36のツボ 1950キロ

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一日4982キロ,平均時速207・6キロ,最高速度350キロ。インターネットを使ってル・マン24時間レース優勝チームの成績を調べてみたらこんな結果がでてきた。ル・マンは1チーム3人交替で走る。レースだから信号待ちはないし渋滞もない。要するに速さと距離を引き出すための条件がすべて揃っている。車のことはよく分からないけど多分これが2輪、4輪を含めて一日に走れる距離の限界なんだろう。          もちろんそれとは比較にならないけど、ツーリングが好きな人間なら『一日に何キロ走った』って自慢話は一度はしたことあるんじゃないかな?。

 ひとりのライダーが公道で一日に何キロ走れるのか?。400?500?それとも1000キロ。もちろん一般道と高速では違うし排気量によっても全然違う。ちなみに僕が国内で一日に走った最高距離は720キロ。大学2年の時に友達と4人で関門海峡から京都までの*キャノンボールをやった時だった。

その日は朝佐賀を出てまずは関門海峡の町、門司まで120キロ?を全員で走り、そしてそこから京都までの600キロを競った。ただルールとしては高速での勝負は怖いから無しという軟弱なもので、正午に関門大橋をスタートし僕が京都に帰ってきたのが夜12時。その間にガソリンと立ちションと晩御飯以外はノンストップで一日720キロ。これが国内での自分の最高距離。        

 実は日本にも本当のキャノンボールはある。実際にそれに参加した友達の話ではトップは東京から根室岬まで1400キロを14時間で走ったらしい。当時青函連絡船は4時間ぐらいはかかってたはずだ。となると一般道を含めて10時間で1400キロ!。これはやはり尋常じゃない。とにかくこれが僕の知る限りの国内での一日の最高走行距離だ。  

それじゃ海外まで含めてではどうだろう。まずは自分の話から行くと大学3年の夏休みに北米を走った時にフロリダのデイトナからワシントンまで15時間で1300キロ走ったことがある。その時はまだキャノンボールの話も聞いてなかったし、4桁走行というのはマンガの中の話だと思ってたから、これはもう距離がどうこうという問題を越えて自分にとってかなり衝撃的な体験だった。しかも日本に帰ってきたらみんなが凄いって言ってくれるもんだから、すっかり調子にのった僕はよくその自慢話をしていたし、また実際その距離は誰にも破られたことがなかった。
 
ところがそれから2年後にオーストラリアのある町のYHに置かれてあった情報ノートで一日1380キロ走ったと日本語で書かれているを見つけてしまったのだ。その記録は2000キロほぼ直線道路のナラボー平原で作られたもので、そのライダーは距離を延ばすために時差を利用して一日を25時間にしたらしい。それを見て何かゾクゾクッときた。面白いじゃないコイツ、その記録僕が破ってやるよって思った。

その頃僕が乗っていたのはヤマハのXJ750。それは中免しか持ってない僕が始めて乗った大型バイクだった。そのXJでオーストラリアの東海岸北部の町、ケアンズからブリスベーンまで24時間で1950キロ走った。2000にあと50キロ足りなかったのはちょっと残念だけど、取り敢えずこれが今僕の知る限りの一日での最高走行距離だ。
 
今この原稿を書いていて思ったんだけど『一日に何キロ走れるか?』っていう競技は二輪の世界には無いのだろうか?。もちろんもう負けたからって張り合おうという気はさらさらない。でも一人の人間が24時間で何キロ走ること出来るのかということには今でも凄い興味がある。もし24時間で1950キロ以上走ったという人がいるのならどこからどこまで何キロ走ったのかを事務所までFAXして欲しい。それと、じゃ挑戦してやるよという人のために参考のデータを付けておく。

この日は午前6時スタートで夕方の6時までに1100キロ、それから翌朝の6時までに850キロ。昼間の平均時速は130、夜は100。ガソリン10回給油、御飯3回以外はノンストップ。

 *キャノンボ−ル 非合法のアメリカ大陸横断カーレース。スーパーカー、トラック、救急車、どんな車でもOK。20年前に映画化され大ヒットした。

 

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