シュレック

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監督アンドリュー・アダムソン
ヴィッキー・ジェンソン
原作ウィリアム・ステイグ
脚本テッド・エリオット&テリー・ロッシオ
ジョー・スティルマン
ロジャー・S・H・シュルマン
音楽ハリー・グレグソン・ウィリアムス
ジョン・パウエル
製作アーロン・ワーナー
ジョン・H・ウィリアムス
ジェフリー・カッツェンバーグ
声の出演
マイク・マイヤーズ/濱田雅功(シュレック)
エディ・マーフィー/山寺宏一(ドンキー)
キャメロン・ディアス/藤原紀香(フィオナ姫)
ジョン・リスゴー/伊武雅刀(ファークアード卿)
ヴァンサン・カッセル/王様(ロビン・フッド)
公式サイト(日本語)
http://www.shrek.jp/

 人間たちと童話の登場人物たちがともに暮らす世界。世界を完璧にわが物にしようという望みを抱いたファークアード卿は、手始めに王国全土の童話の登場人物たちを次々と追い出し始めた。住処を失った彼らが大挙して押し寄せたのは人里離れた沼地。だがそこは、人々から恐れられる怪物、シュレックの住処でもあったのだ。他人とつきあうことを極度に嫌い、人の通わない昏い沼地で一人静かに暮らしていたシュレック、いきなりのこの大騒ぎに堪忍袋の緒も切れて、直接ファークアード卿の許に乗り込んで、童話世界のキャラクターたちのための場所を確保させようとするのだが、どういう訳だか完璧な王国を目指すファークアード卿の次の目標、"完璧なお后"の獲得のため、ドラゴンに守られた荒城に幽閉されるフィオナ姫を救出することになってしまう。頼まれもしないのに点いてくる人語を話すロバ、ドンキーとシュレックの珍道中が始まった………。

 話題の全編フルCGIによるコミカルファンタジー・アニメーション。技術的な部分ってことだと、どうしてもファイナルファンタジーとの比較、ってのは避けて通れないのかな。はなはださらりとした比較になるけれどこの二つの映画、技術の"量"においては同等、"質"においてはシュレックの圧勝ってことになりそうだ。つぎ込まれている技術レベルというのはどちらもまことに高いのだけれど、技術をどう使うのか、使いどころとそのさじ加減において、今のところまだゲーム屋は映画屋にかなわないのかなあ、という感想を持ってしまった。

 その機械的な制約から、どうしてもディフォルメを効かせたキャラクタを使用せざるを得なかった物が、技術の進歩でどんどんスーパーリアルな映像表現が可能になってきた、という流れの中にいたゲーム屋的感性というのは、多分必要以上に「まるで映画のような」という言葉に敏感になっているのだろうと思う。逆に映画屋的感性というのは、CGIをスーパーリアルなもの可能な技術、という風に捉えている、ということか。ゲーム屋がディフォルメからリアルを目指すなら、映画屋はリアルからディフォルメを表現しようとした、と言えるんじゃないだろうか。

 おそらくこの映画だって、フィオナ姫はもっとリアルに美しい女性にできただろうし、シュレックの造形だってもっとディティルに凝ったものが作れていただろうと思う。でもそれじゃあCGIでやる意味がない。その辺のことをスタッフはしっかり判っていたんだろうな。リアルとディフォルメをシームレスに映像で表現可能なCGIという技術があったとき、んじゃこれで何やろう?そりゃもう、ディフォルメの効いたおとぎ話だろう。そんな流れから出来上がってきた映画なんだろうと思う。だからこの映画、無理がない。ここがいい。無理なく、でもフィオナ姫のドレスのクロスシミュレートとか、草むらを踏みしだいて歩いていく表現とか、よく見ると大変なことをさりげなくやっているのだけれどもね。でもそこで、「そんなのやって当たり前でしょ」ってしれっとしてみせるあたりが、映画屋の余裕なのかな。

 ディフォルメされたおとぎ話だから、ブラックな要素だって入れ放題で、ここでご家族向け信用銘柄であるディズニー製のおとぎ話アニメともまたちょっと違ったおもしろさがでてて、そこも楽しい。いろいろ笑えるネタがあるからこの辺は自分で確認してみて。ディズニー=アンパンマン、シュレック=クレヨンしんちゃん、って感じかな(そこまでは行かないか)。

 ごくごくシンプルに、今風なスピード感やギャグセンスを詰め込んだおとぎ話ってことで、気楽に楽しめる作品になっている。オレは吹き替え版を観たのだけど、日本語版の声優さんたちもそんなに悪くなかった。絶対だめだろう、と思ってた藤原紀香が案外いい感じだったのは意外だったな。逆にいいかも、と思っていたハマちゃんがちょっと良くなかった。シュレックにしては少々線が細いのだな。ここは西川のりおあたりにやってもらった方が良かったんじゃないだろうか。顔も似てるしさ(^^;)。

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