キリマンジャロ登頂記 〜下山・ハプニング編〜
○ BCから下山(ギボハット4750m→ホロンボハット3720m)
ギボハットに到着して、まず、土埃をはらう、靴、スパッツはもちろんザックも真っ白にホコリをかぶっている。ザックカバーは、雨対策ではなくて、土埃対策として有用と、この時点で気付く。
部屋に戻ると、オレンジジュースのサービス。一気に飲み干す。うまかった。
カップヌードルも昼食として用意してある。しかし、次の登山者に部屋を明け渡さなければならない。昼食もそこそこに、パッキングしてホロンボハットに向け出発する。
途中、一日遅れで日本を発ってきたM旅行社の一行とすれ違う。もちろん、親指を立てたりVサインをしたり・・・「make it!」の科白も飛び出す。
3時間半でホロンボハットに帰着。とりあえず、靴を脱ぎ、顔を洗ってからビールを調達する。4日ぶりのアルコールだ。
外は、風があり、結構体感温度が低い。どこで、祝杯を挙げるか、逡巡していると、食堂で「お茶会」が用意されているという。ほぼ、全員が集まって、お茶会が飲み会に変身する。
ビールがなま暖かいのは、残念だった。ともかく、全員登頂を祝して、乾杯する。皆の顔から、笑みがこぼれる。
ツアーリーダーから、ビニールパック入りのアルコールの提供もあったが、まだ、高度は3700m、ヘベレケになるまで飲むわけに行かない。
宴会を終えて、外に出ると、麓の方で山火事が発生したようで、広範囲に白煙があがり遠目にちょろちょろと炎が見える。だが、下山には支障がないようだ・・とのことであった。
祝宴を持ったため、いつもより遅くした夕食は、流石にあまり食べられなかった。食後、すぐ就寝。ぐっすり、3時間ほど寝たあと、目が冴える。外にでて、満天の星を仰ぐ。この星達も今日で見納めだ。結局、南十字星はわからなかった。
○9月9日(月) 下山(ホロンボハット3700m→マラングゲート1900m)
今日で山旅もオシマイである。二日かけて登ってきた行程を一日で下る。
出発前、グループ全員で記念撮影して、各自下山にかかる。
●ハプニングその1 山火事遭遇
昨日来の山火事がだんだん近づく。登山道のあるところまで、燃せ広がったようだ。
やがて、眼前に燃焼帯が近づく。ガイドから、写真は撮らないで、一気に駆け抜けるように注意を受ける。が、しつこく借り受けたデジカメで撮る。燃焼帯は、20〜30mだった。走り出して、すぐに息を止めておけなくなった。しかし、さほど熱気も感じないし、呼吸しても大丈夫であった。
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燃え広がる山火事 | 燃焼帯を通過 |
通過した後、黒々となった焼け跡を入れて、再び写真を撮る。
燃えた後は、完全に燃えつくしたという感じではなくて、草は地面から5センチくらいは燃え残っているし、木々も、上の方は緑が残っている。次に雨が降れば、すぐに息を吹き返すのではなかろうか。。
途中のマンダラハットで、ビールで元気をつけ、展望の無くなった密林を下る。マラングゲートが見えたところで、ガイドが「これで、キリマンジャロともお別れです。」と案内してくれる。そう、山旅は終わった。
マラングゲートでおみやげを調達し、ガイド達とお別れ式。
最後にガイド、ポーター達が全員集合して、キリマンジャロの歌を歌ってくれたが、我々をサポートしてくれた人数の多さにびっくりした。
●ハプニング?その2 タイヤパンク
マラングゲートから、再びランクルに分乗し、空港近くアルーシャの町のホテルへ向かう。
途中、巨木(バウバウの木)のところで、写真を撮るため路側に停車してくれる。我々が、近寄って大きさを実感しながら撮影していると、ランクルの一台がパンク。おかげで、充分に観察できた。まあ、パンクは日常茶飯事ということらしい(スペアは2本積んである)から、ハプニングには入らないかも知れない。
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バオバブの木 |
2時間あまりで、立派なホテルに到着。
久々の風呂に入れる。ツインの部屋になったが、同室の方が、あみだくじで風呂に入る順番を決めようといってくれる。くじに当たり、先に入らせてもらう。
バスタブにお湯をため、半身浸かりながら、体を洗う。顔や首筋、耳の穴を洗うと、タオルが真っ黒になる。2度ほど、洗い直してスッキリした。しかし、終わった後、タブの水ハケの悪いのには、苦労した。
全員、すっきりして、夕食。ちょうどほろ酔い加減の時、NKさんがビデオを回して、各自今回の感想を述べる。いい記念になるはずだ。
○9月10〜11日 帰路へ(キリマンジャロ→アジスアベバ→バンコク→関空)
朝4時起床、4時半から朝食を摂り、5時前に空港に向け出発。まだ、真っ暗である。 6時前空港に到着、まだ、ひっそりしている。
空港内のインターネット接続サービスは到着ロビー側にあり、まだ、開店してなかった。
7時前に搭乗。乗客は、我々10人+3人のみ。客室乗務員に、どちら側の席がキリマンジャロが見えるかと聞くと、左側の席だと答える。それなら、来たときと飛行コースは違う。キリマンジャロの東側を通過するので、光の加減(太陽光線)の加減もいいはずだ。左の窓側に陣取ってカメラを準備する。ところが、離陸すると、やはり飛行機の右側にキリマンジャロが見える。うーん、逆光だ。
ちなみに、NK氏から、試しに撮ったデジカメ画像を見せられた乗務員のオネエチャンが、その写真が欲しいという。飛行機を降りるとき、メールをくれたら、写真をつけて返事すると、私の名刺を渡したが、未だに、メールは届いてない。
飛行機は、ナイロビを経由してアジスアベバに向かう。ナイロビでは、たくさんの乗客が乗って来て、ほぼ満席になった。私の席はダブルブッキング。英米系の紳士がそこは私の席じゃないかと言ってきた。半券を見せて、納得してもらう。彼は、困ったような表情で、立っていたが、しばらくして無事空席がみつかったようだ。
●ハプニングその3 アジスアベバ市内観光
3時間ほどでアジスアベバに到着。空港内のロビーは一杯で、食堂でビールを飲みながら時間を潰す。
さて、出発時間となり、出発ゲートに行ってみると、飛行機が遅れるという。その代わり、昼食サービスがあるらしい。案内の係員の後に、続く。と、空港内の建物からでて、外に待たせてあるバスへ案内される。なんと入国手続きなど一切せず、バスで市内のホテルにつれて行ってもらい、そこで昼食のサービスとなった。思わぬところで、市内観光ができた。
市内は、車道は舗装してあるが、歩道は土のままのところが多く、ほこりっぽい。ごみもあちこちに散乱している。車は、我先にとクラクションを鳴らして、突っ込んで行く。カトマンズに似た雰囲気である。
それにしても、日本の車が目立つ。トヨタのハイエースは、乗合タクシーとして、利用されているようだ。
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アジスアベバ市内風景 | 果物は豊富のよう |
ホテルは、芝生も手入れが行き届いており、町の雰囲気と一変する。おそらく、最高級に近いホテルだったのだろう。
食堂の入り口に、インターネット接続サービスのオフィスがある。料金を聞いてみると、メール一通送るのに1ドル、インターネット利用が4分で1ドルとのこと。
食堂に入るのに時間待ちがあるとのことなので、とりあえず、家にメールを一通送ることにする。アドレスを何度も確かめて、OKしたところで、食堂に案内される。後は送っておいてね。。。と1ドル払う。
食事は、バイキング方式で、一見すると美味しそうだったが、味付けが口に合わない。ミートボールかミンチカツかみたいな食べ物はカスカスだ。仕方ない。
食後、まだ、時間がありそうなので、再び、インターネット接続サービスを利用する。今度は、囲炉裏への書込に挑戦。トップページは文字化け。村民掲示板にログインすると・・なんとちゃんと日本語表示ができているではないか。しかし、日本語は読めるけど、日本語入力の仕方がわからない。タブン、FEPなど搭載してないだろう・・・と試行することなく、ローマ字で書き込みする。
このように、アジスアベバで時間を過ごし、バンコク行きの飛行機に乗る。再び、長ーい空の旅である。遅れた都合で自由席になったということ。好きなところに座る。
途中インドのボンベイを経由して、バンコクに到着。東京組は、乗り継ぎ便が先に出発したらしい。関西組は、6時間の待ち合わせが2時間半になっただけ。バンコクで使う予定のビール代を使わなくて済みそうだ。
東京組は、どうしてもその日に帰りたいなら、自費で8万円ほど払えば帰れるらしい。一人30台女性のみ、翌日から仕事があるということで、泣く泣く自腹で帰ることにしたようだ。
残りのメンバーは、一応60才オーバーのリタイヤ組み。一日、バンコク市内観光ができることになった。
バンコクからの飛行機は、JAL・タイ航空の共同運行便。日本語が使える。
寝たり、報告を書いたりしながら、時間を潰す。
乱気流域を回避したことから、予定より30分遅れたが、午後5時関空に着陸。
振り返ると、あっというまに、休暇が、キリマンジャロが終わってしまった。
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