オカリーナの小道

 

 オカリーナ用語集
英訳は間違っているかもしれません。


フルート オカリーナ館内で英訳の手伝いをしていた時期がありました。英訳に際して、音楽や陶芸の専門用の対訳が分からず、かなり苦労しました。調べるだけは調べましたが、どうしても分からない場合は、直訳調に訳したり、ローマ字で表記したりもしました。

その時の蓄積を自分のメモとしてこちらに残します。何らかのご参考になれ幸いです。
オカリーナの直接は関係のない(けれど自分が興味がある分野)の用語も掲載しています。

「コアンダ効果」 この流体力学用語とオカリーナとの関連は??
 
 

用語 英語 メモ
オカリナ、オカリーナ ocarina もともとイタリア語(小さなガチョウという意味らしいです)
管楽器 wind instrument (吹奏楽器)

pipe(「管」楽器)
wind instrument の正確な訳としては、「吹奏楽器」が適切であるが、ほとんどの吹奏楽器が管状であるため、「管楽器」と(誤って)訳された、という説がある。

一方、管楽器の定義として、吹奏楽器のうち、特に、気柱の振動により音が出るもの、と考えることもできる。 
開管楽器 open pipe (例)フルート 
閉管楽器 closed pipe  (例)クラリネット

オカリーナについて、「閉管楽器」という説明がある場合、それはクラリネットと同じ原理という意味ではなく、「壺状楽器」と同義で使われていると思われる。
オカリーナは閉管楽器か?」を参照してください
壺状楽器 vessel flute  壺状の容器内の空気が空洞共振(ヘルムホルツ共鳴)を起こすことによって発音する楽器。
オカリーナ、Xun など
金管楽器 brass instrument  人間の唇がリードの役目をし、発音源となっている管楽器の総称 
木管楽器  woodwind instrument 唇の振動を発音源としない管楽器の総称(楽器の材質とは無関係) サックスや金属製のフルートも木管楽器
リード reed 簧(した)または舌とも。アシ、木、竹、金属などの薄片で、木管楽器やリードオルガン属の発音源となるもの
シングルリード楽器 single reed instrument 単簧楽器とも。
(例)クラリネット、サックス
ダブルリード楽器 double reed instrument  複簧楽器とも。
(例)オーボエ、ファゴット
リード楽器 reed instrument シングルリード楽器とダブルリード楽器
無簧楽器 (air reed instrument) (例)フルート、リコーダー、オカリーナ、尺八
するどいエッジに吹き付けられた空気が渦を起こして空気を振動させる
flute, whistle  定義が曖昧なので訳語も文脈によって使い分ける 
倍音 harmonics
harmonic overtone
基本振動数の整数倍の振動数をもつ音のことをいう。管楽器、弦楽器ではつねにそれぞれの楽器に固有の割合で、同時に複数の倍音が発生している。倍音がどの程度の割合で混ざっているかによって「音色」が決まる。

オカリーナは倍音が少ないと言われている。(参考

また、同じ指使いで整数倍の振動数をもつ高い音(オクターブ上の音など)を演奏することを、倍音を使うという。オカリーナは基本的に倍音を使えないが、楽器によっては出るものもある。
共鳴する resonate, resound  「響かせる」の訳もこれを使った 
吹く(演奏する) play, perform, blow  play, perform は演奏する
blowは息を吹き込む 
姿勢 / 構え posture   
音楽性 musicality  
air, wind, breath  This instrument doesn't need much air. 
息継ぎ(ブレス)
息継ぎをする
breath
breathe 
 
肺活量 air capacity   
横隔膜 diaphram   
音色 timbre, tone, sound   
note, tone, sound  定義が曖昧なので訳語も文脈によって使い分ける
この音を吹く blow this note
安定した音 steady tone
ホイッスルトーン whistle tone  ごく弱い息圧で喉の奥の方で鳴るように思える、半音くらい高めの小さい音。
練習手帳
をご参照ください。 
Milt氏のいう「裏音」と同じ
アーティキュレーション articulation  
タンギング tounging   
タンギング・シラブル  tounging syllable  もともとリコーダー用語から来ていると思われる。
フレーズを始めたり音を切るときの舌や喉の動きを、子音の発音で現わす。 t d l k gなど。
結露 condensation   
指遣い fingering   
運指表 fingering diagram   
替え指 alternative fingering   
移調楽器  transposing instrument  
実音表記 display in concert pitch
移調表記 display in transposed form  
タブ譜 tablature  5線譜に対して、指使いを図式化して表した楽譜。
ギターのタブ譜など。
音程 pitch

interval 
pitchは個々の音についてその高さ(周波数)

interval は2つの音の隔たり(ドとミは3度 など)
半音 seminote ドとド#の関係など
全音 whole note  ドとレの関係など
音域 sound range,
register 
registerが専門用語らしいが、個人的にぴんとこないので、sound rangeを使っている。
吹き口
吹き込み口
mouse piece
息を吹き込む穴 (以下、ラビュームまで連続した構造だが、どこを指す用語なのか、はっきりしないところがある。)
ベッコ、ベック beak?

fipple
吹き口と同じ意味で使われることもあるようだが、エアウェイの周りの部分全体を指すようだ。

fippleはリコーダーで、吹き込み口〜歌口に使われているブロック「栓」 参考
吹き出し口 exit of air *way (*duct, or, *channel)   
エアウェイ air way,
air duct,
air channel
吹き口から歌口まで、息の流れを作るための空気の通り道。
リコーダでは、wind wayが使われる。
歌口 sound hole,
voicing (hole),
aperture
エアウェイの出口とエッジがある穴。 
ここは大変精密に作られている場所なので、素人がいじってはいけない。
エッジ edge, bevel エアウェイで作られたエアビームが当たって、渦状の気流を作らせる場所 
ラビューム ramp, labium  歌口の周辺で、厚みが周囲より薄くなっている部分。 
指穴、トーンホール tone hole, fingering hole  音程を変化させるために開閉する穴。 
音程調整のため、自分でその大きさを調整しても、音色などには影響が少ない。
捨て穴   ? オカリーナの音程の全体的な調整のために開いている穴で、指で押さえたりはしない。 
開口部 opening (?)  オカリーナで、歌口とトーンホールの総称
チャンバー chamber オカリーナの内部の空間
複数管オカリーナ multi-chamber ocarina
ダブル オカリーナ
トリプル オカリーナ
クワドゥルプル オカリーナ
double (chamber) ocarina
triple ocarina
quadruple ocarina
フィギュアスケートのジャンプの世界ですね(笑)
コアンダ効果 Coanda effect (アルト)C管オカリーナの高音をきれいに出すために、下を向く(歌口を胸に近づける)と上手くいく理由として「おがわオカリーナ奏法」で説明されている原理。流体力学の用語。

 参考文献
音楽中辞典(音楽之友社)
Sarah JefferyのYou tube動画
finale の英語マニュアル
おがわオカリーナ奏法



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