都立駒込病院
私が都立駒込病院にいたのは28歳から31歳までの3年間。
医者になって4年目から6年目まで。
NHKの人形劇三国志を見ていたのはこの頃。
子供達が生まれたのもこの頃。
一昨日の消化器勉強会で、都立駒込病院の名前が出ました。
一昨日の勉強会は大腸癌を腹腔鏡で切除する話がメインでした。
今、大腸癌を切除するのに腹腔鏡と開腹とどちらがよいかのRCT(ランダマイズ・コントロールド・トライアル)が進行中なのだそうですが、
このトライアルに参加しているのは、腹腔鏡と開腹の両方をやっている施設に限られます。
「大きな総合病院なのに腹腔鏡をやっていない病院ってないんですか」と懇親会で質問したら、都立駒込病院の名前が出てきたのです。
都立駒込病院の消化器には名物の先生がいたなあ、と思い出し、一昨日、都立駒込病院のホームページを見てびっくり。
その先生、院長を勤めて今は名誉院長だそうです。
膀胱がんが直腸に食い込んでいたときなどに一緒に手術に入っていただき、「ガーゼでこすっちゃだめ、ガーゼは押えるんだ」など、いろいろ教えていただいた先生です。
都立駒込病院の大腸癌グループが腹腔鏡手術を採用していない理由は私には知るよしもありません。
しかし、開腹手術で充分と判断している施設がRCTに最初から参加しないというのは、RCTの一つの限界では、と思います。
RCTをやっている病院では、大腸癌の患者さんに、この比較試験がなぜ必要かを患者さんに説明します。
「この病院を選んだのは腹腔鏡でやって欲しいからです」、と主張する人は最初からRCTには組み込まれません。
比較試験の必要性を理解してくださった方はRCTに組み込まれ、くじ引きで腹腔鏡か開腹かが決まります。
もしひょっとしてここで、開腹のくじを引いてしまった人が家族に反対されて、手術を受けないで転院したりすると、RCTから脱落です。
RCTといえども、こういったことでバイアスがかかる可能性はありえるのではないでしょうか。
EBM流行の今、RCTは錦の御旗ですが、完全に科学的というわけではないと思うのです。
昨日の昼もNASで泳いで、港北食堂のさんま。
そして夜は一昨日録画した七瀬ふたたび。
七瀬ふたたびは以前にもドラマ化されたことがあるとか。
ドラマはストーリーを知らないほうが楽しめますね。
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