エルサレムからのHOT NEWS
−イスラエル・パレスチナの紛争の解決を願って−

この記事はイスラエルより発信されている「NONVIOLENCE (非暴力)」のホームページより、製作者 ラエド・アブサリア神父様の許可を得て「聖地のこどもを支える会」で翻訳したものです。


オリーブ・ブランチ NO.181
2002年11月30日 土曜日

アブサリア神父のメッセージ
トワーヌ・ファン・テーフェレンによるベツレヘムだよりNO.40
ベツレヘム地区からの緊急アピール
アラファト議長 : ベツレヘムのクリスマスは中止に

親愛なる友人、兄弟、姉妹の皆さん、
 先週の水曜日、タイベに日本から小さなグループが来ました。日本の私たちの仲間も、聖地のキリスト者のことを案じて会を作り、私たちの学校の子供たちを助け、また、「オリーブ・ブランチ」を受信してニュースや文書を日本語に翻訳して下さっています。この方々が私たちを訪ね、自分たちの目で現実を見たいと思われたことを知り、大変興味深く思いました。この方々は、純粋で親切で、特に祈りにおいて非常に敬虔で、私たちは深く心を打たれました。

 また、この村で生産され、特製の手作りラベルを貼って瓶に詰められた「タイベオリーブ・オイル」の最初の製品をこの方々が買ってくださり、とても嬉しかったです。私たちは今、「タイベビール」だけではなく、「タイベオリーブ・オイル」を扱っています。何故だかご存知でしょう? 私はビジネスマンではありませんが、多くの生徒たちが学費をオイルで払っているのです。今やそれらが150缶(17リットル)にもなりましたので大量の瓶を揃え、私たちを訪ねてくださる方々や、巡礼者に売ることに決めました。このオイルを売ることでこのコミュニティーが助かればと数千本の瓶を用意し、どこか他にも市場を見つけたいと思っています。

 最近8度目の侵攻を受けたベツレヘムで何が起こっているかと皆さんが心配しています。もう8日以上も外出禁止令が出されたままで、市場に行き食べ物を買ってくる数時間さえも解除されません。私は、先週の水曜日、神学生に哲学史の講義をするためベイト・ジャラに行かなければならず、町の外に車を置き、町の真ん中にある神学校までこっそり狭い道をたどって行きました。

 多くの人々が、クリスマス前に侵攻と包囲が終わるかどうかと議論しています。ある人々は、侵攻とキリスト誕生の地である町の再占拠への抗議のしるしとして、今年はベツレヘムでのクリスマスを祝わないだろうと言っています。アラファト議長はニュースによるとこう言っています。「ベツレヘムでのクリスマスは取りやめになっているが、この聖地の監禁への答えは、“ベツレヘムは結局はクリスマスを祝うだろう”と言うことだ。」と。管区長が先週からヨルダンでの司祭たちの恒例の黙想会に出席するため留守なので、この問題について私たちは何も公式に述べる立場にありませんが、私の考えはこうです。もしイスラエル軍がクリスマスまでベツレヘムに留まり、ベツレヘムが外出禁止下のままなら、クリスマスを祝うことはこのような状態では殆ど不可能です。私たちのコミュニティーが生誕教会に行けない…つまりこれは宗教の自由と、聖地への自由な通行への明らかな違反です。ですから、イスラエルが平和のうちにここを去り、人々がクリスマスを祝えるよう、国際社会や全世界の諸教会がイスラエルに圧力をかけるべきです。そのような圧力はきっと実を結ぶでしょう。何故なら、イスラエルはスキャンダルを好まず、世界に悪いイメージを与えたくないからです。

 とにかく、私たちは困難な日々の中、特にベツレヘムで私たちの宗教的な祝祭を祝う権利があり、たとえ外出禁止令のもとにあり包囲されていようと最善をつくすつもりです。これは神ご自身と国際法により、この世の全人類に与えられた大変論理的で純然たる権利です。あなたはこう言われるかもしれません。何故そんなに大事(おおごと)にするのですかと。全住民が世界の目の前で長い間包囲され外出禁止下にあるのに、これがまるで普通であるかのように誰も何も言わず何もしないのを見るなら、これは大事(おおごと)なのです…親愛なる皆さん、このようなことは、現代、この世のどこにもないのです。ただこの聖地にあるだけです。クリスマスを準備する待降節が始まるにあたり、平和が私たちと聖地に来ますように私たちと共に衷心からお祈りください。           

ラエド・アブサリア神父



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