小さな循環
できるだけ小さなサイクルでエネルギーや資源の循環が行われる建物や環境づくりをしたいと思っています。

お借りした資源は、元に返す。しかもできるだけ小さな循環でお返しをする。そのことをないがしろにしてきた付けが、今日の地球上のありさまです。なるべく近くに存在する資源を使い、使った分はまた元に返していく。遠くのもの、限りあるものを搾取するやり方は、まわり回って自分たちの環境を壊すことにつながります。その場所にふさわしい資源や食べ物が、その土地々々には用意されているのですから、それを生かした暮らしをしていくべきなのだと考えています。

たとえば積極的に国産材を使っていくこと。これは日本人としての根源的な建物のつくり方のように感じています。

日本は森林国家です。国土のおよそ2/3(67%)が森林で、先進国の中ではフィンランドに次ぐ森林大国なのです。地震国としての防火の意識が、建築のコンクリート化を推し進めてきましたが、これだけ豊富な森林の資源を活用していかない手などありません。むしろ、手が入れられていないがゆえに山は荒廃し、土砂崩れなどの災害も引き起こされています。かつての大きな地震に見舞われながらも、生き残っている国宝建築はいくつもあるのです。木はそれなりに厚みがあれば、表面の炭化によって燃え尽きることがありません。無垢材を多用した家は清々しく、森林浴ならぬ木林浴をしているかのようでもあります。

また、尽きてしまうエネルギーではなく、無尽蔵に手に入れることが可能なエネルギーを活用していくべきであることは、昨今、言うまでもありません。

風や太陽の光を大切にした住まいづくりを基本にしながら、安定的な地面の温度、雨水、地下水(井戸水)など、身近な自然エネルギーもできるだけ取り入れた設計を行いたいと思っています。
テイクスの目指す方向
ありのままの個性