キリマンジャロ登頂記 
〜キリマンジャロは誰でも登れるのか〜


 さて、タイトルのキリマンジャロはだれでも登れるのか・・ということに関してですが、参加者を見回して、挑戦するためのハードル(資格)はそんなに高くないと感じました。今回、私が参加したツアー(10日間コース)には9名の参加者がありましたが、何とそのうちの5名が60才以上(男4女1)、私を含めて2名が50台、1名が40台後半、若いといえるのは、30台と思われる女性一人でした。キリマンジャロ登山については、我々と同じ行程で下山後サファリ見物のある15日間コースの参加者12名についても、見渡したところ、こちらも半数以上が60才以上でした。
 その二つのコースの参加者全員がキリマンジャロ火口部外輪山のギルマンス・ポイント(5682m)まで登り、さらに14名程が最高峰のウフルピーク(5896m)まで登りました。

 そのことから、挑戦するハードルは決して高くないと感じた次第です。

 ただ、参加された方は全員、日頃から山に親しんでおられる方ばかりで、そういうことから、私の意見としては、挑戦者の条件として、「何日か続けて歩けること、そのうち一日は、15時間程度は行動できること。」程度かと思います。その一日も、単位時間あたり高い運動量は要求されません。さしずめ、15時間程度かけて、「六甲全縦をゆっくりだけど確実に歩ける」という程度でしょうか。

 しかし、そういう人が人が確実に登れるのというと、それは別問題。それらは、最低の必要条件といえます。
 登れるか登れないかは、別の要素、すなわち高山への適応能力によるところが大きく、その能力は、事前に判定しにくいもののようです。
 私の不安も、そこにありました。自分自身の評価として、最近、3000m近くの山に登ったら、必ず息苦しさを感じるようになっており、高山に関しては相対的に弱い方ではないかと思います。でも、登れました。というこで、結局、登れるかどうかは

   行って挑戦してみなければわからない・・・(^ ^ゞ ポリポリ

 と、ごく当たり前の結論に達したところです。


○私の高山病対策について
高山病対策については、いろいろと言われてますが・・・

 ・ダイアモックスの服用
  ダイアモックスは呼吸促進と利尿作用という効果があるとされますが、効果が不明で危険とする報告もあります。
  私は、自分自身の判断でこれにすがろうと決心し、9/5の朝から、9/7の夕まで朝晩1錠(250mg)計6錠、服用し、効果抜群と感じました。
  9/4夕方(2700m)のマラングハットから、何となく頭が重く、息苦しさを感じ、9/5夕方(3720m)ホロンボハットでは、一層その症状が募りましたが、翌朝(9/6)には、それらが解消しました。以後、頭の重さ(頭痛)は感じませんでした。
  なお、副作用については、手の若干のしびれを感じただけでした。これについては、手足ともジンジンしびれたという人もあり、かなり個人差があるようです。

  参考までに私のパルオキシメーターの計測結果(血中酸素濃度、脈拍数)は次のとおりです。

   9/3 朝 (アジスアベバ)  94% 90BPM
   9/4 夕方(マンダラハット) 91% 90BPM
   9/5 夕方(ホロンボハット) 85% 92BPM
   9/6 夕方(ホロンボハット) 92% 82BPM
   9/7 夕方(ギボハット)   76% 100BPM

 ・水分の摂取
  高山病対策として、水分を充分に摂るということは、意見の一致した対策のようです。
  私は、助走期間中は、朝食時コップ4杯(800CC)程度、行動中に1.5リットル程度、夕食時に1リットル程度、就寝中(目が覚めた時)に500CC程度と、合計で4リットル近くの水分を摂りました。

 ・ストレスの回避
  暑さ、寒さを含めて、我慢することは良くないとのツアーリーダーの言葉を忠実に守りました。暑くなればすぐ脱ぎ、寒くなれば、迷わず重ね着し、歩くとき少しでも負担に感じたら付いて行かず、マイペースを守りました。ただ一点、アルコールは我慢しましたが・・・(^ ^ゞ ポリポリ

緊急加圧器のテスト 俗称「大八車」で搬送される様子
「これだけは乗りたくないね」が合い言葉

その他・・・

 1 アタック時の携行食
  アタック時に支給される行動食は、半分程度がせんべいなどの乾きもので、なかなか食べにくいです。助走期間は、支給の食料で充分ですが、アタック時だけは、自分の好きな食べ物を携行したほうがいいと思います。

 2 アタック時の服装
  運動量が少ないので、結構寒いです。私は、上半身は冬用(ダクロン製)のアンダーウェア、夏登山用長袖Tシャツ、冬用登山シャツ、フリースのベスト、ゴアテックスのカッパ、下半身は、タイツ、冬用ズボン(ニッカボッカの生地のズボン)、ゴアテックスのカッパ、頭はフリースの帽子をかぶり、途中でネックウォーマーをしました。(他に毛糸のセーター、長袖のフリースを携行)。
 風がなく、絶好のコンディションでこれでちょうどでしたので、風があると、かなりの装備が必要ですね。

 3 その他
  本文中にも書きましたが、ザックカバーは、埃よけとして、装着しておくのがいいかも知れません。

 なお、現地の携帯電話は山頂からでも通じるとのこと。
 何年か先には、キリマンジャロ山頂から、自宅へ山頂コールができるようになるのでしょうね。


 以上、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m

 今回のキリマンジャロ遠征は、設備が整ったなかで、デイパック一つ背負っただけのラクチンの大名登山。そして、何より、アフリカの大自然の中に浸っての登山で、思い切って出かけて、本当に良かったと思います。
 そして、チャンスがあれば、もう一度行ってみたい。いや、何とか都合をつけて、是非行きたいと思います。

 最後になりましたが、今回、たまたまツアーで一緒になり、それをきっかけに囲炉裏村に入村されたイツローさん(本文中NKさん)から、たくさんの画像データを提供して頂きました。
 ツアーでお世話になったことを含めて、感謝する次第です。ありがとうございました。m(_ _)m


 登山ルート図等の作成にあたっては、もちろんDAN杉本さん提供の「カシミール 3D」を使っております。


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