David Byrne ('02/2/5@東京・渋谷クラブクアトロ)
10年振りとなるDavid Byrneの来日公演の東京初日に行ってきました。前回はソロ2作目のUh-ohに伴うツアーで、その後アルバムが2枚リリースされてヨーロッパまでは回ったものの、日本には来てくれてなかったので待望の来日となりました。"Feelings"リリース後の'97のツアーとか、去年の夏のツアーとか、行こうと画策したことはあったものの日程があわず見に行けなかったし、一昨年のStop Making Senseの再上映の際にも来日してくれなかったので、、、私にとってはたしか'93の秋?にライブビデオ、Between the Teethの”発売記念”(日本で実際に発売されたのはその1年後、、、)特別上映会(これ当日の新聞に告知が載ってて、なにはさておき会社を早く抜け出して見に行きました)で舞台挨拶で来たときに見て以来となります。
※Between the TeethはStop Making Senseに匹敵する力作です
ソロでのレパートリーも増えたし、今回のツアーはいろんな曲が演奏されるんだろうなぁと思っていましたが、ある意味予想以上、ある意味絞った選曲となりました。バンドはDavidの他にベース、パーカッション、ドラムスの3人が基本メンバーで、それに6人のストリングス隊(男性二人、女性4人、うち二人は美人 - Drew Barrymore似とUma Thurman似、、、)が加わる形となってました。セットリストはだいたい次のような感じです:
1. A Soft Seduction
2. Nothing But Flowers
3. God's Child(Selenaとデュエットした曲)
4. Broken Things
5. And She Was
6. Once in A Lifetime
7. The Great Intoxication
8. Marching Through the Wilderness
9. The Revolution
10. Sax And Violins
11. Dura Europus(The Forestより)
12. This Must Be the Place (Naive Melody)
13. What A Day That Was
14. Desconocido Soy
15. Like Humans Do
16. U.B.Jesus
17. Life During Wartime
(Encore 1)
18. I Wanna Dance with Somebody(Whitney Houstonのカバー)
(Encore 2)
19. The Other Side of This Life(新しいミュージカル用の未発表新曲)
20. Underground(映画Undergroundのタイトル曲?)
21. The Accident
(Encore 3)
22. The Moment of Conception
最前列ステージほぼ中央(Davidの目の前)で開演を待っていると、ほぼ定刻通りに本人が最初に登場(普通あまりないことだけど、David Byrneにとってはこれが普通、、)、続いてベース、パーカッションが登場して演奏が始まり、途中でドラムスも加わりました。作業着みたいな衣装に身を包んだDavidは、髪が真っ白でさすがに年とったなという感じですが、その表情や歌声には精気がみなぎっていました。自分のいた場所はあまりに前過ぎたために、Davidのギターは弦を指でつま弾く音しか聞こえなかった(笑)のですが、かなり身の入った演奏を聞かせてくれていたと思います。
2曲目にいきなりTalking HeadsのラストアルバムからNothing But Flowersが演奏され、2曲おいてTalking Heads時代の代表曲2曲が立て続けに演奏されていきなりハイライト状態。やはりTalking Heads時代からのファンが多いと見えて、前の方はAnd She Wasの"Hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey 〜"のコーラスは完璧でした。7曲目からはストリングス隊が加わり、最後までそのままの編成での演奏となりましたが、大所帯でラテン・サウンドを聞かせてくれた前回のツアーとはやはりだいぶ違う雰囲気で、選曲もそれに合わせてか、Mr.Jonesとかラテン的なサウンドの曲は演奏されず、The Forestに収録のDura Europusとか、ストリングスを活かせるような曲が多かったと思います(新作でもストリングスがかなり活躍してるし)。前作以前のソロアルバムからはほとんど演奏されなかったのも少し意外でした(海外のツアーではBuck Nakedとか演奏していたらしい)。とはいえ、静かな演奏が続いたという意味ではなく、Life During WartimeとかTalking Heads時代の曲ではエッジの立ったバイオリンの音色がアクセントになっていたし、パーカッション、ドラムス、ベースのリズムセクションが強力で、終始ファンキーでダンサブルな演奏でした(特にパーカッションがエネルギッシュな演奏で良かった)。I Wanna Dance with Somebodyは、Davidの歌自体は結構ストレートなカバーでしたが、パーカッションやストリングスが加わって原曲とは全然違う雰囲気になってました。観客には熱狂的なファンが多かったと見え、見渡す限りの人達が演奏中は積極的に体を動かし、演奏後は大声援で応えていました。This Must Be the Placeの演奏後なんか、あまりの歓声&拍手(歓声のウェーブが何回もあった)に演奏が出来ないくらいでした。これにはDavid達も御機嫌だったようで、コンサート中終始笑顔が見られたし、David独特の動きもたっぷりと見せてくれ、Stop Making Senseで見慣れた、ステージ上(同じ場所)で”走る”場面とか、Once in A Lifetimeでは頭を後方に大きく振る場面とか、頭をカクカクさせる動きとかもありました。結構MCをしてたと思いますが、観客の声援に応えて演奏後に小声で何回も"Thank you"とか「どうも」といってたところに、実はシャイなDavidの人柄がかいまみえます(アンコールで握手を求めて手を出した時にはにかんだような笑顔も見られた)。
アンコールが3回で2時間強もありましたが、海外のツアーのレビューとか見てもこんなことはなかったようで、Life During Wartimeなんて、海外ではほとんど演奏されたことがないようです。曲順自体日本向けの特別仕様だったみたいですが、観客の極めて良好な反応もあってこれまで演奏しなかったような曲(18, 19とか)もやってくれたみたいです。私自身こんなに声を出したコンサートは久し振り('98のHall & Oates@House of Blues Orlando以来?)。Talking Heads時代のソロアルバムは実は1枚も持ってないために結構わからない曲もありましたが、全部買う決心がついた、とても楽しく充実したコンサートでした。右手後方の椅子席にはピーター・バラカン氏の姿も見え、テレビカメラも入っていたので、きっとPeter Barakan Showでそのうち放送されることでしょう。
今日も(Natalie Merchantあきらめて)見に行きますが、今日はもうちょっと後ろの、音がちゃんと聞こえる位置で見ようかな。
Homeに戻る