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ナレッジ・ワーカー育成講座   野中郁次郎氏

運営者 普通のサラリーマンには、毎日同じ仕事を同じようにやっていればご飯が食べられると信じている人が多いんですが、それは間違いですよね。
 常に新しい工夫や、新しい挑戦を、他でもない自分がしなければ、ライバル企業に負けてしまうと考えなければおかしいと思うのですが……。

野中 でもルーティンを好むのは、人間の習性なんです。なぜ変われないかというと、ルーティンが一番心地よいし楽だから。変わろうと思っても変われない。  
 そういった仕事は、"情報処理"であって、knowledgeとはほど遠いわけです。

運営者 仕事を通してknowledge="知"を生み出すために必要なものは何でしょうか?

野中 knowledgeというのはjustified beliefですから、すなわちやりたいこと、仮説、問題意識といった自分の"思い"がなければ"知"を生み出すことはできないわけです。  
 "思い"の次は、commitmentがあるかどうかが分かれ目になります。それと、できればtrueでありたいが、何がtrueであるかはなかなか難しいから、これは置いておくとして、knowledge workerというのはこれまでのマニュアル・ワーカーと違って、与えられたことをやるのではダメです。ピーター・ドラッカーもいってますが、how to difine the task、仕事の定義を自分でやって、セルフ・コントロールをする必要があります。そのためには強いdisciplineが必要です。
 最終的には、自分でコンセプトを作れない限り、"知"を生み出すことはできないのです。

運営者 論理的に考えるだけでは、まだ足りないのですね。では、コンセプトを作るには、どうすればいいのでしょうか?

野中 一つは、beliefですよね。beliefはどこから生まれてるかというと、"直接経験"からです。 アタマで考えるより、自ら新しく質の高い経験にチャレンジするべきです。"思い"や"commitment"に一番つながるのは直接経験なんですよ。そこから出てくるのは気づき=awearnessですね。これをいかに概念化するかという問題になってくる。ですから直接経験をベースにした"思い"を"言語化"する、ということを、常時ひつこく追求する態度も必要です。いつも考えているという態度。「コミットメント、気づき、ひつこさ」が大事です。  
 かつての日本人は、今よりもっとconceptualだったと思います。幕末から『坂の上の雲』の時代まではですね。その一つの理由というのは、武士は小さい頃から漢詩の素読を徹底的にやっていた。漢詩というのはですね、自分の"思い"を、最小の言葉で最大限美しく表現する概念化の方法論なんです。それを武士は子供の頃から"暗黙知"化していたのではないでしょうか。  
 彼らは作法として、いつでも死ねる覚悟があったわけで、つまり自分の"思い"を持っています。何のために生きているのかをいつも考えている。死に臨んで、硯と墨で辞世の句を書いたでしょう。それは自分が何のために生きているのかという"思い"を短い言葉で書くわけです。武士は"体育会系"の存在なのですが、この一点において、今の日本人が持たないない"概念化能力"を持っていたんでしょうね。

運営者 サラリーマンは、みんな毎日、辞表をポケットに入れて歩き始めると、ちっとは物事を考え始めると……(笑)。

野中 人間は、"死"を意識した瞬間に、何のために生きているのかを考え始めるんですね。それを考えない限り、堕落してしまう。自分の日々の中にどこまでそういった"クリエイティブなルーティン"を組み込むか、disciplineが持てるかということでしょう。

運営者 終身(長期)雇用制度というのは、サラリーマンは死なないということだから、みんな物を考えずにすんじゃいますね。

野中 終身雇用には、少なくとも"経験知"は持続的に集積していくことができるメリットはあるんです。しかし、"概念知"をつくる妨げになるかもしれませんね。  
 自分は何のために生きているのか、何がやりたいのかという、本質的な問いに対するcommitmentがなければ、"知"を生み出すことはできません。そしてknowledge workerたるものは、自分を律する非常に強いdisciplineを持っていなければならないのです。 

(1999/12/29)




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