企業診断を読む(2001年2月号)


作成日: 2001-02-01
最終更新日:

IT経営 キーワード&ニューワード

日本システムアナリスト協会が、1ページ枠でキーワードの解説枠を確保した。 今月号が最初の掲載になる。 ここのキーワードは IT 革命と情報リテラシである。こういったことばは bit 誌の 「bit 版悪魔の辞典」こそふさわしい。しかし、この悪魔の辞典は bit 誌に毎月掲載されるものの 単行本にはなっていない。おまけに、 bit 誌は今年 4 月に廃刊になるという噂である (後記:噂通り、今年4月に廃刊となった)。 IT 革命のあおりを食ったのが bit 誌であるという、皮肉な結果になった。

なお、私は、bit 誌を 1988 年から 1998 年まで、毎月購読していた。

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私が感心したのは、「勝ち組中小企業の営業戦略」と題された記事だった。 筆者は「パーク 24 」という企業の経営者である。 「パーク 24 」のような、時間貸しの駐車場が最近増えている。 なるほど、これだけ多くなっている理由の一つに、 こうした綿密な営業戦略や営業戦術があるのだということがわかる。

なお、「勝ち組」、「負け組」ということばは私は好きになれない。 ブラジル移民の「勝ち組」対「負け組」の抗争を思い出してしまうからだ。

業種別 中小商業・サービス業の生き残り戦略 第10回 家電小売店

最近家電小売店に行くことが少なくなった。電球を買いに行っていた小さな店が引っ越しで遠くなった。 引っ越し後の一番近い店は、大きなスーパーと小さなコンビニエンスストアである。 どちらか一方にいけば済んでしまう。

さて、私の実家ではこの記事にぴったりのような家電小売店が出入りしている。 もう20年の付き合いだろう。しかし、実家の者はもうこの店とは縁を切ろうかと思っている。 理由はこうだ。実家のあたりでケーブルテレビ加入のお知らせがあった。しかし、 様々な理由でケーブルテレビには入らなかった。そのため、アンテナを新しく立てた。 そのアンテナ設置を出入りの店に頼んだ。そのための出費が市価の2倍という法外な値段だったという。 小売店が厳しいのもわかる。しかし、分相応の振る舞いをしないと、 客は離れ、大型店に向かってしまうだろう。

21 世紀に求められる IT コンサルタント像

私はとりあえず、情報技術でメシを食っている。だから、このような標題をもつ論考 (この号では「視点」というくくりであった)は、他の記事を後に回しても読むべきであろう。 しかし、なぜ私は読む気がしなかった。どうしてかというと、私の資質に問題があるからだろう。 以下、私の恥ずかしい体験を記す。

IT を活用した成功例に「アスクル(株)」があることは知られている。 この「知られている」ということばが曲者だ。私の勤務先にも、アスクルによる注文の文具が 頻繁に届けられる。事務用品調達担当者には、文字どおり「明日来る」で評判がいい。 なぜ IT を推進する部場で文房具がいるのかという疑問はさておき、 わたし自身はアスクルを利用していない。 これがあるきっかけで露になった。

私はつれあいと二人でコンクリート長屋(集合住宅ともいう)に住んでいる。 何の因果か私が理事をやるはめになってしまって、 おまけに長屋の集会室の備品をそろえる役になってしまった。 今は何もないのでまずは会議机と折り畳み椅子を買う必要がある。 出入りの管理業者から見積もってもらったが、よそで見積もってそちらで購入していいという。 つれあいは他の見積先を私に訊ねた。私は「それならアスクルというのがある」と偉そうに答えた。 するとつれあいは「じゃあそのアスクルとやらで見積をとって」と私に頼んだ。 私は慌てた。アスクルのホームページさえ見たことがなかったのだ。 しかし、今となってはおそい。知ったふうにふるまう必要がある。 この手の商売は URL が命に違いない。 http://www.askul.co.jp/ という名前であるに違いないとかまをかけたら案の定その通りだった。 わたしはこれで気をよくしてあとは見ておいて、と突っ放した。

仕事から帰ってくると、つれあいがいう「どこに机や椅子があるかわからない。 絵もないからイメージがわかない」私は知ったふうを装い、「会社にはカタログがあるから、 それを見て注文するだけだよ」と答えると、「そんなの変。あなた探して」 仕方なく私が家からアクセスするはめになった。最初に行くのは法人向けページである。 マンションの管理組合名義で買おうとしているが、果たして管理組合は法人なのか、それがわからない。 まずそれが気になって WWW の各種エンジンで調べると『普通は管理組合は法人ではないが、 法人格をとっていると裁判などのときにパワーを持つことができるのでやりやすい。 ただし手間はかかる」と書いてあった。ここの管理組合はまだできて間もないから法人ではないな。 とすると個人名義か。個人用のアスクルはあっただろうか。少し捜すとあった。 しかしこちらは「領収書は発行できません」 「カタログは法人様専用です。個人様にはお配りしていません。」これでは困る。 私はつれあいに「アスクルに電子メールでそのへんの事情を聞いてお願いしなさい」と指示した。 私の株は上がったのか、下がったのか、よくわからない。

つれあいの私に関する結論はよくわからないが、 どうも私は IT には疎い人間であることが分った。

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