五木寛之

ゴキブリの歌

book1_029 新潮文庫 147C
「風に吹かれて」が、おおむね過去の自分の回想記であることに較べると、より原寸大の私がそこに透かして見えるようだ・・巧まざるユーモアとその背後にひそむ若い抒情あふれる第二エッセイ集。一瞬に閃いて消え去る虚構の光芒に賭けて現代の読者を魅了する著者は、旅を自立の支えに、デラシネ状況を踏み台にし、新鮮な共生感覚を求めて、今日もまた流れ歩いて生きてゆく・・・・・・。


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