木下黄太氏インタビュー
「放射能防御」と脱原発を巡る、もろもろの事情
運動は転換期に。むつかしいけど、前進あるのみ!
運営者 その他に、結局木下さんがやっているこうした運動体を利用して、なにがしか自分の利得を図る。金儲けとか、別の宗教への勧誘とか、そういうのも多かったですよね。
木下 そういう人たちは、僕らを攻撃するとかえって儲からなくなくなるので、不要な攻撃はしないんです。そういう連中は、こちらとトラブルが起きたら、だいたいどこかに姿をくらませて消えてしまいます。だって彼らは金儲けが目的だから。
運営者 関わっても仕方なければ、消えていきますよね。
木下 彼らからすれば、別のところで金儲けをすればいいだけだから。こういう人たちは、ある種合理的だし、社会性を失っていないわけです。乳酸菌マルチ販売のときなんかには、その中心はすぐにいなくなりましたから。金儲け目的で、被曝回避に近づいているだけですから。
極論を言えば、「他でやるなら文句は言わないから出て行ってくれ」と言えば、素直に出て行く人たちなんです。お金以外のカルト的要因が絡む人たちの方が面倒ですね。
運営者 そうすると回避策としては、そういうやばい人を極力運動体の中心には置かないということになりますかね。
木下 そのとおりですね。全ての人を見抜く事は難しいですが、努力したいと思います。
他の一般の人に対しても、僕自身は普通に接しているつもりなのに、ものすごく恨まれてることがあったりするんですよね。こういうことについても僕は、今までの一般社会のビジネス的な経験の中では経験値がないんです。今接しているのは、僕がこれまで東京で接してきた人とはちょっと違う範疇の人たちなんです。
東京でも、いままで裏切られたことは何回もありましたよ。でもそれは、向こうにとっては合理的な理由があるんです。その理由が僕や第三者から見て理不尽でも。だからその人と決裂しても、それはそれで終わりなんです。合理的要求の齟齬は、関係が切れれば、要求してくる根幹がありませんから。
運営者 少なくとも理解はできる事ですよね。
木下 ところが、今僕が直面しているのは、理屈が立たないことを仕掛けてくる人たちなのです。
あまりにもレベルが低い。はっきり言ってIQの問題ですし、それよりも低次元の「正常かどうか」という話です。だからまともに対応してたら、こっちがおかしくなっちゃいますよ。
だけどそういう人ほど運動体に入りたがるのです。
運営者 こちらに近寄ってくる人に、そういう人が少なからずいるというのは事実です。そして腐ったリンゴを外に出そうとすると、その対象にシンパシーを感じて止めにかかる参加者も少なくないし・・・
木下 だからかなり難しい。
運営者 他の集団だったら、参加者にかなり縛りをかけるから、こんなことは起こりにくいし、対処も楽ですよ。
だけど放射能プロジェクトはそんな縛りをかけるつもりはないじゃないですか。
木下 そう。とても難しいのは、参加者への縛りを極力なくしているんです。
仕切りを低くしているから、変な人たちも流入してくるんです。
しかも、それなりにちゃんとした知力や財力、経験のある人と、変な人が横に並んで座っていたりするわけです。
講演会に来て、聞いているだけの人は大体まともなんです。メールマガジンを購読しているだけの人も。そこから一歩踏み込んで何かをしたいという人に注意をしなければならないのです。
正直、怖いですよ。このことで、ぎりぎりの対応をして、日夜やっていても、一番にアクセスしてくるのは、そういう連中が多いわけです。そして、何か彼らの満足が得られないと、その中で更におかしいタイプの人間が、狂ったように攻撃してくる訳ですから。こんな馬鹿げたことが、ここまで起こるとは思いもしませんでした。
まともに思考したら、こちらが気が狂います。
運営者 Facebookもそうなってますよね。それなりの人が書き込んだ後に、変な人が書き込んでぶち壊しにしているのをよく見ます。
木下 Facebookのグループがうまく機能しない理由の1つには、それがあると思います。個人のウォールの方が意味のある情報が書かれていますよね。まあ、個人ウォールの寄せ集め出しかないですから、そもそもFacebookは。
運営者 Facebookの運営も難しくなっています。
グループについては、「高度化する」という方向を打ち出したいですね。
レベルの低い人に合わせてもしかたないので。
われわれはますます厳しくなる状況下で放射能防御をやっているわけで、子守りをやってるわけじゃないんです。
木下 こうした運動を今後どのように展開していくか、丸3年が経過して転換期に来ているのは間違いありません。そして僕には、転換の方法を間違うと、この先日本ではもうこのような運動体はできないのではないのかという危機認識があります。
僕が失敗したらどうなるかという恐怖心の中で生きています。
運営者 放射能による被害が拡大するでしょう。
木下 そしてその次は、「日本の社会が社会として存立し続けられるのか」という問題にもなると思いますよ。
■木下黄太氏インタビュー
今そこにある「放射能危機」の本質 2014年4月
「放射能防御」と脱原発を巡る、もろもろの事情 2014年7月
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