五木寛之

涙の河をふり返れ

book1_040 文春文庫 100−8
<不毛の味>のにじむ歌を櫂として涙の河を渡ろうとする少女歌手。彼女に賭ける男の虚無と情熱。大衆は食肉魚ピラニアの大群のように、そのアイドルの不幸を食いつくす。日本人の情念の深い淵に降下して魂の暗部を描いた表題作をはじめ「われはうたへど」「人情ブラウン菅」「望郷七月歌」など異色五篇を収録。


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