ドイツ ライン川左岸・右岸線とライン川下り
2003年9月

 ケルンに着く直前まで、黒い雲が立ち込め、大降りの雨だったが、何とか雨は上った。この後の予定は、ライン川下りへと思っていたが、どうも天気がパッとしない。ラインの景色もくすんでしまうだろうし…。けど、他にどうしようという代案も見つからない…。せっかく来たし、ライン川下り行こうかな?…。
 こんな調子で、ケルン中央駅ホームへと向かった。 

 乗る列車の予定時間に入線してきた。この列車が、IC?と思ったら、回送列車だった。同じように近くで待っている白人女性が、「この列車はIC?」と聞いてきた。紛らわしい。
 けど特にアナウンスも無く、次の列車案内表示は、「12:53発IC2403ローレライ号」の表示が出ている。どうも遅れてるようだ。

 遅れること約10分、列車が入線してきた。101型電気機関車牽引のICローレライ号シュトゥツットガルト行き。これから、ライン川下りへ行くにふさわしい、ネイミングの列車だ!!(ローレライって何?っていう方へ簡単にご説明しましょう。ローレライとは、ライン川下り最大の名所に付けられた大きな岩の名前で、伝説の舞台でもあります。詳しくは、この後訪れますので、そちらで。)

 13:05ローレライ号は遅れて出発した。この列車は、ライン川の左岸を行く。
 車窓は、広い畑が見えている。しかも、さっきまでの天気が嘘のように太陽が顔を出してきた。いやぁ〜、我ながら自称”晴れ男”のわたくしの力が、ここまで発揮されようとは…、すばらしい!!

かつての西ドイツの首都ボンを出ると、左手にラインの流れが現れる。

一旦は川から離れるが、しばらくすると左側車窓にぴったりと川がへばりつくようになる。

13:56コブレンツ停車。

14:15頃ザンクト・ゴアールを通過。
すると、この列車名の由来になっているローレライの岩が見える。
ただ、あっという間に、トンネルに入ってしまうので、じっくり見ている暇はない。

対岸には美しい町が見える。

国際河川だけに船の往来も多い。中央の白い船が、この後乗るライン川下りの船。

14:20オーバヴェーゼルを通過。
(1998年に訪れた時、ここで下車しているので、その時の様子はこちらで)
その後すぐに、川の中州にプファルツ城が見える。

14:21なぜだか列車が急停車した?
事故?
けど、すぐに動き出した。

14:31ビンゲン中央駅を過ぎて、振向くとネズミ塔が見える。


やがて、川の流れは、線路から離れていった。

14:46下車駅マインツ中央駅に到着。ここで、重い荷物を預け、同じ線を、ビンゲンまで戻ることになる。

次の列車に乗るまでに、マインツ中央駅発着の列車を撮影。

駅前から出発するトラム。

612型DM使用の各駅停車RB(レギオナル・バーン)ビンゲン中央駅行きだが、次の列車でもライン下りの船に間に合うので、見送る。

なぜだか、連結機を露出したまま、やって来たIC。

こちらは643型DMU。

146型電気機関車牽引のローカル列車。

貨車を牽引してきたディーゼル機関車。この駅でも、貨物の取扱があるのだろうか?

そして、再び今乗ってきた左岸線をビンゲンまで戻る。

143型電気機関車牽引のRB。こちらは客車列車。

2等車の車内。乗客は、パラパラ。


こちらは1等、コンパートメントだが、壁はガラス張り。こんなローカル列車で、乗る人はいるのかな?って思っていたら、いました!人影が見えました。けど、よく見ると日本人らしき東洋人。たぶん、ユーロレイルパスでも使っている人なのでしょう。ちなみに、私の使用しているインターレイル・パスは2等しか使えない。

15:30マインツ中央駅を出発。


向かいに見えるのが、リューデスハイムの町。よく見ると、中州の向こうの右端に、ライン川下りの船が見える。


ビンゲン駅に到着。ガラガラだと思ってた列車から、結構人が降りる。

ライン下りの船に乗る場合このビンゲン駅で下車。くれぐれもビンゲン中央(Hbf.)駅では無いので注意!ビンゲン駅は、マインツから行くとビンゲン中央駅の手前になる。カッコ書きでRheinと書いてあるので、そちらで降りましょう。

ビンゲン駅の裏口?(川の方向=右方向)へ出て、
ボン、ケルン方向へ続く道を歩いていくと、やがて5分ほどで船着場が見えてくる。

ライン川下りの船を運行するのはKDラインという会社で、
嬉しいことにユーレイル・パスなどを持ていると無料で乗船できる。
っで、今手元にあるインターレイル・パスはどうなの?
窓口で聞いてみた。
無料らしい
やったー!!


船の時間は、16:30発。まだ時間があるので、美しいラインの景色を堪能しましょう。
対岸には、ワインの原料になるブドウ畑が広がり、右岸線を列車が、頻繁に行き交います。


 対岸にあるワインの町リューデスハイムから、乗船する船が、向かってくる。
 別に、このビンゲンの他にもいろいろな所から乗船できるのだが、検討した結果、このビンゲンが無難だろうということになった。

出航、陽が差してきて暑い。前方のデッキは、乗客でいっぱいになっていた。早速見える塔は、ネズミ塔。

こちらはエーレンフェルス城跡。

ローカル列車RE(レギオナル・エクスプレス)やRBが、右岸線を行き交う姿が度々見られる。

ラインは、とうとうと流れる。

教会と綺麗に一列に並んだ町並みが印象的なロルフの町。

中州に浮かぶプファルツ城。ラインを行き交う船から通行税を徴収するために建てられた。

こちらの列車も右岸線。左岸船よりも右岸線の方が、ラインにぴったりとくっついて、走っているので、動く船からも比較的簡単に列車を撮影できる。

 ライン川が急に折れ曲がっていることから、古くから航行の難所となっているローレライの岩。そのため、美しい妖精がこのローレライに現れ、その妖精に船員が見とれているうちに船が座礁するという伝説が生まれた。その岩が右側のそびえ立つ岩?崖?。
 ただの大きな岩のため、世界三大がっかり名所に入るだの入らないだの言うが、ライン川の沿岸は美しい景色が多いので、そんなこと、どうでもいいじゃない。(世界三大がっかり名所は、シンガポールのマーライオン、ベルギーの小便小僧、デンマークの人魚像という話もある。)
ザンクト・ゴアールで下船するつもりだったが、対岸のザンクト・ゴアルスハウゼンまで乗ることに。画像はネコ城とその麓のザンクト・ゴアルスハウンゼンの町。

ザンクト・ゴアールに18時過ぎに到着。
ここで団体観光客がどっどと下船する。

この後、対岸のザンクト・ゴアルスハウゼンで下船。

船着場の売店のおばちゃんに駅を聞くと、すぐらしい。
山手に歩くと、道路に出るので、その道を左手に歩いて行くと駅があった。

駅に着くと、何名か乗客が待合室で待っていた。
また、ホームへのドアは、鍵が掛かっていて出られない。
突然予定を変更したので、次の列車が何時だろうと調べていると、
妻が「ドア開いたよ!!」って、
ふり向くと乗客がぞろぞろとホームへと出て行ってる。

あれ駅員が見当たらない?
この駅は無人で、ドアは列車が近づくと自動的に開くのかな?
と思いながらホームへ出る。
するとすぐに、これから向かうビースバーデン方面の列車が滑り込んできた。

列車は、18:31ザンクト・ゴアルスハウゼンを出発。
列車はすぐトンネルへと入った。


トンネル抜けるとオーバーヴェーゼルの町が対岸に見える。日も傾き、西陽が窓から差し込む。

17:41カウプに停車。目の前にプファルツ城を見ることができる。さっきとは反対から眺めることになる。

ねずみ塔を再び。

ビンゲンの町が対岸に広がる。そして、ライン川下りのKDラインの船と何時間か前に乗ったビンゲンの船着場が対岸に。

この後、17:55にリューデスハイム。

その後ライン川と離れ、住宅街へと入ってゆく。

列車はやがてビースバデン中央駅へ

19:21ビースバーデン中央駅に到着。この列車はフランクフルト行き。この駅は行き止まり式のため、進行方向を変えて19:31に出発し行った。

そして我々は、荷物を預けてるのでマインツへと戻る。
乗り換えたのは、19:36発のRE、マインツ中央駅は次の駅だが、所要は10分ほど。
マインツから乗ったRBもさっきのREも検札が無かったので、
「すぐ降りるし、インターレイルパスにわざわざ記入しなくても大丈夫だろう」
と思っていたら
ビースバーデンをを出てすぐ女性の車掌が検札に…。
パスを見せて英語で「ごめんなさい。まだ書いてない」って言ったら、
どうも通じてない。
ドイツに来て英語が通じない車掌は初めてだ。
やはりローカル列車の車掌はそういうこともあるんだろうか?
それよりも、あわてて2名分列車名、乗車区間を記入。
(妻はこういうのに疎いので、私がいつもしている。ヘルプしようが無いのだ。)
そしてパスに検札印を受けた頃には、列車はライン川を渡り、マインツ市内へ戻ってきていた。



マインツ中央駅に着いた時、ちょうど612系DMUが停車していた。


この後、マインツ中央駅周辺で食事をと考えたが、良さそうなレストランが見つからず、
結局、駅の中のマクドナルドで夕食。



荷物をピックアップした後、Sバーンでフランクフルトへと向かった。
フランクフルト中央駅まで約40分で着いた。

ICE&ECでアムステルダムからケルンへ 夜行ICでフランクフルトからハンブルクへ