薬の名前:ハルナールとベシケア
アイスランドで来月開かれる
スカンジナビア泌尿器科学会。
前にも書きましたが
プラチナスポンサーはアステラス製薬。
10年前のスカンジナビア泌尿器科学会のスポンサーもアステラス製薬の前身の山之内製薬。
10年前の山之内製薬の主力製品は
ハルナール。
ハルン(Harn)はドイツ語で「尿」。
日本の医者はドイツ語が得意なわけではありませんが、アナムネとかムンテラとか、片言のドイツ語を使う癖があります。
ハルンと言えばおしっこのことと、すぐに分ります。
医者に通じて一般人にはわからない言葉は、処方箋が必要な薬の名前には適しています。
でも、ハルナールをドイツ語圏で売るわけには行きません。
「ハルンなんか飲みたくない!」と患者さんに言われるかもしれません。
ポカリ〇〇〇〇という飲み物を日本人が飲んでいるのを、外人が「なんで日本人は汗を飲むんだ!」と驚いたという話がありましたよね。
なので、ハルナールはアメリカではフローマックスという商品名です。
フローがマックス(流れが最大)、いい名前です。
ハルナールは特許が切れ、後発品が発売されるようになり、今アステラス製薬が力を入れているのは、
ベシケア。
膀胱は一般人の英語ではbladderですが、医学専門用語はurinary vesicle。
ベシケアは、ベシクルをケアするお薬です。
で、ベシケアは欧米でもベシケアだそうです。
過活動膀胱治療薬のシェアでは、日本ではベシケアが1位、アメリカではファイザーのデトルシトールに続き2位、
そしてヨーロッパでは、ベシケアが1位になったようです。
来月の月末になったらアステラス製薬の方にお聞きしたいと思っていることがあります。
今年のスカンジナビア泌尿器科学会はアイスランドの経済危機の影響を受けることなく、
10年前と同じように盛況のうちに終わったでしょうか?
アイスランド支社から東京本社に届くであろう報告書の内容を教えてほしいのです。
アイスランドの3つの銀行が、高金利を餌にヨーロッパ中から金を集め、
金融工学にのめり込んだ挙句、
リーマンショックの時に破綻。
アイスランドは3つの銀行を国有化したものの、国まで破産しそうだとか。
アイスランドの人口は30万人だそうです。都筑区民20万人と大差ありません。
30万人の税金では払いきれない借金をしてしまったんでしょうか?
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