旅する冒険ライダー 坪井伸吾のページです

 

 



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 fish.gif (239 バイト)くそ暑い真夏のラパス(メキシコ)を散歩してるとSPORTU FISHINGの看板が目にはいった。店に入ると英語の出来る陽気なおやじがいて『カジキが釣れるよ』と言う。ほんまかいな?と思いつつも聞いているとそのうち「日本人は優秀だ」という話になり乗せられているといつの間にか翌日釣りに行く約束をしてしまっていた。

翌朝6時クルーザーの係留している入江に現れたのは「おいおい、本当これで行くの!」というような漁船、文句いってやろうかと思ったがマリオブラザーズのマリオに笑ってしまうくらいそっくりの船頭の平和な顔を見てるとこのメキシコ的釣りも楽しいような気がしてきた。マリオと一緒に沖に出た小船は巨大なうねりに翻弄されつつ進む、湾を出て10分ぐらいした時、マリオが「ドラド!」と叫んだ。見ると指差す先に見事なシイラがジャンプしている。

その鮮やかなグリーンが朝日に反射した姿は幻想的なまでに美しかった。さらに驚いた事に今度は船のすぐ脇で2メートル近いマンタが飛ぶ。すごい!やはりここは豊穣の海だ。それから走る事2時間船に酔いそうになった頃に突然のヒット、リールが唸りを上げ20メートルぐらいラインがでた時、シイラのジャンプが見えた。しかしそれからが大変だった、魚を取り込むにはマリオがモーターを手放すしかないのだが、そうなると船はあっというまに横波をくらい安定をなくしてしまう。

マリオはスペイン語で必死に指示してくれるのだがサッパリわからないし、手で竿を持っているので魚が突っ走ると竿ごと海に落ちそうになる始末でほとんど老人と海の世界になる。しかしマリオの真剣な顔はますますTVゲームに近くなり申し訳ないがおかしくてしかたなかった。なんとかシイラを取り込んだ直後、沖で何かが暴れているのが見える「マーリン!」マリオはそう叫ぶとエンジンを全開にした。しかしやはりカジキはそう簡単には捕まらず、一瞬のしぶきを残しハワイに引き続き夢はまたも海の彼方へ消えた。一日遊んで疲れて帰ると浜にはニコニコ顔のショップのおやじと無数のペリカンが出迎えに来てくれていた。fish.gif (239 バイト)

 

 

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