北風はいじわるです。
人が困ることをして、喜んでいます。自分がされていやなことを
人にするのは、いじわるです。
どんなに人のことを力づくでおさえようとしても、相手は逆に心
を閉ざしていくばかりだと思います。
お日さまは、がいとうを脱がせただけでなく、北風で冷えきって
しまった体を、優しく温めてくれたのだと思いました。
お日さまはその人の気持ちと同じ視点にたって、見守ってくれた
のです。
同じ立場になって、ものごとを考えられる人は、この世の中に少
ないと思います。
おとなは、子どもだからといってばかにしがちです。
でも人がほんとうに助けを求めているとき、年令も立場もまったく
関係ないと思います。
どんなときでも相手と同じ気持ちになって考えてあげられる優しさ
がたいせつなことだと思います。
人を力づくでおさえたり、気持ちからではなく頭で考えてなにかを
するということは、北風にとっても何もいいことなどないはずです。
お日さまはいつも親身になって見守ってくれています
そして最後にもうひとつ。
北風は自分から申しこんだ勝負なのに、負けたと思ったらすぐ逃げ
ました。逃げるということは、人間の世界においても、最低なことだ
と思いました。