多様性
できるだけ多様なエネルギーを利用すること、多様な場や空間をつくることを意識しています。

わたしたちを取り巻く自然環境はまさに多様です。ですから、人間のつくり出すものだからといって、単一のものだけでできている状態は、とても不自然であると感じています。何らか極めてすぐれた理由があるとしても、ある単一のものだけで、均質に構成してしまうことはよくないと考えています。不具合が生じた場合の対処のしようがないからです。想定外はつきものであることを、わたしたちは悟らされたばかりです。

そのことは、エネルギーの選択に関しても、大切なことだと考えています。たとえばすべてを電気に頼る生活はいかがなものかと思っています。なるべく、あらゆる自然エネルギーを活用しつつ、補助的に機械的な設備に頼る熱環境をつくりたいと心がけています。 

また、多様性は、あらゆるものを享受しうるおおらかさを持っています。空間のつくり方においても、いろんな場をつくることは、住まい手や利用者をおおらかに受け入れられる可能性が広がるのではないかと思っています。

ひとりになれる小さな場所、みんなが集まる大きな場所、地域の人々とも交流できる場所、などなど。様々な状況や心境の時にも対応できる場所があるということは、大切なことではないでしょうか。

町の空間のあり方も同様だと感じています。大きな広場があると同時に路地裏が存在する。整然とした麗しい町並みがあると同時に、猥雑なダウンタウン(下町)もある。空間の大きさは、他人との距離感も明らかに変えていきます。

あらゆるものが存在していることの魅力は、住まいでも、町でも、同じことだと感じています。
ありのままの個性
時間軸