 
アマゾン川をイカダで下り初めて2ヶ月、ほとんど毎日釣りをしているのになんとまだたった4種類しか魚が釣れていなかった。にもかかわらず市場に行けばいろんな魚がおいている。要するに2ヶ月かけても僕らにはこの途方もない大河のどこがポイントなのか分からないらしい。
しかしその日本流に注ぎ込む小川に何かビビッと今までとは違う、経験した事がないような魚の気配を感じた。どうやら感じたのは僕だけではなかったようで僕らは急いでイカダを岸に着けた。“ジャングルの中にひっそり流れる誰も知らない小川”..最高のロケーションじゃないと思いながら僕と栗本氏はカヌーを川におろしジャングルに分け入った。しばらく進むと森が開け小さな池が現れ、そこには雨でも降ってるかのように魚が作る水紋ができていた。
ついに見つけた!そう思って僕らは慌てて竿をだしたのだが結果は3時間でピラニヤ一匹。昼頃、古原氏と交替するためにぼやきながら、また森を抜けイカダに帰ると、いつのまにかイカダの横には大きな漁船が2ハイ来ていた。そのうちの1パイでいきなり1メートルほどもあるエイが上がる。やはり僕らのカンは間違っていなかった、ここはポイントなんだ。
午後、先ほどの池に二人とも気合い満点で出撃したが、僕はむしろこのイカダ回りの方がポイントとにらみ、さっき漁船が上げたエイを狙ってナマズの一匹がけの仕掛けを作り沈めてみた。しかし、しばらく竿を見ていたものの何の変化も起こらない。暇なので洗濯を始めた時、後で妙な音がした。振り向くと竿が動いている。慌ててつかむが竿を立てる事も出来ず5号の糸がぶち切られた。すかさず20号に替え仕掛けを投入する、しかしその糸さえまたもや一瞬に切られた。
一体何物なんだ?いくらなんでもそれ以上の糸はないのでイカダ係留用のロープに針金でルアーの針を結び、そしてついに上がったのは10キロのエイだった。やっぱりこうでなくちゃアマゾンまできたかいがない。それにしても20号を瞬時にぶち切ったのは何だったんだろう? |