Anything Box


*'02 Favorite Albums
1. Come Away with Me (Norah Jones)
2. Anon (Boo Hewerdine)
3. Driftwood (Eddi Reader)
4. Phunk Shui (John Oates)
5. Cobblestone Runway (Ron Sexsmith)
 以下特に順番無し:
・Up (Peter Gabriel)
・Songs from the Gutter (Thea Gilmore)
・The Herethereafter (Miranda Lee Richards)
・Demolition (Ryan Adams)
・C'mon, C'mon (Sheryl Crow)

*番外
*今年印象に残ったライブ

今年は買った枚数はそこそこあるものの、仕事の方が忙しすぎてあまりちゃんと聞けてないものばかりです。なんで駆け足で聞き直して考えたコメントばかりですが、とにかく書いてみます。

1. Come Away with Me (Norah Jones)
イントロを聞いた瞬間に耳を奪われる冒頭のDon't Know Whyは別として、他の曲での歌声は一聴しただけでは淡白にも感じられて、すっと通り過ぎていってしまうかもしれない。しかし、静かななかにもしっかりとした歌心があることに気づくと、このアルバムに対する接し方が変わってくる。
レーベルがブルーノートということもあってジャズに分類されることになっているが、その音楽性はフォーク、カントリー、ポップスともクロスオーバーしていて、スタンダード曲のカバーが多いものの、シンガーソングライターの系譜に近いものがある。ソングライティングはまだ発展途上のようだが、歌に関しては既にスタイルが出来上がっている。
今年早速実現した来日公演ではエモーショナルな歌い方が出来ることも示してくれたし、今後にも期待できる。
ベスト・トラック:Don't Know Why、だがライブで特に印象的だったOne Flight Downも捨て難い

2. Anon (Boo Hewerdine)
Booの透明感溢れるボーカルが、これまで以上にシンプルな演奏に乗ってよく映える。短い曲が多いが、ライブで演奏しているように語りかけるかのようなBooのボーカルが心地よいです。これはBooの最高傑作でしょう。こんなにも実力のあるアーティストをサポートに回してしまうEddiの凄さもあらためて実感出来ます。Gary Clark, Ricky Rossとのジョイントコンサートもホント良かったです。
いかにも手作りといった感じの裏ジャケットが波打ってる点は減点ポイント :-(
ベスト・トラック:Extras

3. Driftwood (Eddi Reader)
昨年のSimple Soulに収録されなかった「余り物」を寄せ集めた、という見方もできるアルバムだが、それで終わらないところがEddiならでは。アルバムとしてのまとまりはSimple Soulに譲るが、じっくりと聴きたい味わい深い曲が多い。構成的には昨年発売されたオリジナル版の方が勝っていると思うが、国内版にボーナスで収録された昨年の来日公演からのライブトラックも貴重。素晴らしかった来日公演と合わせ、個人的には並ぶもののいない今年のMVP。
ベスト・トラック:Wasting Time

4. Phunk Shui (John Oates)
Hall & Oatesとしての新作こそまたお預けとなってしまったものの、今年は二人での来日に加え、Johnのこのソロアルバムのリリースとそれに伴う単独来日なんてのもあって、Hall & Oatesファンとしては久し振りに話題が豊富な一年で嬉しかった。
このアルバムは、世間一般にまかり通る”もう一人の人”という認識が明らかに間違いで、Johnが確かな実力と魅力を持ったアーティストであることを示してくれた。収録曲にはJohnの持ち味であるメロウな面とファンキーな面がほどよく出ていて、Johnの音楽的ルーツも垣間見ることができる。
Hall & Oatesの音楽でのJohnの貢献ぶりがはっきりと認識でき、Hall & OatesはJohn抜きにはHall & Oates足り得ないことが理解できる快作。
ベスト・トラック:Little Angel

5. Cobblestone Runway (Ron Sexsmith)
一曲目を聞いてまた素朴路線に戻ったかと思わせるが、2曲目(まるでGeorge MichaelのWaiting for That Day!)を始めとして、バックトラックの結構軽快な音が楽しい。今回のプロデューサーで去年のLeona Naessのアルバムのプロデュースも務めたMartin Terefeとの相性の良さを感じさせる。ピアノを基調としたしっとり聴かせるナンバーも収められており、構成的にも緩急がついていて飽きさせない。前作をも超える傑作でしょう。
来日公演も良かったし、その時に売ってた「遊びで作った」CDも面白かった。
ベスト・トラック:Gold in Them Hills

以下特に順番無し:
・Up (Peter Gabriel)
1曲目を聴いてまた大袈裟な曲調に回帰したかな?と思ったものの、曲が進むに連れて静かで諦念の情を感じさせる曲が多いのに驚いた。インタビューによると、「死」を意識したアルバムということで納得。"So"に収録のWe Do What We're Toldの続編みたいな曲もあって、ちょっと地味過ぎる気もするけれど、これはこれでらしい音だと思う。シングル曲には感心できないけど。
ベスト・トラック:Sky Blue

・Songs from the Gutter (Thea Gilmore)
12月も中旬になってから届いたのでまだあまり聞き込めていないのだけど、ボーナスディスク付きの2枚組(※オフィシャル・サイトで購入した場合のみ)をプロパーなアルバムではないと言い切ってしまうところが頼もしい。この人のアルバムに外れはありません。ライブが見たい。
ベスト・トラック:(現時点では選べません)

・The Herethereafter (Miranda Lee Richards)
いかにもジャケット勝負!って感じで、CD店でのコメントのチープさもあって最初敬遠してたものの、聴いてみると意外としっかりした歌声(SundaysのHarrietとEdie Brickellの中間くらいかなと思う)と、華やかなシングル曲とは大きく趣を異にするいくぶんダークな曲が並んでて、面白い。
ベスト・トラック:I Know What It's Like

・Demolition (Ryan Adams)
評価の高いGoldよりはこちらの方を。ラフでシンプルな作りの曲が多いが、その分勢いのあるナンバーや、聴かせる力を持つナンバーが並んでいる。
今年はイベントで生で見たが、その音楽から受ける印象とは大きく違うワイルドでクレイジー路線のライブパフォーマンスにはびっくりさせられた。
ベスト・トラック:She Wants to Play Hearts

・C'mon, C'mon (Sheryl Crow)
待望の新作でロック度の高いアクティブなサウンドが軸となってはいるが、アルバムとしての統一感は前2作と比べて希薄で、物足りない。それでもSteve McQueenやSafe & Soundなどを含んでバラエティに富んだ前半は十分に楽しめるし、Sherylのキャリア中でも屈指の傑作と言えるWeather Channelが入っているというだけで、買う価値があると言える。
ベスト・トラック:Weather Channel

*番外
・Ultimate Collection (Edie Brickell & New Bohemians)
なぜか唐突に発売された”ベスト盤”だが、まったくベスト盤らしい選曲になっていないのが興味深い。Edieの好みを反映した選曲ということでしょうか。近年聞くことのなかったEdieらしさの溢れる新曲が収録されているのがなんといっても嬉しい。

*今年印象に残ったライブ
1. Eddi Reader (3/19@ラフォーレミュージアム六本木)
2. Eddi Reader (12/23@King Tut's Wah Wah Hut)
3. Eddi Reader (3/20@ラフォーレミュージアム六本木)

要は、Eddiがダントツ過ぎたということです。あとは順番つけられません:
David Byrne (2/5, 6@渋谷クラブクアトロ)
Sheryl Crow (10/26@宗像ユリックスホール)
Paul Heaton (7/25, 26@ULU)
Daryl Hall John Oates (4/14@渋谷公会堂)
Boo Hewerdine, Gary Clark & Ricky Ross (5/19, 20@吉祥寺スターパインズカフェ)
・Norah Jones (9/7@東京国際フォーラムホールC)
Mark Nevin (7/24@Minx Club)
って、ほとんど全部なんですけど(笑)。


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