世界有数の大湿原パンタナールに釣りに行くか?それとも南米最高峰アコンカグアに登るか?うんうん悩んだあげく、やっぱり釣りに行くことにした。
今回のメンバーはアマゾンで一緒だった栗本氏と杉山、木村両君でサンパウロからバスで24時間、ボリビアとの国境の町コルンバにやってきた。以前ここに来たことのある栗本氏の案内でロドリゲスおじさんのツアーに参加することになり料金を払うと130万クルゼイロという途方もない金額になる。全くブラジルのインフレにも困ったものだ。
朝、僕と木村君、栗本氏と杉山のペアーでパラグアイ川にくりだす。ガイドの話では今は雨季のせいで水量が増し魚が湿原中に散らばりポイントが絞りにくいという。一時間余り走って細い支流に入った所でカニをエサに第一投、それから小一時間の間にガイドはたて続けに4キロクラスの見事なパクーを3匹上げた。こちらにもコツコツとアタリは出るのだが、どうも合わせのタイミングが分からない。
ガイドに聞いてみると『ヘタくそ、もっと釣りの勉強をしろ』ととんでもない事を言う。アマゾンのガイドもそうだったが、こいつら客商売をなんだと思ってるんだろう。仕方ないのでガイドの様子を観察してるとどうやら遠投して流している。それで同じぐらい投げてみると遂に僕にもきた、ズシリとした手応えをみせ上がってきたのは紛れもなく丸々としたパクーだ。
引きずり上げたパクーを良く見てみるとまるで人間のような歯茎があり、臼歯のような歯が並んでいた。きっとこの歯ですり潰すようにしてエサを食っているのでアタリが微妙なんだろう。とりあえず遠投がいいと分かったのでそうするとそれを見たガイドはさらに僕より遠投してきた。なんか腹が立つので投げなおすとガイドもまけじと投げなおしてくる。一体なんなんだ、こいつは!と思いながらその日、夕方までガイドと延々と遠投合戦を繰り返した結果、僕は2匹ガイドは7匹と完敗してしまった。
しかしもっとも悲惨だったのは木村君で、全く飛距離の出ない彼は小さいナマズ一匹に終わった。 |