企業診断を読む(2001年10月号)

作成日:2001-10-01
最終更新日:

特集 Web サイトビジネスの評価と活性化

Web ビジネスの将来展望

著者の寶田さんは、Web ビジネスが成功する秘訣をツタヤオンラインを例に述べている。 私はツタヤオンラインが何ものかよく知らない。ひょっとして、中小企業庁が広告主の、 ビジネス・ズームアップで取り上げられていた例だろうか。とすると、これは CD のことだろうか。 調べてみたら、そうだった。記事ではまるで商品への言及はなかった。 扱う商品の代表例に CD を入れてほしい。

ちなみに、このツタヤのサイト ( www.tsutaya.co.jp ) を訪問して、 検索に「フォーレ」と入れてみたら、CD は 4 枚しか出なかった。私がもっているフォーレの CD の 十分の一にも満たない。どうやら私はお呼びでないようだ。

それはそうとして、次にネットスーパーの事例が述べている。 ネットスーパーには多くの問題点があることを指摘した上で、 解決するための道筋として、 ネットスーパーは特に御用聞きビジネスとして発展すべきだと主張している。 昔の御用聞きはその家の情報を良く知っていて、 調達できる商品の中からお客さまに喜んでいただける解を提供していたと寶田さんはいう。

御用聞き、というのはなかなか難しい。昔と今とでは違う。 特にコンクリート長屋(=マンション)住まいで、隣との間でさえ関係を持たないようにする ところでは、押し売り的なコミュニケーションではお客さんの心は離れてしまう。 しかしだからこそ、殺伐とした世の中で御用聞きに心を通わせるということはあるかもしれない (洗濯屋ケンチャンみたいだなあ)。このあたりの感覚は商売のむずかしさであろう。

それから、地域顧客の個人情報を正確に把握することも難しい。寶田さんの例では、 子育て期の主婦に対しては無農薬・無添加の素材を使った献立を提供する、 高齢者世帯には無農薬素材で柔らかくカロリーの低い献立を提案する。 しかし、これはあくまで一般例である。無農薬・無添加の素材は一般に市販の素材より高い。 だから「うちは値段が高いのはいやだから無農薬じゃなくてもいいから安いのでいい」という 家庭もありだろう。これはまだましな例だ。 もっとわがままな客もいるはずだ。 「安くて無農薬で虫食いがなくてトマトのへたは取ってあってゴボウの皮は剥いてけさがけしてあって...」 という客がいるだろう。どこまで従えばいいのだろうか。

私の家の例を出そう。自家用車はないから、 近くのスーパーマーケットまでつれあいがいつも買いに出かける。 重くて困るのは米で、これは仕方がない。実は私の親の実家は米どころなので、 たまに米を送ってきてくれるのだが、もちろんそれだけでは足りない。 米屋が配達してくれればいいと思っている。 つれあいはこう言っている。 「前のアパートの大家さんは、 配達致しますという米屋があるといっていた。けれどそのときは商売を休んでいたし、 米屋だから精米するので 5 キロで買っても精米後では正味は 5 キロより減るという。 それに大家さんがその米屋を特に勧めていたわけでもない。 大家さんは近くの I というスーパーで買うと言っていた。 だから、その米屋で買う特別な理由はなくて、行きつけのスーパーで買うようになった。」 といっていた。それから、私の母が言っていた、 「米屋の米だってコシヒカリ 100 % というけれど、実際はまぜものがあるのよね」 というのも覚えていたから、安い米をスーパーで買うことにした、と言っていた。 後に、この米屋は商売を再開して、私たち2人もその店構えを見たけれど、 積極的に「買って下さい」というイメージが伝わる店ではなかった。 そのうち、その米屋の店鋪の半分がクリーニング屋の取次ぎ店になった。 ますます米を売る気はないのだなと私たちは判断した。 ほどなく米屋もクリ−ニング屋も潰れて、自然食品を売る店になった。

註:この自然食品を売る店も潰れ、別の自然食品を売る店が入ったがそれも短期間で潰れた。 そのあとラーメン屋が入ったが、半年足らずで潰れた。今はどこも入っていない。(2003-11-30)
さらにその後、別のラーメン屋が入っている(2004-05-16)。


連載 情報収集力アップの秘訣 --- Web での情報収集

この月の号は特集以外にも Web 関係の記事がある。その中で、この連載を見ることにした。

まず、ホームページの誤字の多さに驚かされる、とある。これは情報提供の「迅速性」 が特徴の一つ、と分析されている。これもあるだろう。迅速性とおおいに関係があるが、 執筆者が素人であることも要因であろう。また、編集者がいない、意識されないということも大きい。 書籍や雑誌の論考は、その道の訓練を重ねた方が執筆する。誤植を出さない、 校正は必ずきちんと行う、という方々が大半を占める。 だから、その道の人は、ウェブで出すときも誤字はめったにない。そのような姿勢だからだ。 裏を返せば、書籍・雑誌でもいいかげんな著者と編集者が作ったものは誤字・脱字の山である。

Web の匿名性にも触れられている。しかし、それは書籍でも雑誌でも新聞でも多かれ少なかれ 同じことである。書籍など、入門書の類いは「なんとか研究会」という、あるんだかないんだか わからないような名前が執筆者になっている。個人の名前は見えない。 雑誌もしかり。雑誌社だけがわかるような記事がほとんどではないか。新聞など、 新聞社の名前に寄り掛かっているだけである。Web の持つ固有の属性に匿名性を挙げるのは はなはだ疑問だ。 「ユーザーとしては、その情報が正しいか否かを見極める能力が必要となる」のは お説の通りである。しかし、Web にはウィルス感染の問題がある、というのはどうだろうか。 あとの例の話では Web からダウンロードしてきたファイルがあることを問題に している。これでは Web が悪者になるのがおかしい。ウィルスをもっているのはファイルであり、 Web ではない(まあ、最近のウィルスはブラウザとサーバーの組み合わせいかんでは 感染してしまうそうだが)。問題は、そのウィルスが広範囲にわたって配布されてしまうことである。

さて、そのあとでテルさんのコンサル日誌がある。

YAHOO で検索したら、診断士の人が作る受験生のためのサイトもけっこうある ようだけれど、内容が旧制度にしか対応してないのもあるし…。

わたしのページは YAHOO には診断士のページとしては登録されていない (フォーレのページでの登録)。 だから別に気にすることはないのだが、 旧制度にしか対応していない、というのは私のページもそうであるから、少し気にかかる。 釈明すると、旧制度でしか書いていない理由は、私がもう旧制度で合格してしまったからだ。 なんと身もふたもない結論であろうか。私も経済や助言制度などを勉強しなければ いけないと思ったことがあるにもかかわらず、こんな投げやりな姿勢でいるとは。

そのあとで、いろいろなサイトの紹介がされている。役に立つかもしれない。


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