中小企業診断士(休止中)勉強日誌(2006年3月)

作成日: 2006-05-03
最終更新日:

頭の痛いWinny

ちょうどこの時期、 ファイル交換ソフト Winny による情報流出が大きな社会問題になった。 そこで、Winny のことを調べた。

Winnyとは

Winny は P2P 型(peer-to-peer)のファイル交換ソフト。 P2P 型のソフトは、Napster で爆発的に広まった。 そのあと、Napster 互換の WinMX を経て、Winny が登場した。 現在は Winny の後継として、Share(仮称)が広まっている。 そして、そのほかのP2P型ソフトも多く出てきている。 たとえば、Java で開発された LimeWire などがある。 これ以上探そうとすると、大変だ。

Winnyの特徴

Winny はファイル共有ソフトである。 特にファイル配布専用のサーバを立てる必要はなく、 キーワードを指定すれば、 勝手にファイルが他のコンピュータからコピーされる。 そして、自分がダウンロードしたファイルは、 今度は他人にコピーされる。これは、 特定のサーバーに負荷がかからない、ということである。

Winnyの問題点

今まで語られていた問題点は、 Winny はネットワークの帯域を食いつぶす、ということである。 ネットワーク上で無駄な情報移動が発生し、 ネットワークが混雑するのだ。

もう一つ、これが今重要な問題なのだが、 本来秘密とされるべきファイルで、共有すべきでないファイルが、 Winny を通じて流出し、外部にコピーされてしまうという問題である。

Winny そのものは、公開可のファイル置場にあるファイルのみを公開する。 しかし、Winny に感染するウイルスのため、 公開可のファイル置場以外からも、ファイルが外部にコピーされてしまう。 これが、大きな問題である。

Winny では、ファイルのコピー元はわからない。匿名性が高い。 また、一度コピーによる流出させたファイルを回収する手段はない。 これらの特徴(欠点)が、Winny による被害を大きくさせている。

Winny への対応

Winny へどう対応すればよいか。 一番よいのは、P2P ソフトを使わないことである。 私はそうしている。P2P を使ってまで、手に入れたいファイルがないからだ。

しかし、 P2P で多くの情報を無料で入手できる愉しみを知ってしまった人は多い。 このような人たちには、どのように接すればいいのだろうか。

ウイルス対策ソフトを入れましょう。これは正しい。 しかし、入れただけでは不十分だ。 まず、メンテナンスが正しくされていなければならない。 例えば、ウイルスのパターンファイルは時々更新されている。 これらを絶えず自分のパソコンに取り込むことが必要だ。

何よりも大事なのは、秘密のファイルと共有のファイルは、 別々のコンピュータで収めることであろう。

Winny をめぐる諸問題

まず、Winny そのものが、正常かつ便利なソフトなのか、 それとも欠陥品であり、回収根絶が必要なのか、 という議論がある。この議論も幅がある。 無条件可から無条件不可の間に、多くの論点が考えられる。

また、著作権に関する論点がある。 Winny の正常な(ウイルスに感染していない)使い方では、 ファイルを交換する(というより他者にコピーする)使い方である。 この場合、ファイル交換される内容は、著作権を持つ著作物である場合が多い。 すると、ファイルを交換することでどのような罪に問われるのか、 またそのような罪は妥当かつ適切か、議論されなければならない。

さらに、ウイルスに感染した Winny は、秘密情報流出防止の面から、 議論が必要である。組織である企業や官公庁、地方自治体などの情報を、 情報流出から守るにはどうすべきか。 情報の守るべき範囲をどのように定めるべきか。 考えるべきことは多い。(2006-05-03)


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MARUYAMA Satosi