ありのままの個性
個性を大切にした建物や住まいづくりをしていきたいと思っています。

地産地消を基本にした建築や町並みは、かならずや個性的であるはずです。日本各地、世界各地の気候風土がそれぞれ異なる故に、そこに存在する資源も食べ物もおのずからすべて異なっています。さらに民族が異なり、文化が異なるゆえに、暮らしが異なり、建築が異なり、従って町並みも異もなってきます。ありのままであるがゆえに、それぞれのアイデンティティがより明確になっていくのです。訪れた土地が個性的であることは、何よりの旅の楽しみであり、醍醐味でもあります。

個々の家でいえば、立地環境や住まい手の声に素直に耳を傾けることで、自然に他の家とは異なる個性が生まれていきます。その個性こそ、その場所にふさわしく、また住まい手にとって快適な家となるはずです。

ありのままが個性的であること。それは何も手をつけないことを意味しているのではありません。与えられている環境を最大限に生かすこと。これは個人の住まいであっても、町の姿としてもとても大切なことだと思います。演出した個性ではなく、自然でありのままの個性が最大限に引き出されていることが、他と比べようもない魅力につながると感じています。それはそこに暮らす人々にとっても、訪れる人々にとっても、同じなのだと思います。
小さな循環
多様性