STEP−2(走る!曲がる!止まる!)



走り出したら道は真っ直ぐではありません。

そうです、曲がらなくてはなりません。

そして、いつかは止まらなくてはなりません。

ここでは自転車をコントロールして、安全に走るためのテクニック(ヒント)を紹介します。


 1)コーナーリングの基本

STEP-1で真っ直ぐ走るコツを教えました。

真っ直ぐ走るコツがわかったら当然曲がるコツです。

肝心なのは二つ。 それは、スピードコントロール目線です。

 スピードコントロールについては次項の「ブレーキングの基本」で触れるので、

まずは目線についてです。

コーナーを曲がる最大のコツは、ズバリ! 行きたい方を見る! コレに限ります!!

 初心者がうまくコーナーを曲がれない原因の大多数は、行きたい方を見ていない…

すなわち、ヤバイッ!って感じた(コケそうな)(突っ込みそうな)時、

そのヤバイ方向を見てしまっているのです。

 大きな穴があったり、コーナー外側がガケだったりして、あっちに行ったらヤバイ!

…と思って見た瞬間にそのヤバイ方向に吸い込まれるように行ってしまう…

という経験は無いでしょうか?

コレが不思議なもので見てしまった方向に自然と体が向いてしまうものなのです。

でもこのことを逆に利用してやればイイんです。

 
コーナーに入る時、

しっかりと行きたい(曲がりたい)方向を見続けながら曲がっていく。

そうすると、体も自然と向いてくれるので素直に曲がれるハズです。

体は自然体でイイんです。

よく「リーンウィズ」だ「リーンイン」だとか

物の本では色々なことを難しく言ってますが、

難しいことを無理に考えることはありません。

基本は自然体で無駄な力を入れず、

何しろ目線だけを注意して行きたい方を見る…

そうすると体も行きたい方向に行ってくれて

自然とフォームもできてくるものです。


 2)ブレーキングの基本

前項の「コーナーリングの基本」で肝心なのはスピードコントロール目線だと言いました。

では前項で触れなかったスピードコントロールとはどういうことなのか?

それは、自分が曲がれるスピードで曲がるということです。

当たり前のようだけどわかってない人が多い。

だからオーバースピードで曲がり切れずコケる人が多いんです。

スピードコントロール(減速)はモチロンブレーキによって行ないますが、

その前に皆さんはイザッ!という時に、ちゃんと止まれることができますか?

 ここで言う、ちゃんと止まると言うのは、

最短距離でタイヤを滑らせない(ロックしない)でキチッと安全に止まれる

…ということです。

ブレーキをかけるとき、どの位ブレーキをかければタイヤが滑り出すのかを

感覚でつかみながらコントロールすることができなければ、

ちゃんと止まることはできません。

ためしに停止線を決めて急ブレーキの練習をやってみてください。

これがやってみると(やらせてみると)意外と出来ない人が多すぎる。

たいていはタイヤをロックさせてしまうか、

止まれずに指定した停止線よりもはるか先でやっとこさ止まる…

ブレーキは力いっぱい握ってもダメだし、恐々握ってもダメ。

効率よくロック手前の感覚をつかんで

最短距離で止まるのを反復練習 によってマスターしておきましょう。

ちゃんと止まることができるようになれば、スピードコントロールもできるようになる。

 何かあってもちゃんと止まれる自信があれば、

安全にコントロールできる範囲が広がるので、

安心してスピードを出すことができるようになります。

 いちかばちかで突っ込んではダメです。

 いちかばちかでは本当に速くはなれません。


 3)ちゃんと止まるためのセッティング

ブレーキレバー

セッティングと言ってもブレーキレバーの引きしろを調整するだけです。  

 

この写真でわかるかなぁ?

初心者にありがちなブレーキのセッティングが右写真のPHOTO-Bの方。

 ブレーキレバーをチョッと引いただけでスグ、ブレーキがきくように引きしろをセッティングしてしまうと、スピードコントロールどころではなく、即タイヤをロックしやすくなってしまいます。

 正解は左写真のPHOTO-Aの方。

人差指と中指の関節の曲がりが90度前後なのがわかるでしょうか?

PHOTO-Bの指が伸び切った状態ではコントロールできません。

PHOTO-Aのようにレバーで指を挟まない程度の引きしろにするとコントロールしやすくなります。

 

 日頃からハンドルの下を持ったらブレーキレバーが遠くて… と思っている人は、引きしろを少なくPHOTO-Bのようにセッティングしている人が少なくないはずです。

 PHOTO-Aのようにコントロールできる手前の方でブレーキがかかり始めるように引きしろの遊びを多く取ってやると、最初はスグにブレーキがきかないので少し怖く感じるかもしれませんが、慣れてしまうと、「なーんだコレで良かったの!」ってな感じでブレーキングしやすくなります。

 


 「俺はハンドルの下は握らないし、ブレーキブラケットの上からしかブレーキかけないから、ぜーんぜん平気!平気!」 …なんて言っている人! たくさんいるんじゃない!!

 確かにブレーキブラケットを握って走る方が圧倒的に多いし楽なので、そのまま上からブレーキをかけがちで、普段はそれでいいのですが、イザッ!というときの厳しいハードブレーキングでは上からではコントロールできなくなります。
 それに、もしも落車!という場合になったときにも、ハンドルの下を持っていたほうがダメージが少なくて済みます。

 ハンドルの下は握らないという人は握らないのではなくて握れないのだと思います。

 練習の時から下りのコーナーに入る前等にはハンドルの下を握るように、普段から気をつけて慣れるようにしておきましょう。

普段から使わないと本当に使えなくなりますよ。

   「STEP-3」  みんなと走るためにへ つづく   

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