泌尿器科医・木村明の日記


横浜北アボルブ講演会@新横浜グレイスホテル


[木村泌尿器皮膚科公式ブログ]

昨日は前立腺肥大症治療薬アボルブの勉強会でした。
前半は港北区の開業医の使用経験。新横浜プリンスでのアボルブ1年会のときの緑区の先生の発表にも圧倒されましたが、
症例数の多さに、やはり若い都筑区には尿閉になるほど大きな肥大症はないのかな、なんて感じました。
後半は、千葉の先生によるアボルブのデータの説明。
アボルブで尿閉リスクは半減するというデータ
プロペシア(フィナステリド)による前立腺癌予防試験のデータ
アボルブは前立腺癌を予防したか
という話は、ブログにも書いたのでインプット済みでしたが、
アクティブ・サーベイランスの限界についての話が大変参考になりました。
がんは見つけたけど、すぐには治療しないで、再生検で見ていくアクティブ・サーベイランス自体がまだ試行錯誤の段階のようでした。
アボルブを使うことですぐに治療が必要な癌だけを見つけられるなら
「あなたはがんでした。でもすぐに治療する必要のない大人しいがんがだから、1年後に再生検してから方針を決めましょう。」という
患者さんを不安にさせる治療方針を選ばなくて済むわけです。
アボルブを処方して6カ月でPSAはほぼ半減しますが、その後微増する人には、悪性度の高い癌が見つかりやすいようです。
アボルブでハイリスク群を抽出しようという試みです。
前立腺をアボルブで縮めておいたほうが、生検本数を減らせますし。
昨日の懇親会では、在宅をやられている隣の区の先生から、受け入れ可能患者の枠がいっぱいになりかけている話とか、
法人化には、低税率で退職金を貯えるというメリットがあるとか、非常に有意義な話も聞け、
中締めの後も飲み続け、帰宅が遅くなりました。
アクティブ・サーベイランスの限界と、娘のためではない法人化のメリットというタイトルのブログは後日に。
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