ブラジルの大湿原パンタナールでのパクー釣りについては先週書いたように同行したガイドがあまりにもひどかったので、今度は別の釣りツアーで再びパンタナールに挑戦した。今回はパクーだけでなく、黄金色のサケ“ドラド”、虎模様のナマズ“スルビン”も狙おうという事で、エサはカニだけでなくドジョウも用意する。
翌朝、僕らはまずドジョウをエサにパラグアイ川本流の水深のある場所でドラドを狙った。流れの強い本流に仕掛けを沈めると第一投目からハッキリとしたアタリがあり、かなりの抵抗をみせながら上がってきたのは25センチぐらいのおいしそうな黄ピラニヤだった。
カニをエサにしていた時はさすがにピラニヤは食いついてこなかったので気付かなかったが、こいつらがいるとなるとドラドを釣るのは難しいかもしれない。案の定、その後僕も杉山もピラニヤしか釣れなくなり、それを見ていたガイドがパクー釣りに切り替えてくれた。
パクーを狙い細い支流に入った所でそれまで一緒に釣っていた栗本氏と木村君の乗った船と分かれる。またアマゾン以来ずっと続いている栗本氏との勝負が始まった。ともかく彼にだけは負けるわけにはいかない。幸い僕らのガイドは優秀なのか最初のポイントでいきなり4キロのパクーをしとめる事ができた。続いて杉山にも僕にも40センチぐらいのピアブスーという鯉みたいな魚が次々と来る。
ガイドの話ではこれはここではすごくポピュラーな魚で乾季でも雨季でも釣れるらしい。カニがなくなったので一度宿に引き返すために本流に出た時だった。水面に黄金の魚体が跳んだ。“出た!ドラドだ!”その瞬間、素早くガイドの竿からドラドめがけルアーが放たれたのだが、姿が見えたのは本当一瞬だけだった。残念。
しばらく行くと前方に栗本氏達の船がいたので様子を聞いてみると、彼はピアブスーのみだけど木村君がバルバードという70センチぐらいのナマズを釣ったらしい。宿に帰って今日釣れたすべての魚を食ってみると刺身ではピラニヤ、煮物やフライでは淡泊な味のパクーの身が一番うまかった。 |