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ベタニス

秋にアステラス製薬から発売される過活動膀胱の新薬の名前は、ベタニス(一般名はミラベグロン)。 おしりに紙おむつがこびり付いているような名前ですが、 ベータアゴニスト(ベータ作動薬)を短くした名前だそうです。

アドレナリンにはアルファーとベータがあって、 アルファーには1と2があって、 アルファー1aをブロックするのがハルナール、アルファー1dをブロックするのがフリバス、 で、今度のベタニスは、ベータ3を選択的に刺激するのだそうです。

ややこしすぎますが、 人間、戦闘モードのときはおしっこしない、 戦闘モードにするには、アドレナリンと覚えましょう。 今までの、過活動膀胱治療薬(ベシケアデトルシトールウリトス・ステーブラ・バップフォー)は抗コリン剤。 コリンは副交感神経から出る分子で、人間を休息モードにします。 戦え、と言うか、休むな、と言うかの違いです。

同じ例えで言えば、ハルナール・フリバスは戦うな、と言っていることになります。 戦え、というのが、今は我慢しろ、という意味で、 休め、というのが、トイレ休憩、と理解してください。

で、ベタニスは、「戦え」という薬です。 ベシケア・デトルシトール・ウリトス・ステーブラ・バップフォーは、「休むな」という薬です。 さあ、どっちが効くんでしょう。 どっちが長期投与に適しているんでしょう。まあ、1年間はベタニスは14日処方しかできないわけですが。

第一三共のMRさんが読んでいたら、ユリーフが登場していない、とお叱りを受けるかも。ユリーフもアルファー1aをブロックするんでしたっけ。 ユリーフは射精障害を引き起こします。ということは、セックスは戦闘モード?セックスは休息時にするものか、と思っていましが、違うんですね。

2011年7月11日の院長ブログ原稿


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