「順列都市」

表紙

グレッグ・イーガン 著/山岸真 訳
カバーイラスト 小阪淳
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワSF文庫
ISBN4-15-011289-4 \620(税別)
ISBN4-15-011290-8 \620(税別)

 21世紀の半ば、人類は自らの人格を"コピー"として電脳空間に生存させる技術を確立、擬似的ではあるが"不死"が実現したかにみえていた。だが、突き詰めれば擬似的なデータの集合体でしかない"コピー"以上にリアルな"不死"を実現しようとしたとき、想像もつかない事態が引き起こされて………

 「宇宙消滅」でワタシめの小さな脳味噌をかろころがんがんと揺さぶってくださったイーガンさんのこれまた強力なSF作品。この方の作品はこれまでの"ハードSF"てえ括りともちょっと違うところにあるような気がして、なかなか興味深いところではあります。一時「SFのSはスペキュレイティヴ(思索)のSだ」なんてことを声高に主張する向きもいて、わたしゃ基本的に「そんなに構えんでもええやないの」などと思ってたりするわけですが(^^;)、しかしながらイーガン作品ってのは、もしかしたらこの「思索SF」ってジャンルに分類されるべきモノなのかもしれませんね。「思考のアクロバット」ってヤツですか。

 セル・オートマトンの理論に基づいて創り出された人造の宇宙、"オートヴァース"内で実験される"生命"発生のシミュレーション、コピー人格と"リアル"人格の対話による思考実験、他人が創造した電脳空間に潜んで生活する底辺の"コピー"人格、エトセトラ、エトセトラ………。アクロバティックなSF的思考が売りのイーガン作品の面目躍如、というべき作品、なんですが………

 わ、わからん(爆)

 いや、なんかスゴいことが語られてるらしいのはなんとなくわかるんですよ。でもね、オレ、基本的にバカなのね(^^;)。ワタシの頭では理解できないことが続くもんで、読むのが結構しんどかったりしてねえ(^^;)。

 「宇宙消失」は思いっきり楽しく読めたんですが、今回はワタシには敷居高すぎっす(^^;)。オレより頭のいい人はぜひ、読んでみてください。たぶん少なくとも日本に1億人はいてはると思うから(苦笑)

99/11/1

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