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5 ニューヨークのヒラメ 

 

fish.gif (239 バイト)南米で金を使い果たしてニューヨークの弁当屋に出稼ぎに来ていた時、仕事の後ハドソン川を見ながらここにはどんな魚がいるんだろうといつも思っていた。不思議な事にこの町にいるビジネスマンはゴルフばかりやっていて釣りの情報が入手できないのだ。

でもしつこく調べていると意外にも地下鉄で一時間ぐらいのシープスヘッドベイから釣り船が出ていると分かりさっそく行ってみた。早朝の港には立派な大型船が並んでいて、それぞれに狙う魚が違うようだが良く分からないので身近な船に乗ってみる。船室にはこの船の歴史が写真で飾ってあり、それに拠ると今の船長が3代目の由緒ある釣り船らしい。初代船長の渋い顔写真を見てるとそれだけでなんか楽しくなってきた。

船は穏やかな海面を快適に飛ばし約一時間半でニュージャージー沖の岸からそう遠くない浅場のポイントに入り、キビナゴみたいな餌で釣り開始。しばらくすると船首の方で色鮮やかなヒレを広げたホウボウが上がる。へーあんなのがいるのか!と感心しているとこちらにも何やらモゾモゾしたアタリがあり慎重に取り込むと25センチぐらいのヒラメだった。しかし喜びも束の間、船長に35センチ以下は放流と言われ泣く泣く海に帰ってもらう。

そのうち周囲でも次々とヒラメが釣れだすがどうも持ち帰りできるサイズはあまり上がってないようだった。昼すぎ暑くなってダレてきた頃に今までにない引きをみせてこの日の一番の大物55センチのヒラメがきた。その後場所をさらに岸寄りに移動40センチをもう一匹追加する。

納竿間際、船長がやってきて僕のヒラメをもちあげ天秤バカリの片側に掛けるとそのままどこかに行ってしまった。なんの事か分からずボケッーとしてるとしばらくして帰ってきた船長は『君の勝ちだ』と言うと僕に60ドルの札束を渡した。そうか朝、船代26ドル以外に3ドル払ったのはこのカケの金だったのか!と分かり思いもよらぬ収入に思わずニンマリ。しかもこのヒラメ持って帰ると弁当屋の店長がすしネタにするといって買い上げてくれ翌日の弁当にしっかりと入っていた。fish.gif (239 バイト)

5_hirame_1.jpeg (34215 バイト)
5_hirame_2.jpeg (27092 バイト)

 

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