Shingo.M君のニュージーランド釣行 2004 2003 2002


11月29日
ついにこの日がきた!長年の夢であったNZでの釣行をかなえる日がきたのだ。今回の舞台はNZ北島。期間は15日間。フライトの時間を考えても丸2週間は釣りというまさに釣りづけの日々!社会人になってではこうはできないであろう。2週間のうちの3日間はガイドをつけての釣りで残りは全部自分たちで釣りをすることになっている。今回は地元の友達A君との2人旅である。

11月30日
オークランドに着くと予約していたレンタカーのスタッフが迎えにきてくれていた。ガイドのヨシさんとはレンタカー屋で合流。彼とは約2年ぶりの出会いだ。2年前に私は大学の語学研修で1ヶ月オークランドにいたのだが、そこで彼と運命的な出会いをしたのだ。今回のNZ釣行も彼に出会ってなければ行くことはなかっただろう。彼は28歳と若いが腕のほうはピカイチ!なにせプロのフライフィッシャーにテクニックを教えるほど。しかもフライフィッシング世界大会の日本代表でもあるのだ。すごすぎ!
 レンタカーの手続きを済ますとネイピアまでのロングドライブである。目的地ネイピアまではここオークランドから6時間半はかかる。合計約15時間のロングフライトでしかも一睡もできなかった我々にとってはとても過酷なドライブであった。
 ネイピアに着くと、早速宿に荷物を置いていざ出陣!目的の川へと行く。初めてのNZ釣行とあってドキドキが止まらないのを今でも覚えている。川の近くに車を止めるとそこから3キロくらいトレッキング。川の規模はとても小さく、日本の渓流に少し似ていたが、魚はハンパない!歩いている途中、丘からヨシさんが魚を見つけたのだがその魚は80センチを優にこえるモンスターだったのだ!すごい!しかも2匹いた。あれを相手にすると考えると体が震えてきた。
 やっとの思いで釣り場につくと、友達のA君はもうバテバテだった。タックルをセットし、ヨシさんにここでの釣り方やフライのシステムを伝授してもらい、いざやってみるのだが、慣れないシステム、タックルにおたおたする始末。そこでちょっとキャストの練習をして、肩慣らしをしているときだった。なんとA君のロッドが大きく曲がっているではないか!あわてて現場に駆け寄る。40センチくらいのヒレピンのレインボー!彼は興奮していた。ヨーシ今度は俺だ!と意気込んで次のポイントに向かう。ヨシさんがあそこに投げてみろというのでそこにキャストすると、インジケーターのロイヤルウルフがすばやく水中に消えた。すかさずあわせるとものすごい引き!うおおおおおおお、と必死になって対応するが魚はすごい勢いで下流に走っていった。そんで岩にひっかかって魚は岩に化けてしまった。残念。50センチはあった。しばらくしてからまた魚をかけたが、今度はラインをぶっちぎられた!60オーバーのレインボーだったらしい。結局この日はもうすぐ日がくれるというのであえなく納竿。NZの洗礼を受けて宿に戻った。NZ釣行は始まったばかり。明日こそキャッチしたい。



12月1-2日
 まだ夜が明けない朝3時半に起きてネイピアのYHAを後にする。昨日の釣行とロングドライブの影響でコンディションは悪い。A君に限っては体力があまりないこともあって体はグダグダだった。しかし今日行く川は昨日よりもっとすごいことを聞いて体力が回復した。
 目的の***リバーまでは険しい道で、ダートロードをずっと走っていった。NZではこういう道路が多いらしい。川の直ぐ横に車を止めてレッツフィッシング!今日の川はブラウン、レインボー共に魚影が濃く、サイズも大きいらしい。昨日レインボーにぶっちぎられた教訓を活かしてなんとしても今日はキャッチしたい!しかしその勢いを阻むがごとく、強風が吹き荒れていた。強風ということでリーダーシステムを短くし、昨日と同じドライ&ニンフのドロッパーシステムで挑んだ。川に入ってまもなくA君にバイトが!が、豪快なジャンプをされてばれてしまった。彼は初心者とあってやりやすくいいポイントを中心にやらせたのだが、でかいマスに遊ばれることが多かった。
 自分はというと早くキャッチしたいとばかり考えていてあせる一方だった。しかしまもなくドラマは起こる。ヨシさんに言われたとおりのスポットにピンポイントにフライを打っていった。ポイントはポケットウォーター中心で完全にブラウン狙いである。しかし水深は浅く、狙うポイントはものすごく小さい。本当にこんなポイントに50、60を超えるブラウンがいるのか?と、疑りながらキャストを繰り返えす。ピックアップしようかなあと思ってロッドをあげる瞬間、ロイヤルウルフが水中に引きずりこまれた!きたっ!でかい!これは何だ!と思っていると下流に向かって走り出し、ジャンプを2〜3回繰り返した。ブラウンだ!間違いない。ブラウンがあんなに豪快にジャンプするのは初めて見た。ようやく観念してランディングすると50cmはある見事なブラウンだった。これだ!これを釣りにはるばるNZまできたのだ。幸せの絶頂の時だった。
 NZまできてよかった。早速記念撮影を行なう。ヨシさんは魚をうまく撮る方法も教えてくれた。この後もいいランがあるポイントではレインボー。ポケットウォーターではブラウンといった感じで50〜60オーバーのマスを次々にキャッチした。次の日の12月2日は午前中だけで、昨日と同じセクションとちょっと上流のセクションでやったのだが、釣果は2人で5〜6匹とちょっと少なめ。だが、ドライで55のレインボーも釣ることができたし、A君も60cmを超えるオスのブラウンを釣り上げ、最高の釣りをすることができた。ヨシさんありがとう!ほんとナイスガイドでした。











12月2日イブニング〜12月6日「ワカレモアナ編1」
 2日の昼にヨシさんとお別れし、これからはA君と2人だけで旅をしなければならない。3日間という短い期間のガイドだったが、大変充実した釣りをさせてもらえたし、何よりもヨシさんのサポート、アドバイスなしではNZの魚をキャッチすることはおろかかけることもできなかっただろう。シークレットフライもたくさんいただいたし。ホンマおせわになりました。
 ちなみにガイド料は1日600ドル、3日間で1800ドル(2人で割り勘して900ドル)と高いがそれくらいの価値は十分にあった。ただヨシさんの話ではガイドには金を取るだけ取って魚はろくに釣らせてくれない、アドバイスもろくに教えないというとんでもないガイドもいて、多くの日本人フライフィッシャーが食い物になっているらしく、その多くが日本でも紹介しているフィッシングツアーやツアー旅行などで雇われるので、NZに釣行を考えている人は事前にいいガイドを探しておいたほうがいいだろう。間違っても初めてNZで釣りをするのにガイドなしでやろうとは思わないほうがいい。痛い目にあうことまちがいなし。長期滞在で釣りをするのならいらないかもしれないが、1週間くらいの短期間での釣りなら1日くらいは絶対つけたほうがいいと思う。
 今日行くワカレモアナへのディスタンスはだいたい60キロほどでそれほど遠くはない。ただヨシさんの話だとかなりダートな道らしく4WDじゃないときついらしい。1600ccあるから大丈夫だろうと思っていたが、ワイカレモアナに近づくにつれ…なるほど・・ヨシさんの言ってた通りだ。すんごい砂利道!ゆっくり行くことにした。山の頂上付近に差しかかるとTEUREWERA NATIONAL PARKという看板が見えた。その看板のすぐ後ろはレイクワイカレモアナである。ワイカレモアナとはマオリ語で巨人の眠る湖という意味らしい。こんな山の上にこんなでかい湖があるなんて…しばし呆然。そんまま湖沿いの道を走ること20分、モーターキャンプ場が見えてきた。キャンプ場と聞くと日本ではあまりきれいなイメージはないが、NZのキャンプ場はめっちゃきれい!設備もしっかりしており今日から泊まるフィッシャーマンズキャビンの部屋もきれいに掃除されいている。これで一泊20ドルは安い。さっそくチェックインして直ぐに釣りに出かけた。イブニング狙いである。事前の情報でキャンプ場近くをながれるレイクワイカレモアナの支流の1つアニワニワリバーは、いいイブニングのポイントらしい。特にフォール下にあるプールが最高だとか。イブニングまで時間があるのでそれまでフォール下で釣ることにした。ここでもドライ&ニンフのシステムでおいしそうなポイントを流す。すると直ぐにヒット。いきなりきたのでびっくりしたが、慌てずキャッチ。余裕の50オーバー。同じところにキャストして、またヒット。今度も50オーバー。ときおり40センチクラスのがかかるが、どの魚体もヒレピンの最高のレインボーである。日が傾き始めたとき下のプールでライズが始まった。ものすごいライズの嵐である!
 ここからはドライオンリー。キャディスが飛んでいるようだがエルクヘアキャディスはあまり反応がよろしくない。ロイヤルウルフ#12に変えるとすぐでた!これも余裕の50オーバー。ライズ自体は小さいのだが、小さいライズほど魚はでかい!
 30分くらいするとライズはなくなり静寂がもどった。振り返れば50オーバー7匹小物が数匹と満足のいく釣果。Aくんはバラシで終わったが、まだまだチャンスはある。イブニングは毎日ここに来ることにした。
明日はレイクワイカレモアナの支流の1つモカウリバーへ行く予定。言い忘れたがここワイカレモアナでは湖では釣りをせずに湖に注ぐ支流のみを狙うことにしている。(ただ個人的に川の釣りが好きなだけ)




「ワカレモアナ編2」
 次の日、朝早くに起きてモカウリバーへ向けて車を走らせた。砂利道なので快適なドライブとはいかないが周りにうっそうと生い茂る原生林は見ものだった。モカウリバーへのアクセスはとても簡単。Fish&Gameの看板が道沿いにあったのでそこから入渓。川にでるともうそこには魚が!しかもいっぱいいる!初めにドライを流したが反応ナシ、しかたがないのでまたドロッパーシステムにして再度流す。すぐ食った。しかしちょっとファイトがいつもより弱い。強引に引き寄せて魚の様子をみてみると…とてもスキニーなレインボーだった。サイズは55くらい。かわいそうなのですぐに川へ戻してやった。その後も快調に釣りあがるのだが、釣れる魚のほとんどがスキニーだった。ここの魚はまだ産卵から回復していないようである。
 それでもフォールしたにいたレインボーたちは回復していて豪快なファイトを楽しませてくれた。釣り人も多かったがモカウリバーははっきり言って釣れすぎる。湖から滝の間500メートルくらいでたぶん10匹くらい釣った。バラシがなければ15匹は釣れていただろう。アベレージは50〜55くらい。残念がならA君はバラシで終わった。しかし帰りにまたアニワニワリバーでイブニングライズを楽しみ2人で8匹くらい釣ってモーターキャンプへ帰った。釣れすぎで大満足な1日だった。またNZのすごさがわかった




「ワカレモアナ編3」
 今日はレイクワイカレモアナに注ぐ河川の1つホプルアヒネリバーに行くことにした。事前の情報ではサイトフィッシング中心の川らしい。どんな川か楽しみだ。モーターキャンプからホプルアヒネまでは約40分。湖の河口付近のアクセスポイントにはすでに釣り人らしき車があったので上流部に行くことにした。現場に着くとそこはうっそうと生い茂る原生林があたりを覆っており、恐竜でもでてきそうな雰囲気をかもしだしていた。川はいたって小さくその流れも緩やかなところが多い。今日はブラウンがメインになるのかな?と予想していたことが見事に的中した。入渓してから約1キロくらいのプールでクルージングするブラウンを発見!ドライで挑戦するが反応ナシ。しかもスクープ。しかたなく次のポイントに移動。魚を探しながら釣り歩くのだが、魚の姿はほとんどない。ホプルアヒネリバーの上流部は魚影が薄いようだ。しかし見つけた魚はどれもでかく60〜70cmはある。特にすごかったのは80センチは超えようかというモンスターブラウン。しかしこいつはラインが水面にのっただけの音でスクープしてしまい物影へと消えていった。
 途中ハンターの人に出会い上で4匹のブラウンを見たとの情報を聞いた。こんな森の奥深いところで人と出会うとなんだか不思議な感じ。その情報を頼りにいそうなプールや流れをサイトするのだが、ほとんど魚を見ることはなかった。ハンターの人が歩いた後のため魚が散ってしまったのだろうか。とにかく歩き続ける。どこまで歩いただろうか?森は奥深さを増し、とても神秘な世界が広がっていた。バックカントリーとはこういうものなのだろう。そんなことを考えながらどんどん川をのぼり、1つのプールで一匹の魚を見つけた。8番のハンピーと10番のニンフ。いつものドロッパーシステムで挑むことにした。木が覆うやりにくい場所だが、いつも源流岩魚を狙っいる経験がここで活かされ、見事にキャストが決まった。フライが魚のいるレーンにのりゆっくり流れる。魚はフライの存在に気付き浮上してポンッ!と音をたててハンピーに食いついた。
 ドロッパーに食うもんだとばかりに思っていた私はあわてて早合わせしてしまいフライがすっぽ抜けた。しまった!ヤバイな、スプークしたかな?と思ったがまだ魚はいる。再度キャストすると今度はドロッパーに食った!今度は完璧☆魚は抵抗を繰り返しやっとのことであがってきたのは今までに見たこともない神秘的な体色をしたブラウンだった。魚を見つけたとき、なんだか赤っぽい体色をしていたので初めはレインボーかなーと思っていたのだが、あがってきたブラウンにびっくり、たぶんここの辺りの川底が赤っぽいから魚もそれに擬態しているのだろう。それにしてもこいつは横幅と体高がすごい!長さは60cmジャストくらいなのだが、長さよりもこいつの体つきにビビッた。重さは7〜8ポンドはある。生涯最高のブラウンを釣り上げた瞬間だった。結局この日は約15キロほど歩きブラウン1匹のみで終わったが、価値ある1匹だった。またこのホプルアヒネリバーに行くだろう、あの神秘的な森とブラウンに会いに…。




「ワカレモアナ最終編」
 今日でワイカレモアナともお別れ、今日中にムルパラにいかなければならない。この日は午前中だけホプルアヒネリバーの下流で釣りをすることにした。釣り場に着きつり橋をわたる途中川をのぞくともうそこには魚が…。しかし猛ダッシュして逃げていった。
 川をつり上がって行くとある流れでレインボーがうじゃうじゃいるのを発見!ここで3匹ほど釣った。すべて50オーバー。このポイントより上は日本の山岳渓流みたいな風景になり、流れという流れにレインボーがいた。全部サイトで釣ってやった。結局この日はムルパラに移動する時間も考えて少ししか釣りあがらなかったが一人で10匹以上釣って満足。いや〜ワイカレモアナはすごい☆ありがとうワイカレモアナ!




「ムルパラ編」
 ワイカレモアナから3時間くらいでムルパラに着いて、予約していたレイクアヌフェニアロッジにむかった。ここのロッジは隣りが湖なのですぐにでも釣りをすることが可能。ロッジも一泊25ドルという格安にもかかわらずとてもきれいで、景色も抜群!何日いてもいいと思った。

ロッジの受付には一人のおばあさん(おばちゃん?)が快く僕らを迎え入れてくれた。オーナーはガイドにいったらしい。チェックインを早々と済ませ荷物をロッジに置きすぐさま釣りへ。何日か前のストームの影響でレイクアヌフェニアは全体的ににごっておりサイトフィッシングが困難な状態だった。それでもむちゃくちゃ浅いところで1匹のブラウンが湖底をあさっていたところを発見し、さっそく狙ってみる。猛烈な勢いでフライに襲いかかったところが見えたのですぐさまあわせる。50ジャストのきれいなブラウンだった。なにかバス釣りに近いものを感じた。

ムルパラでは、朝レイクアヌフェニアで釣り、午後からは近郊の川、夜はレイクアヌフェニアでナイトフィッシングとまさに一日中釣り三昧の日々だった。そのなかでも一番いい釣りができたのは***リバーで60cmを初めとするレインボーが爆釣!友達のAくんは7回かけたのにもかかわらずすべてバラシてしまった。めちゃくちゃ悔しがっていた。NZのレインボーは簡単にはあげることはできないのだ。

次に向かうのはロトルア。どんなフィールドが待っているのだろうか。






「ロトルア編」

硫黄の匂いがしてきた…、ここは間欠泉と温泉の町ロトルア。ここロトルアが今回のNZ釣行の最終舞台である。流石に観光地とあって車と人が多い。多いといっても日本の観光地と比べたらぜんぜんなのだが、今までネイピアやワイカレモアナ、ムルパラといった田舎にいたらロトルアが人だらけに見える。

今夜泊まるYHAは観光客で人だらけだ。荷物を置いて早速釣りに出かけた。今日いく川もヨシさんに教えてくれた川で、でかいのがいるらしく「10パウンダーを超すでかいのがいるから釣ってこいよ。」と言われていたので、一体どんな川なのかワクワクしていた。しかしフィールドを見てびっくりした。そこは町の住宅街と公園のど真ん中を流れており、川幅も3〜5mしかない。こんな場所で10パウンダーを超すモンスターがいるのか?川沿いは犬と散歩する人やジョギングする人たちが多く、とてもじゃないがヨシさんの言うことは初めは信じれなかった。

疑いながらも魚を探す。水はスプリングクリークなので町の真ん中を流れているといってもとても清らかだ。注意深く川を探り、とあるところで2匹のレインボーを見つけた。6ポンドはあるだろうか?まるまると太っている。早速アプローチするが周りは藪と木々で覆われやりにくい。おまけに流れが思った以上に太く、強い。軽いニンフだと沈む前にあっという間に流されてしまう。そこでここでは重たいニンフを3つつけたドライ&ニンフのドロッパーシステムで、ミャク釣りのような感じでフライを流した。藪の影に隠れているレインボーに何度も何度もしつこくフライを流してやるとパクッと喰いつてきた。すかさずあわすとその瞬間物凄い勢いで突っ走っていった。ロッドがぶち折れるんじゃないかというくらいに、上流に走ったり下流に走ったりと狭い川の中で格闘した末、A くんの協力もあってようやく捕りこめた。約60センチ。すごい筋肉質で、NZで数多くのレインボーをかけた中で一番のグッドファイターだった。この日はこの1匹を先頭に何本か釣ったが、こいつが一番良型だった。最後に有終の美を飾れてよかった。

今回のNZ釣行は大成功といってもいいだろう。Aくんも数こそは釣れなかったが***リバーで60を超えるグッドレインボーとブラウンをゲットすることが出来たので大満足であった。もう彼はこの世界から抜け出すことはできないであろう。またいつかNZに行こうと二人で誓い、今回のNZ釣行は終わった。