。命綱をつけていると仕事に時間がかかり効率が悪い。月々のサラリーではなく、一つの建物にたいしてお金をもらっているので、早く仕事が終わればそれだけ割がよくなるというのだ。月々50万円くらいはもらっていると言っていた。でも、職人さんはとても縁起を担ぐところがあり、例えば、朝お茶を飲んでいてその湯のみがぶつかって転がったりするとその日の仕事は休んだり、また、翡翠は香港では、自分に幸運をもたらす石とされていて、翡翠の指輪なり、何かしら翡翠を身に付けているのだそうだ。こんな危ない仕事だから保険をかけているに違いないと思ったら、危なすぎて保険会社が受けてくれないのだと言っていた。まさに命がけの仕事だ。もちろん、今日は雨が降っているためお休み。竹はすごく滑るから今日なんかに仕事をしたら転落者続出だろう。

◆ ヴィクトリア・ピークからの眺め

ヴィクトリア・ピークの麓にある、ピークトラム乗り場に到着。ここから急勾配を登って山頂駅へ。片道だと20HK$(=約320円)、往復だと30HK$(=約480円)。右側に座った方が景色が良く見えると勧められたので、皆右側に座る。思った以上の急勾配で、通路に出て立ってみると普通に立ってはいられなくて、急勾配に対して直角にしか立てない。すると見た目的にかなり斜めに立っていることになりすごく不思議な感じだった。「すごいGを感じるよ〜」とおもしろがって遊んでいた。
頂上駅に着くと、直結しているビルを抜けて外に出る。ひとまず9時半に集合するようにと言われ、雨が少々降っていて景色がまったく期待できなかったけど、展望台へ行ってみる。案の定ガスっていて、ここは天界?と思わせるような風景だった。今だったら恐怖心もなく飛び込めそうだ!そんな感じのする景色だった。滞在中に本物の百萬ドルの夜景を眺めることができるようにと祈りここを後にした。
集合時間までまだ少しあったので、さっきのビルの中に入り母はマンゴープリンを買っていた。(12HK$=約192円)きのうと比べるとやはり劣ってしまう味であった。

◆カタカタカタ・・・

頂上からバスに乗り込み、もう少し下におりて景色を楽しむことに。ここは、5年前にも来たことがある場所だった。どんなふうに写真を撮ったかも憶えていたので懐かしかった。
ここからはくっきりはっきりとまではいかないが、景色が望めた。観光客が次々に降りて写真を撮っていく。観光客のいるところに、インチキ土産を売るヒトありきという法則ができていると確信している私は、確かにここにもいるということを目の当たりにした。最初、“カタカタカタカタ・・・”という音がするので、あれ、青信号でもあるの?と思ったが、変なほふく前進人形の音であった。しかも誰も見向きもしないし、ちょっと踏まれたりしていて可笑しかった。なんで、青信号があるのかと思ったのは、きのう駅へ向かう道すがら、ものすごく“カタカタカタカタ・・・”という音がして、どっかで工事でもしているのか?とキョロキョロしていたら、それは歩行者用の青信号の音であることが判明したからだ。
再びバスに乗りこみ、トラム乗り場へ(右の画像がトラム)。車中ではまたいろいろなお話しを聞かせてくれた。日本と同じ、またはそれ以上に香港の物価が高いものは、家賃とタバコとガソリンであること。家賃は東京よりもずっと高く、生活するには香港はお金がかかるということ。周さんもお姉さんとそのだんなさん、子供と一緒に住んでいるくらいだと言っていた。また、山の上に建つマンションでも夜景が見える側と山側とでは、家賃が違うこと。夜景側は山側に対して1/3も高いのだと言っていた。
タバコも日本では1箱250円なのに対し、500円はするということ。ガソリン代も非常にかかり、同じように駐車場代もバカにならないので、1ヶ月にかかる維持費が相当なものになるということ。周さんも1年間Civicに乗っていたがものすごくお金がかかってしょうがなかったと言っていた。
香港における男女比は、10人に対して、男性が7、女性が3という割合らしい。ここに来たらモテモテか?と思い、バスの窓から外を見ると本当に男のヒトがたくさん歩いていてびっくりした。
3人の女性に対して3人の男性が結婚する。そうすると、必然的に4人の男性が余ってしまう。その余った男性たちは、中国まで行ってお嫁さんを捜してくるのだ。中国人のお嫁さんをもらう場合一緒に住むための申請が必要とされ、許可がおりるまでに最低でも2年、長くて8年近くかかってしまうので、早くしなければならないとも言っていた。

◆トラム→フェリー→宝石や

トラムに乗るためにバスから下車。トラムは街中を走っている二階建ての路面電車で、どこまで乗っても均一料金の2HK$(=約32円)だ。後部ドアから乗り込んで、降りる時は運転席の傍らにある運賃箱に料金を入れればよい。
トラムに乗っている時は雨が止んでいたので、2階席からの眺めはとても気持ちがよかった。
トラムでは、九龍島行きのフェリー乗り場まで行き、そこからスターフェリーに乗って九龍島まで渡った。九龍島までは約8分間で、片道料金は2階席のアッパーデッキが2.2HK$(=約35.2円)、1階席のローアーデッキが1.70HK$(=約27.2円)である。九龍島に着いたら、またまたバスに乗り込む。
今度は、宝石やさんへ。ちょこっと説明を聞いたら後は自由に店内を見て廻っていい。翡翠は自分に幸運をもたらしてくれるとさきほど聞いていたので、ちょっと欲しくなって指にはめてみる。指にはめてみようものなら、もう大変。お姉さんが、「あなた若いから、この値段の半額でいいわー」「こんなのはどう?」「これは?」「あれは?」としつこいしつこい。そもそも定価が半額なんだろっと思わずにはいられない。接客業をしているいとこは、こういう接客が一番好きではない!と怒りすら表していた。母と伯母は口車に乗せられ、ちょっと買いそうだったけど、必死でとめて思い留まらせた。
私は、乗り物にたくさん揺られて気分が悪かったので、近くに座って店内の様子をボーッと見ていた。ツアーに参加しているイチャイチャカップルの彼女は彼氏にネックレスを買ってもらっていてご満悦そうだった。私の近くで同じように待っていた女性3人組は、そのカップルを見て、「あのカップルさー、手とか絡ませて歩いちゃって、ベタベタしすぎじゃなーい」というようなことを言っていて、噴き出しそうになってしまった。なぜなら、私も全く同じことを思っていたからだ。見ているところは皆いっしょである。周さんにも「そこのカップル、僕の話し聞いてくれてますか〜」(独特のイントネーションで読む)と何度も言われていたし。
お店の店員さんは、素足にパンプスを履いている。ガイドブックに香港の女性はパンストの普及率が高くないと書いてあった。生活水準の向上度を調べる指標のひとつとして、パンストの普及率が挙げられるが、香港ではあまり有効な指標ではないらしい。まさにその通りだと実感した。

◆絹の都→飲茶

再びバスで絹の都へ。バスに乗り込む際にさっきのイチャイチャカップルの彼女が、「ありがと〜、嬉しい〜」みたいなことを言うと、彼氏が「じゃぁ、俺にロレックス買ってくれよ」、彼女「毎年こつこつ貯金とかしないとだから、10年くらいかかりそうだよ〜」と言うと、すかさず彼氏「帰りの空港で買ってくれればいいよ」とサラッ言っていてまたまた悶絶しそうに可笑しかった。
絹の都は店名通り絹のお店である。本物の絹と偽物の絹(ナイロン)の見分け方を説明してくれた後、私や姉、いとこは雅子様がご愛用のシルクタオル&パフ(これで顔をマッサージすると、お化粧の落し忘れを取り除いてくれるらしい)を買ってみた。(帰国後もまだ使ってみてはいない!)
母と伯母はシルクのチャイナ服(チャイナドレスではなく、上に羽織るモノ)を試着していた。「あら、これ誰かの結婚式にいーんじゃない」と私たちの顔を見ながら呟いていた。「誰かって誰よ?!」と反論してみる。結局二人ともなかなか仕立てのいいシルクの服を買っていた。
続いてお昼。香港のお昼休みは13時からが基本らしい。この時すでに13時になっていたので、通常なのだと認識する。
お昼は飲茶。私たち5人と若夫婦(イチャイチャカップルではない)と同じ卓を囲む。軽い乗り物酔いのせいで、あまり食欲はなかったけど、一通り食べる。しかし、どれもこれもいまいちで、プリプリのエビの水餃子はおいしかったが、モチモチした正体不明のものは食べられなかった。普段から練り物系が得意ではないからそれが影響したのかもしれない。その他の大皿料理の麺類やごはんも根底に流れる香港独特の味が鼻につき、ほとんど食べられなかった。デザートはマンゴープリンでこれはまぁまぁだったが、きのうの比ではなかった。
私たち大所帯グループは少し目立つらしく、若夫婦にどうゆうご関係なのですか?と訊かれた。

◆5年ぶりのお買い上げ

次は、旅行店と契約している免税かよく判らないブランドものが置いてあるショップへ。ここは、5年前にも連れてこられて、確かCOACHのバッグを買ったところだ。ぜんぜん買う気はなく店内を見廻していたら、すごーくお洒落なFENDIの新作模様のバッグが飾ってあり、例によってモーレツに欲しくなって、迷いながらも買ってしまった。
この店で買ったのは私だけで、ちょっと悩んだりして時間がかかって、みんなを“私待ち”にさせてしまった。免税かよく判らないけど、免税店より安く買えたのですごく満足。再訪して、同じ場所でお金を落とすとは思わなかったが、これで少しは周さんにもマージンが入るだろう、いいことをしたぞ、うむ。と思うようにした。
その次は漢方を扱うところへ。フト見ると隣は絹の都になっていて、周さんいわく、「みんなが疲れていると思ったので先にお昼にして、ここは後回しにした」のだそうだ。漢方の説明を聞く部屋で座って聞いていたら眠くなってしまい、ほとんど寝ていた。イチャイチャカップルの彼女の方は、漢方薬を買っていた。すごく魅力ある漢方薬があったから欲しかったが、漢方薬はある程度飲み続けなければ効果はなく、その根気がないなと思い諦めた。

◆まだまだある小話

雨は降ったり止んだりだ。バスに乗りながら周さんは本当にいろいろな小話を聞かせてくれる。バスの前を走っているベンツのナンバープレートを指差し説明してくれた。確か“15”という数字だった。普通のナンバープレートはローマ字&数字の組み合わせだが、これは数字だけ。数字だけのナンバープレートを買うには数千万HK$、日本円に直すと数億するくらい高いのだ。だから同じベンツでも、数字だけのナンバープレートの方がお金持ちの中のお金持ちが乗っているというワケだ。購入したナンバープレートは一生ものなので、クルマを買い換えるたびに新しくすることはないらしい。ジャッキー・チェンは、“8”のナンバープレートのクルマに乗っているのだそうだ。末広がりの8だから?!
あとは、香港の女性はあまりお化粧はしないということ。パーティーとか特別な時にはするけれど、普段はほとんどメイクはしないらしい。と私の顔をずっと見ながら説明してくれた。なぜ??!!

◆占い!!

雨が止んでいる間に、黄大仙(ウォンタイシン)へ。ここは、香港最大の寺院で、占いのメッカである。本堂では、参拝者が線香を焚き、一生懸命お祈りをしている。
占いの仕方は、竹筒の中にたくさん入っているぜい竹(おみくじ棒)をうまく振り、一本だけ落とせばいいのだ。振り落とす時に、自分が占ってほしいこと、恋愛や健康、お金、仕事などそれぞれ思いながら振る。そして、落ちた番号を憶えておいて、他にも占いたいことがあったら、また同じように振り落とせばいいというふうになっている。
一つの占いに対して、2HK$(=約32円)。私は、恋愛、子供、仕事を占ってほしかったので、6HK$(=約96円)。出口のところで、周さんに番号を言い、ピンク色の紙をとってくれた。しかし、書いてあるのは漢字ばかりでさっぱり判らない。ひとまずバスに乗り込む。
本当は、その紙を持っていき、占い師が並んでいるところで、見てもらうらしいのだが、バスの中で周さんが一人一人まわって見てくれた。私は、本当にしょうもないことを言われかなりがっかりした。嫌な占いの場合はその紙を燃やしてしまうのだと教えてくれた。占い後に気づいたのだが、有効期限は誕生日までなので、それを聞いたらちょっとホッとした。誕生日までの占いのくせに子供運を占うのは間違っていた。だって、今すぐ欲しいというワケではないのだから。

◆DFS & Hard Rock Caf

最後は尖沙咀(チムサアチョイ)にあるDFSへ。16時過ぎにここに着きやっと解散。DFSは2階にもあり、一通り見廻し、お土産などを買う。化粧品売り場でみんなと会い、母と伯母は口紅を選んでいた。私は特に買うものがなかったので、Stillaで思いっきり化粧直しをして遊んでいた。頬紅やアイシャドウ、口紅などを塗り直し姉にも化粧を施してあげたりした。母と伯母はマニキュアまで塗っていた。伯母は片手にしかやっていなくて、「それ変だよ」と指摘したら、「右手に塗れないから塗ってちょうだい」と言われたので塗ってあげた。ちょっとやり過ぎか?でもお化粧ごっこをしているみたいで楽しかった。
DFSを後にして、疲れたので近くの『Hard Rock Cafe』へ。ここでもハッピーアワーをやっていて、私と姉はノンアルコールのカクテルを頼み、他のヒトはホットカプチーノを頼んだ。(155.8HK$=約2492円)
店内にはインターネットもあったので、やってみたかったが、その周りにはワラワラと子供たちが集まっていて、とても空くような雰囲気ではなかった。店員に使いたい旨を伝えると、もうすぐヤツらはご飯を食べ始めるからもう少し待ってと言われ、空いたら呼びにきてくれたのでインターネットをしてみた。と言っても、憶えているURLがあるワケでもなかったので、自分のHPを見にいって荒らされてないか確認した。文字化けしていてよく見られなかったけど、海外から見たのは初めてだったので嬉しかった。

◆ネイザンロード&男人街

店を出たら隣にあるSWATCHへ。母が兄のお土産に時計を買っていた。姉も何か買いたそうだったが、サイズが大きくて諦めていた。
そのまま、歩いてネイザンロードへ。ここは5年前にさんざん歩いた通りだったので、非常に懐かしかった。ブティックが建ち並ぶところは、お店が微妙に変っている感じがした。
気になる店にそれぞれ入って、洋服などを買ったりした。こういう買い物には男は禁物である。「男がいるとゆっくり見てられないのよね〜」と皆口々に言っていた。
その後はずっと歩いて男人街へ。台湾の夜市を彷彿させ、露店が数多く並んでいた。ペンチの形をしたライターをお土産に買ったりした。(10HK$/1=約160円)
女人街にも行きたかったが、少し遠いこともあり今回は諦め、ごはんを食べるためにまた尖沙咀(チムサアチョイ)に戻った。
今日は『台灣鶏家』というお店に入り、麺やお粥を注文した。一番おいしかったのは、ワンタン入りのタン麺みたいなものだった。デザートとして、マンゴープリンと甘い豆腐と説明書きされてあるものを一つずつ注文した。
ここのマンゴープリンは初日の夜に食べたマンゴープリンよりもとてもとてもおいしくて感激した。豆腐の甘いのは、絹ごしの豆腐にグラニュー糖と蜜がかかっているようなものでおもしろい味がした。あまりのマンゴープリンのおいしさに、テイクアウトを人数分して、店を出た。(324HK$=約5,184円)
尖沙咀(チムサアチョイ)駅から地下鉄に乗って北角(ノースポイント)駅へ。(11HK$=約176円)ホテルに着いたのは22時半であった。それからお風呂に入り、24時消灯。とても長い一日であった。


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「香港日記'96」 4ページ、96/2 

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「香港日記2001」1ページ、2001/2