さすらいエマノン

梶尾真治 著
イラストレーション 鶴田謙二
カバーデザイン 神崎夢現(海老原秀幸)
徳間デュアル文庫
ISBN4-19-905037-X \562(税別)

 生命誕生の時から、今現在に至るまでの全ての記憶を引き継いで生きる少女、エマノン。ほとんど地球と同じだけの記憶を持った彼女の行くところ、ひとのこころのうつろい、地球とその生命全ての意志が、つかの間鮮やかに描き出される………

 梶尾真治が生んだ、日本SF史上屈指のヒロイン、エマノンの連作短編集第二弾。「おもいでエマノン」が、人の心を丁寧にときほぐし、心の真実を描き出すお話が集まっていたとするなら、こちらは、人も含めた、地球の生命系全体のやさしさとか、悲しみのようなモノに積極的に支線を定めた作品集って感じがする。その分、エマノンが狂言迴し的な役所を演じることが多くなって、彼女の魅力に存分に触れられなかった恨みはちょっぴりあるかも。でもやっぱり彼女はすてきです

 たびたび申し上げておりますが、オジサン最近とみにジュブナイルに弱くってねえ。そういう意味じゃあこいつもツボ直撃なのよ(^^;)。ああ、こういうの、昔読んだよなあ、と。もうそれだけでなんだか幸せな気分になってしまうんですわ。その分、差し引いといてくださいね、ととりあえず言っておいて………、スゴくいいから、読んでみれ

01/2/28

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