オカリーナの小道


 

私の練習手帳 (口〜喉〜肺の巻)



自分なりに工夫してやっている練習メニューを紹介します。人から教えてもらったものや、本やネットで見たものも含まれます。どこで知ったのか記憶が曖昧ですが、思いだせる限り参考文献(リンク)も載せました。楽器を持たなくても、「何かをやりながら」できる練習もあります。何かのご参考になれば幸甚です。

こちらのお願いもご覧ください。



喉を広げるイメージをつかむ
 

NHK(Eテレ)の子供用音楽番組でやっていたのですが、口〜喉を広げるための練習として、
マックシェークのような粘度の高い飲み物を、太いストローで吸うイメージ
で喉を広げます。
演奏するときには「吸う」のではなく「息を出す」ので、そこは逆なのですが、喉を広げる感覚を掴みやすい説明だなと思いました。

さらに喉を広げた状態を保持する練習として、オカリーナっぽい声の質を持つ歌手の物マネとかはどうでしょうか?
個人的な意見ですが、オカリーナっぽい歌声の方は、古くは天地真理(年がばれる・・けど ♪あなたを待つのテニスコート♪)、 最近(といってもかなり前?)では、木村弓(千と千尋の神隠しのテーマ曲 ♪いつも何度でも♪)です。



Whistle toneの練習
 

Whistle toneは、オカリーナを非常に弱い息圧で、喉を広げるようにして吹いたときに出る、とても小さな音です。
このWhistle toneを出す練習をすると次のような効果があるように思いました。
1)口〜喉あたりの空間の形を変える練習になる。
2)口腔内の空間を変えられることで、演奏の幅が広がる。つまり・・
●音に深みが出たり、ニュアンスを変化させられる
●音程をコントロールしやすくなる
●小さい音がきれいに鳴らせるようになる。
(上記のことを私が習得したというわけではございません・・。そうならないかな、と思って練習中です。)

Whislte toneは音量がとても小さいので、夜中でも練習できるという利点があります。

オカリーナ奏者のMilt氏はWhistle toneを特殊技法として演奏に取り入れたり、オカリーナの弱音器 「吹けるん」にも応用しています。

Whistle tone はオカリーナ特有の現象ではないようです。吉澤実著「リコーダー 100のコツ」という書籍の中でも紹介されており、またネットではフルートの練習方法としても紹介されているのを見たことがあります。

上述の「リコーダー100のコツ」に、もうひとつ興味深い記述がありました。引用しますと「(略)〜リコーダーの音を身体に共鳴させる音作りの基本的な練習でもあり、バックプレッシャー (*1)をエアチャンバー(*2)に響かせる〜(略)」
(*1) back pressure:エッジに当たって口腔に跳ね返ってくる音波
(*2) air chamber : 「気室」のこと。人体の口腔、鼻腔、胸腔など(ヴァイオリン、ギター、ピアノの胴)
なるほど・・声楽では音が出る場所が喉にある声門で、その周辺のair chamberが重要な共鳴室であることは容易に想像できる。オカリーナやリコーダーの場合、音が出ている場所=歌口(エッジ)は自分の「外」にあるものの、そこから音波が跳ね返ってくる!!空気の流れに逆らって、エアウェイを逆流してくる!!だから口腔の共鳴室が声楽同様に大切である(同じ楽器でも演奏者によって音色が異なる)わけですね。当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんが、歌口(エッジ)から音が自分の口の中に跳ね返って来る、という意識を持つことが非常に大切だと思いました。



腹筋を動かす練習をする

正確には、腹筋を使って、横隔膜を上げて圧力を上げる練習をする、です。
オカリーナの演奏のために腹筋を鍛える必要ない、という方もいらっしゃいますが、次に述べる練習は、一定の意味があるように思います。
だいぶ前ですが、「ドロー・イン」という腹筋トレーニング(?)が流行りませんでしたっけ?
@おなかを凹ます
Aそのまま緩めないで、腹筋を上にあげるようにする
@+Aを一連の動作として同時にやります。
@+Aの動きで、横隔膜があがって圧力があがり、高音で音程を安定させるのに役に立つと思います。日常生活ではこの動きをすることは少ないので、普段からこの腹筋の動かし方を練習して、演奏中にスムースにできるようにしておくと、メリットがあるでしょう。
歩きながら、または座ったまま練習することができます。



大きい肺をイメージする

見るだけで体が変わる魔法のイラストという、イラストがとても分かりやすい本があります。説明文が少ないため10分くらいで読めそうなこの本は、まさに目から鱗の情報でいっぱいです。「肺と呼吸のヒミツ」という頁に次のようなことがかかれています。
「普通の人は、肺を実際より小さくイメージしている。実際の肺は、上は鎖骨から少し超えていて、横は肋骨いっぱい、後ろは背骨にくっつくように広がっている。この大きな肺をイメージしながら呼吸すると、今まで動かなかった場所が動き、肺が風船のように膨らむのを感じられる」

息をたくさん吸って肺を押し広げる、というよりも、肺の周りの筋肉を使って、無理矢理に肺を広げる、という感じのほうが、効果があるかも。おがわオカリーナ奏法の中の「息の吸い方」の項も、示唆に富んだ内容です。

肺の本来の容量を0-100すると、普段の呼吸の範囲は30-60くらいでしょうか?オカリーナを演奏しながら、または息継ぎ=ブレスをしながら、今、自分の肺の容量が何%くらいかというのを意識するようにすると良いかもしれません。


参考文献など
書籍・サイトなど  コメント
  おがわオカリーナ奏法

なんと、無料なんです!
オカリーナやっている人は、一度は読むべきです。
また、時々見直すと発見があるかもしれません。
見るだけで体が変わる魔法のイラスト──健康になる! 運動能力が上がる!

もしオカリーナをやっていなくても、楽器も何もやってなくても、すべての「人間(ホモ・サピエンス)」におすすめ出来る本です。
絶対! うまくなる リコーダー 100のコツ

リコーダー用ですが、いろいろと参考になる内容です。
 Ocarina Academy by Miltより

「裏音」と説明しているのが、ここでいうWhistle toneと同じです。

                                          (2020.2.21公開)

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