STEP−3(みんなと走るために…)


普段一人で走っていても、そのうちに仲間が増えて数人で走ることもあるでしょう。

 それに、大会(サイクリング大会やロードレースなど)に出場すると、多かれ少なかれ集団で走ることとなります。 「俺は一匹狼だから、集団には入らねえ…」なんて言わずに、集団走行を経験してみましょう。 集団走行は、ロードレースの醍醐味の一つでもあるんです。 仲間がいて、みんなの思いが一致して助け合うことができれば、個人では到底無理と思えるくらいの信じられない力を出すこともできるんです!

さあ、一緒に走りましょう!!

ここでは、集団走行のコツやマナーなどを紹介していきます。

 1)集団走行のコツとマナー

仲間同士や思惑が一致した集団で力を合わせる場合の基本です


      急ブレーキをかけない     

 言うまでもありませんが、集団内での急ブレーキは危険です。 急ブレーキをかけてみんなに迷惑をかけないように、目の前の人ではなくてもう一つ先を見るようにしましょう。


        急な進路変更をしない     

 危険物を発見した場合などでのサッと避ける進路変更も危険です。 程度にもよりますが、そのまま乗り越えても大丈夫と判断したならば、真っ直ぐ走り抜けましょう。 それよりも、より早く危険物を発見するほうが重要です。 後ろに合図を出して安全に回避できるように、一つ先を見るようにしましょう。


 先頭交代での急加速をしない

 集団走行の最大の利点の一つに空気抵抗の軽減がありますが、人の後ろに付くと楽で力が余っているので、イザ先頭に立った時に急加速で前を引いてしまう人がよくいます。 先頭に立つ時には前の人を追い越すのではなくて、前の人が下がってくるのを待つような感じで交代します。 先頭の人も左に寄って後ろに下がる場合、交代しやすいように少しスピードを落としてやります。 ただスピードを落とし過ぎると急ブレーキをかけた状態と同じになってしまうので程々に。

 集団のスピードが速くなったり遅くなったりしたら、かえって疲れてしまって全体のスピードが落ちてしまいます。 一定ペースをキープするのを心がけて走るようにすると苦労しないでも自然と全体のペースが上がっていくものです。


            頑張りすぎない          

 集団走行に不慣れな人に多いのですが、先頭に出ると思わず頑張ってしまう人が多いようです。 先にも言ったスピードを上げ過ぎてしまうのもそうですが、頑張って長く引きすぎるのも良くありません。 リズムよく先頭交代を繰り返す利点の一つに、前後のメンバーとのコミュニケーションが取れることが挙げられます。 先頭を固定して走っていると後ろの状況が見れないので、集団の後ろの方がどうなっているのかわかりません。 このスピードでいいのか?速いのか?遅いのか?後ろでトラブルは無いか?等々… リズムよく先頭交代して後ろに下がることによって初めて全体の状況がわかるのです。


            割り込みしない          

 当たり前のことですが、割り込みはイケマセン! 集団での割り込みでもそうですが、自分でも意外と気が付かないのがコーナーでの割り込みです。 自分勝手なラインで走っては落車を誘発してしまいます。 自分では普通に走っているつもりでも周りが見えていない場合がよくあるのでお気をつけて!

 安全上どうしても割り込みしなければならない場合もあるので、そんな時には片手を上げて挨拶くらいはしましょう。 (片手を離せなかったら「ゴメン!」と一言!)

       集団走行で一番大切なことは、相手に対する思いやりです      

 2)手信号について

安全・スムースに走行するために、各自手信号を覚えて必ず実行してください。

 地域やクラブなどで若干違う場合もありますが、大きくは変わらないので、ここでは一般的に通用する手信号を紹介します。 (相手が車でも大抵は通用します)


             止まれ           

 信号や一旦停止などで止まる場合は後の人に見えるように「パー」を出して「止まりますよ!」という意思表示を出します。

 その場合、手の位置はどこでもかまいませんが、一般的に手を下に下ろした位置(←左写真)か、オシリか背中の位置(右写真)に出します。

 手を下に下ろした位置(左写真)は減速のときにも使うので、確実に止まる場合にはオシリか背中の位置に出した方が的確でしょう。
                   (→右写真)

 


             曲がる           

 交差点や急なカーブなどでは曲がる方向に手を出します。

 曲がる方向(進行方向)に指を指してもかまいません。(左写真)

 なぜなら交差点には曖昧な変則的な所もあるので、そうゆうときには明確に指差した方がいいかもしれません。

 ただ、急カーブが迫っていて手信号を出すことによって自分の身の危険が増すような場合は無理に出す必要はありません。

 そんな時には「左!」とか「右!」とか声を出しましょう。
 簡単なことです!


         危険物発見!      

 危険物を発見した時にも後ろに教えます。 道路にできた穴だったり、踏んだらヤバそうな物を発見した場合にはその物を指差して教えます。

 その場合、例えば落ちたら致命傷になりそうな穴だったら大声で「あな!」と叫びましょう!
 (でもあんまり大声だとビックリするので程々に)

 路上駐車や歩行者が左側(日本は左側通行なので)にいる場合などは、左手で右に寄れと合図を出します。

 もっと後方の人や車にも知らせたい場合には、
右手で大きなアクションを使って知らせます。(←左写真)

その他、前方で何かあったとき、
後方にわかるように何しろ手を上げます。(右写真→)

 自分が何かトラブルに遭遇したときにも同じく手を上げます。
(例えばパンクだったら手を上げて「パンク!」と叫びます)

 後方から車が来ているのを知らせる場合には
後ろから前の人に「くるま!」と叫びます。

 このときもあんまり大声を出すとビックリするので、前の人にわかる程度の声で十分です。

そして、後ろから前の方に順々に教えていけばイイのです。


          先頭交代         

 集団の先頭にいて後ろの人と交代する場合にも合図を出します。

右手で「追い越してくれ…」というような感じです。

 集団のスピードが上がっているときなど、

片手を放すと危険な場合には肘で合図を出す場合もあります。

どちらにしろ明確にわかりやすく合図を出しましょう。

ちなみに先頭交代をすると2列になるので

道幅が狭い所や交通量が多い道での先頭交代は一旦止めたほうがいいですね。


       手信号の最大の目的は何と言っても安全第一です      

 交通ルールは必ず守ってください。

信号を守るのはモチロンのこと、

一旦停止、左側通行、安全確認、等々…

自転車は車や歩行者と共に使用する道路を共有しています。

 心無い車の運転者にあおられることもありますが、

自分たちも歩道を通る時、歩行者をあおってないでしょうか?

歩道では歩行者優先です。

仕方なく歩道を走り、歩行者とすれ違う場合には

自転車を止めて歩行者を先に行かせるくらいの余裕を持ちましょう。

どうしても横をすり抜ける場合には「すいません」の一言を!

それがイヤなら車道の左側を走るべきです。

一人一人が交通ルールを守って安全に走ることが今後の自転車の発展につながると思います。

あなたも見られていることをお忘れなく!


   「STEP-4」 山へ行こう!へ つづく   

■ RR  ・ ADVICE ■