木下黄太氏インタビュー
「放射能防御」と脱原発を巡る、もろもろの事情
なぜ「被曝回避派」の中におかしな人が混じるのか?
木下 Facebookでも似たような状態なのですが、そうしたおかしな人達が入って来やすいITメディアの中で、社会的事案の中で過去最大の継続的な問題となっていたのがこの「被曝問題」と「嫌韓嫌中」なんです。
反原発以上に、被曝回避なんです。なぜかというと、「反原発か否か」という問題は、新聞や雑誌などのパブリックなメディアの中でさんざん議論されているからです。その範疇から出る情報や意見というのはあまりないですからね。
運営者 なるほどー
木下 他のタイムリーな話題というのは、テレビでのニュース報道が終わったら収束するんです。だけど被曝回避問題は、ずっと継続している稀なテーマなんです。
そういう感じでこのテーマには人が集中してきています、そしてそのマイナス要素として、被曝回避側も、推進側も同じなのですが、ちょっとおかしな人が反応して一定数混じって来ていると僕は見ています。
推進側もそうした人の動きには困ってると思いますよ。おかしな彼らが被曝回避側を叩くことで、被曝回避側の団結が高まってしまっています。そういう構図がずっと続いています。
そこで推進側はひたすら火消しをやっています。工作員はそういうニュアンスで活動しています。
運営者 普通の会社はもうピットクルー(誹謗中傷への対処や投稿の監視などを行い契約会社の活動をサポートすることが主な業務)を雇っていて、ネット上での自社に不利な書き込みについての対策を行っています。
木下 そうです。そして普通の人の中にも工作員的な動きをしている人がいます。
推進側のそうした人たちと同等数以上に、被曝回避側にも工作員的な動きをしている人たちがいて、しかもその人たちが経験値が低いだけであるならまだしも、社会的な対応能力がない人が多いんです。
世知としか言いようがないんだけど、「このようなことが起きている場合は社会的にこのような背景があるから、一定の配慮示す必要がある」とか、常識的な社会的対応というのがあると思うんです。ところがそういう認識を全く持っていないか、まったく配慮しない人が少なくありません。
そしてそういう人たちはちょっとした自分の認識のまちがいに反応して、相手を過剰に攻撃したりします。
運営者 いくつかの人間の能力に分解すると、まずコミュニケーション能力というのがあります。これが欠落している人がいます。
それから組織感覚力というのがあります。組織の中ではこのように情報が伝達され決定されるのだから、今このような情報が外に出ていると言う事は、その
裏側はどうなっているということを推察する能力です。これは、ある程度のビジネス経験や組織内で働いた経験がなければ身に付かないこともある能力なんです。それを持っていない人がいます。
もう一つは論理性です。論理性がなくても生きることができるので、論理性がないのにネットに参加している人も沢山いるということです。
木下 そうですね。
運営者 つまり、ズバリ言うと、元々、社会的経験がなく、情報に疎いタイプの女性の場合は、そういう能力が身につかないケースが往々にしてあるということです。それがいけないと言うつもりは全くなくて、それはそういう立場なんだから仕方がないと思います。そしてまた放射能防御について興味がある人には女性の割合が多いという現実があります。この辺で何か不幸なことが重なっているのかもしれないなと思いますね。
木下 でも、女性に限らないんですけどね。
運営者 確かに。
木下 最近の参加者は、長年放射能防御について考えに考えて参加してくる人や、年配の参加者が増えています。そういう人たちはやはり男女問わず世知があるので、「問題を引き起こそう」という感覚をそもそも持っていません。
運営者 歳をとるとそういう能力は高くなります。
木下 だけど、やっぱりそうじゃないタイプの人が一定程度いて、僕はそういう人達にかなり注意をうながしているし、僕自身相当ストレスを感じてるんだけど、この人達はどうにもならないです。
政府の方針がおかしいとか、国が変なことをしているというのであれば頑張って闘えるし、闘う意味があるのですが、身内におかしな人をたくさん抱えていて、その人達を注意することに多大な時間を使わなければならないというのは、うんざりします。
運営者 どういうことが起きてますか?