ε-N論法による厳密な「lim an = α」「an→α(n→∞)」定義のイメージトレーニング   


 それでは、
 厳密な「 an→α (n→∞) 」定義のイメージを、
 あなたの頭の中にインストールしていきます。

Phase1 : ツールのインストール

step1:バックグラウンド・イメージのインストール。
 
   あなたの頭の中に、左から右へ数直線を描いてください。
   描けましたか?

step2:αのインストール。

    あなたの頭のなかの数直線上の一点を選んでください。
    その一点を、αに決めます。

    あなた頭のなかの数直線上のαに決めた点を、でマークしましょう。

    頭のなかの数直線上の一点αをでマークできましたか?

step3:《αから距離ε以内の目標接近ゾーン》のインストール。

    あなたの頭のなかの数直線上に、
    《αから距離ε以内の目標接近ゾーン》をインストールします。

    まず、なんでもいいので長さをひとつ決めてください。
    この長さをεで表すことにします。
    次に、
    あなたの頭のなかの数直線上を、



 →数列の収束・極限値─厳密な定義の考え方 
 →数列の収束・極限値の定義 

    「でマークした点α」から右方向へ「長さε」だけ辿った点(α+ε)をでマーク、
    「でマークした点α」から左方向へ「長さε」だけ辿った点(α−ε)をでマーク
    してください。

    それから、
    赤ペンで、
    あなたの頭のなかの数直線を、
    片方のから、をとおって、もう片方のまで、
    なぞってください。

    あなたの頭の中の数直線上に、
      ○───●───○    
    がインストールされましたか?

    これが、《αから距離ε以内の目標接近ゾーン》 です。

    なお、
    この《αから距離ε以内の目標接近ゾーン》は、
    数学用語では、
     開区間 (α−ε, α+ε)αのε近傍Uε(α) 
    と呼びます。   

step4:《αから距離ε以内の目標接近ゾーン》のウォーミングアップ。

    εに入れる長さを変えることで、
    《αから距離ε以内の目標接近ゾーン》を伸び縮みさせることが出来ます。

    εに入れる長さを大きくすると、
      ○───●───○    
    は横に左右対称に拡大し、

    εに入れる長さを小さくすると、
      ○───●───○  
    は、に向かって左右対称に縮小します。    
 
    あなたの頭のなかの数直線上の《αから距離ε以内の目標接近ゾーン》を、
    εの中身をいじって、いろいろ伸び縮みさせみよう! 


厳密な数列極限値定義:イメトレ 
厳密な数列極限値定義:考え方 
数列の収束・極限値の定義 


Phase2 : 「 an→α (n→∞) 」定義のイメージチェック


 check1:

   ・まず、εの中に入れる長さを、なんでもよいので、一つ決めて、固定してください。

   ・そして、そのεの中身に応じた《αから距離ε以内の目標接近ゾーン》を、
    あなたの頭のなかの数直線上に浮かび上がらせてください。

   ・次に、
    数列の各項a1,a2,a3,…を、順番に
    あなたの頭の中の数直線上にプロットしていってください。

    その際に、

    この項から先は全項
    《αから距離ε以内の目標接近ゾーン》の中に突入してしまう!

    という事態が発生したかどうか、チェックしておきます。

 check2:
   ・ここで、εの中に入れる長さを、変更してください。
    伸ばしても縮めても結構です。
    変更できましたか?
    変更したら、そのまま、固定してください。

   ・このεの中身に応じた《αから距離ε以内の目標接近ゾーン》を、
    あなたの頭のなかの数直線上に浮かび上がらせてください。
    
   ・数列の各項a1,a2,a3,…を、順番に
    あなたの頭の中の数直線上にプロットしていってください。

    その際に、

    この項から先は全項
    《αから距離ε以内の目標接近ゾーン》の中に突入してしまう!

    という事態が発生したかどうか、チェックしておきます。
     
    なお、「この項から先は」の「この項」は、check1のときの「この項」と違ってて構いません。

 check3:

   ・また、ここで、εの中に入れる長さを、変更してください。
    伸ばしても縮めても結構です。
    変更できましたか?
    変更したら、そのまま、固定してください。

   ・このεの中身に応じた《αから距離ε以内の目標接近ゾーン》を、
    あなたの頭のなかの数直線上に浮かび上がらせてください。
    
   ・数列の各項a1,a2,a3,…を、順番に
    あなたの頭の中の数直線上にプロットしていってください。

    その際に、

    この項から先は全項
    《αから距離ε以内の目標接近ゾーン》の中に突入してしまう!

    という事態が発生したかどうか、チェックしておきます。
     
    なお、「この項から先は」の「この項」は、check1,2のときの「この項」と違ってて構いません。

 check4:

   ・しつこいようですが、
    また、ここで、εの中に入れる長さを、変更してください。
    伸ばしても縮めても結構です。
    変更できましたか?
    変更したら、そのまま、固定してください。

   ・このεの中身に応じた《αから距離ε以内の目標接近ゾーン》を、
    あなたの頭のなかの数直線上に浮かび上がらせてください。
    
   ・数列の各項a1,a2,a3,…を、順番に
    あなたの頭の中の数直線上にプロットしていってください。

    その際に、

    この項から先は全項
    《αから距離ε以内の目標接近ゾーン》の中に突入してしまう!

    という事態が発生したかどうか、チェックしておきます。
     
    なお、「この項から先は」の「この項」は、check1,2,3のときの「この項」と違ってて構いません。
  :


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Final Phase :  まとめ



 εの中にいれる長さには、無限のバリエーションがありますが、

 このεの無限のバリエーションに応じて、
 以上のcheckを、無限回おこないます。

 このεの無限のバリエーションに応じた無限回のチェックのすべてで、

    この項から先は全項
    《αから距離ε以内の目標接近ゾーン》の中に突入してしまう!
 
     (「この項から先」の「この項」は、εの中身に応じて、違ってて構いません)
 
 という事態が発生するということ。

 これが、「 an→α (n→∞) 」の厳密な定義のイメージです。

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