エルサレムからのHOT NEWS
−イスラエル・パレスチナの紛争の解決を願って−

この記事はイスラエルより発信されている「NONVIOLENCE (非暴力)」のホームページより、製作者 ラエド・アブサリア神父様の許可を得て「聖地のこどもを支える会」で翻訳したものです。


オリーブ・ブランチ NO.181

ベツレヘム地区からの緊急アピール
ベツレヘム市
ベイト・ジャラ市ベイト・サフール市ドーハ市アル・ハデル市                                 2002年11月29日

 私たちは、崇高な意義と価値を持ち心に静寂と平和をもたらす、ラマダンの聖なる祝祭と栄えあるクリスマスを迎える準備をしていました。また、子どもたちの唇に笑いを取り戻し、過去5回のベツレヘム行政区へのイスラエルの侵攻で引き起こされた重大な人的、物的損失の傷を癒そうとしていました。そのなか、2002年11月22日の夜明けにイスラエル軍が私たちの不意を突き、ベツレヘムに侵攻しました。これはイスラム教徒とキリスト教徒両方の感情を無視し、パレスチナ自治政府と8月に締結したベツレヘム先行撤退合意を反故にするものです。

 イスラエル軍の戦車と装甲車が町や村落、難民キャンプに侵攻し、罪も無い人々を傷つけ、殺害し、大量拘束を行っています。イスラエル軍は家屋を取り壊し、組織や基盤施設を破壊して、恐怖を撒き散らし、集団懲罰を加えています。特に外出禁止令は、住民の生活環境の悲惨なまでの悪化をもたらし、工場や商店、みやげ物屋、病院、学校、大学、教会、モスク等のベツレヘム行政区の生活の全ての側面を完全に麻痺させました。

 さらに追い討ちをかけるように、2002年12月30日までの間ベツレヘムは封鎖軍事地域として宣言されました。この宣言の背後には、ベツレヘムにおける侵略行為を継続、拡大しようとするイスラエル政府の意図に象徴される、危険が存在します。この宣言は、住民が宗教的そして社会的な義務をこの祝祭の時期に行うことを妨害するものです。そして巡礼者や旅行者が、キリスト聖誕の地である私たちの町を訪れてクリスマスを祝うことを妨害します。これは、この聖なる町の歴史の上で前例のない行為です。

 私たちは、ベツレヘムに対するこの目に余る侵略行為を強く非難します。これには、イスラエルの選挙を控え計画されたプランに沿って、イスラエルの国内の利益を実現すること以外に何の理由もありません。私たちは、基本的な人権やあらゆる国際規約に反するこの蛮行を非難するとともに、米国政府、欧州連合、国連、宗教団体、イスラム世界とアラブ世界が、パレスチナの正当な主張に対する歴史的責任を負うことを要請します。
私たちは、迅速にそして効果的にイスラエル政府に介入して、私たちの街、村落、難民キャンプからのイスラエル軍の即時撤退と、全世界の前でパレスチナの人々に対して行われている圧制と野蛮な攻撃を停止することを要請します。これらの人々の唯一の願いは、国連安全保障理事会の決議と国際的正当性に基づく、公正で包括的な平和の下、自由と尊厳の中で自分たち自身の土地に暮らしたいと切望していることです。


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